第8章 10話
すでに残り3回。
だが、すでに行き詰まりを感じている。
子供の水谷の居場所が変わっている。
なんで毎回同じ場所にいない!?
「これは憶測だが」
なんだ?
「最初の矢野に観測されていないから、場所がランダムになってるようだ」
そんな!
「そんな事を言ったら刺された事も観測してないぞ?おかしいじゃないか!」
「それは因果律で説明出来る。最初の矢野が刺激をしたせいで蜂の行動が活発になり、その結果2002年の水谷を刺す事になる」
だが場所そのものは俺が知らないから、特定出来ないって事か。
「それじゃあ、対策のしようがないじゃないか!蜂を退治する事も子供の水谷を守ることも出来ない」
せめてどっちかの対策が出来るならまだしも。
どっちも出来ないなんて。
「そんなの、認めない」
もう一度だ。
「次は二箇所で見張る。クローン水谷も協力しろ!」
こうなったら意地だ。
もうここまで来てるんだ。
解決方法も分かっているんだ。
それなのに。
最後の最後でどうにもならないなんて、そんな事ある訳無いだろ!!
もう一度飛ぶ!
そして、今度は交差点でなるべくいろんな道を見れるようにする。
これでなんとか。
「うわああん!」
だが。
運命があざ笑うかのように、また刺されていた。
それぞれの居場所から100メートルと離れていない所で。
だが、二人ではさすがに限界がある。
どうしても見落としてしまう場所がある。
駄目だ。
もうどうにもならない。
これまで色んな困難が立ちふさがっていたが。
今度は正真正銘詰みだ。
策が全く浮かばない。
もう諦めろって事か?
「どうする?」
「もう止めよう。万事休すだ。諦めて運命を受け入れよう」
最後の最後で、こんな運命とは。
「何諦めてるの!矢野らしくない!!」
水谷!?
「考えなさい。考えて考えてもがき苦しみなさい。それでも前に進みなさい。それがあなたでしょ!!」
さすがクローンだ。
本物そっくりに言ってくれる。
だがどうすればいい?
蜂の巣は高すぎる所にあり、まず届かない。
かと言って蜂は飛ぶから下で待つ事も出来ない。
肝心の2002年の水谷の居場所はランダム。
もうどうにも。
ん?
待てよ。
2002年で考えてるから行き詰ってるんじゃないか?
「そうだ。必ずしも2002年の時点で修正する必要無いじゃないか」
もう一つあった、修正する所が。




