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タイム・リング  作者: 山本 吉矢
81/89

第8章 10話

すでに残り3回。

だが、すでに行き詰まりを感じている。

子供の水谷の居場所が変わっている。

なんで毎回同じ場所にいない!?

「これは憶測だが」

なんだ?

「最初の矢野に観測されていないから、場所がランダムになってるようだ」

そんな!

「そんな事を言ったら刺された事も観測してないぞ?おかしいじゃないか!」

「それは因果律で説明出来る。最初の矢野が刺激をしたせいで蜂の行動が活発になり、その結果2002年の水谷を刺す事になる」

だが場所そのものは俺が知らないから、特定出来ないって事か。

「それじゃあ、対策のしようがないじゃないか!蜂を退治する事も子供の水谷を守ることも出来ない」

せめてどっちかの対策が出来るならまだしも。

どっちも出来ないなんて。

「そんなの、認めない」

もう一度だ。

「次は二箇所で見張る。クローン水谷も協力しろ!」

こうなったら意地だ。

もうここまで来てるんだ。

解決方法も分かっているんだ。

それなのに。

最後の最後でどうにもならないなんて、そんな事ある訳無いだろ!!

もう一度飛ぶ!

そして、今度は交差点でなるべくいろんな道を見れるようにする。

これでなんとか。

「うわああん!」

だが。

運命があざ笑うかのように、また刺されていた。

それぞれの居場所から100メートルと離れていない所で。

だが、二人ではさすがに限界がある。

どうしても見落としてしまう場所がある。

駄目だ。

もうどうにもならない。

これまで色んな困難が立ちふさがっていたが。

今度は正真正銘詰みだ。

策が全く浮かばない。

もう諦めろって事か?

「どうする?」

「もう止めよう。万事休すだ。諦めて運命を受け入れよう」

最後の最後で、こんな運命とは。

「何諦めてるの!矢野らしくない!!」

水谷!?

「考えなさい。考えて考えてもがき苦しみなさい。それでも前に進みなさい。それがあなたでしょ!!」

さすがクローンだ。

本物そっくりに言ってくれる。

だがどうすればいい?

蜂の巣は高すぎる所にあり、まず届かない。

かと言って蜂は飛ぶから下で待つ事も出来ない。

肝心の2002年の水谷の居場所はランダム。

もうどうにも。

ん?

待てよ。

2002年で考えてるから行き詰ってるんじゃないか?

「そうだ。必ずしも2002年の時点で修正する必要無いじゃないか」

もう一つあった、修正する所が。


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