第8章 6話
そうなると、大きく分けて二つの方法が考えられる。
一つは8年前の蜂を水谷に刺す前に退治する事。
もう一つは水谷に蜂を刺される事自体を防ぐ事。
どっちも困難なのは間違いない。
まず蜂も水谷もどこにいるのかを知らない。
それはさすがにクローン水谷も知らない。
だから、まず一度じゃ成功は無理だろう。
何度も8年前へ行く事になる。
だが、それをしなければ水谷を救えない。
水谷を救えなきゃ他のみんなも救えない。
あれ?
そういえば。
「2036年から来たって言ったが、どうやって?」
「もちろん、タイムマシンを使って」
へ?
「あれだ」
ひっそりとしたビルの屋上になにかある。
筒型?
「君が開発した、ドラム型洗濯機をヒントにあの形は作られた」
なるほど。
しかし、指摘されない限り気づかないな、あれは。
「って、ちょっと待て。そもそもあのタイムマシンを作ったのもそうだが、クローンである君を作るなんて、誰が?」
相当科学知識が無いと無理だが。
「もちろん、元タイムマシン研究クラブメンバー所属の、桜崎遥と一条みなみ、そして山田・クリス・恵子の3人だ」
あいつらが?
「すると、言葉を教えたのはクリスだな?」
「そうだ」
なんか変な感じがするな。
声は確かに水谷なのに、話し方はクリスそのものだ。
あれ?
「待て。肝心のメンバーの名前が無いが、里香は?」
確かにあいつじゃ知識も技術も無いが。
無事なのか?
「2036年までは健在だ。ただ、奴らの人質になっている」
奴ら!?
いや、聞くまでもない。
あの黒服黒サングラスの連中だ。
「奴らは矢野を誘き出したいんだ」
俺だと?
「あいつらは何者だ?」
「簡単な事だ。日本のヤクザ。裏事情には詳しい」
ヤクザ!?
「ヤクザがなんで!?」
「政府と繋がっている。タイムマシンなんて凄い発明、国家が牛耳りたいのも当然だろ?」
国だと!?
そんな大きな話にまで発展してんのか?




