第1章 7話
「第1回タイムマシン開発クラブの会議を行う!」
「会議?」
「ああ。俺も色々勉強したんでその知識の共用だ。最低限知っている事でタイムマシン開発にも近づく」
色々考えがあるが、それはあくまで俺の考えだけに過ぎない。
色んな人の考えも聞いて参考にもしたい。
「そこでだ。これから会議を行う毎に議事録を里香に頼む」
「え?私?」
これはあれから色々考えた結果。
「なんで?」
「まず俺がやると自己完結してしまう。それでは記録にならない。桜崎も論外だ、ネットスラングで解読が必要になる。そして一条は」
「僕の性には合わないな。設計図とかは描けるけど」
「そういう事だ。こういうのは真面目で几帳面な里香が一番相応しい」
理論的に説明しているが、要は里香にもやれる事を与えたかっただけ。
二人もその辺りは分かってるらしく、意見を合わせてくれた。
これで各自役目が決まった。
さてと。
「失礼するわ」
うわっ。
このタイミングで水谷かよ。
しかしノックして声をかけた以上、無視する訳にもいかない。
「どうぞ」
ったく、今度はなんだ?
すでに論破済みだってのに。
「今回はお客さんをお連れしたわ」
お客さん?
入って来たのは女性だった。
金髪で制服をお洒落に着こなしている。
外人なのは一発で分かるが、瞳の色が黒なのが気になる。
ハーフか?
水谷が小屋に設置しているホワイトボードに名前を書く。
山田・クリス・恵子。
やはりハーフか。
ん?
それを見た彼女が、山田と恵子の部分を消す。
「クリスです」
表情は変わらないように見えるが、意外と気にしてるのか?
「フランス出身です」
Tips:議事録 会議中の発言を文章として残した物。