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タイム・リング  作者: 山本 吉矢
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第7章 6話

小屋に水谷も来て、全員が揃った。

「矢野君。まずはそのクリスさんって人よりも母親に注目した方がいいわね」

だいたいの事情は伝えているが、母親?

「なんで?」

「なんでって、元の時間では科学者のままだったんでしょ?」

それはクリス本人から聞いたから間違いないはず。

「つまり、影響を与えたのは母親で、そのせいで科学者にならなかったと思わない?」

そりゃあ母親が科学者じゃないってのは気になったが。

「なあ。その、山田・クリス・恵子の母親って有名なのか?」

里香に聞く。

どうも里香はクリスのブランドの事をある程度知ってるらしい。

この中で水谷を除けば、一番女の子らしいとも言えるが。

「ブランドは持ってないけど、ある程度デザインはしてるよ。ほら、このファッション誌に載ってるこれもクリスさんのお母さんがデザインなんだー」

なるほど。

俺はこういうのは良く分からないが。

シンプルながらも、服の長さや柄の位置等が綺麗に見える。

「その母親って、もしかして8年前から急に?」

「えっと。影響を受けたのは確か8年前に日本に来て、休暇中にインスピレーションを受けたとか」

8年前!?

「やっぱり母親だったわね」

確かに。

まさか、クリスの母親が日本に来ていたなんて。

そりゃあ父親が日本人だから無関係って訳じゃないが。

クリスがフランスから日本に来たって話から、ずっとフランスにいて日本には来ていないと思っていた。

インスピレーション?

つまり、俺が何かしたからデザインの仕事をしようと思ったのか?

でも、何だ?

8年前で俺がデザインの影響を与えるような事って。

「これ!最初に試作で作った服」

急に桜崎が叫ぶ。

なんだ?

「見て。クリスさんの母親が一番初めに試作した服がウェブに載ってるんだけど」

これは!?

一橋高校の男子用学生服!?

なんでこれが?

「あれ?確か今の学生服のデザインって4年前に変わったんだよね。確かプロの人にデザインを頼んだとか言って。それがなんでそれよりさらに4年前にそっくりなのがあるんだろ?」

そうか!

「これが原因か」


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