第5章 10話
「しかし、こうして一緒に帰るなんて思ってなかったな」
クラブが終わり、俺は一条と一緒に帰る事にした。
念のため、午後5時30分に死なないか見届ける為に。
「クラブリーダーとして、責任があるからな」
元々は俺の個人的な思いでやってしまった事。
そのせいでクラブメンバーに迷惑をかける事になろうなんて、思ってもいなかった。
もっとタイムトラベルについて勉強していれば良かったと後悔もしている。
「へへっ。どんな理由だろうと、こうして男性と二人っきりで帰れるなんて思ってなかったよ」
「何言ってんだよ」
普段男っぽくで、がさつなイメージがあるが。
なんか今は可愛らしい雰囲気がある。
そういえば。
一条は俺の事が好きだったんだ。
告白した事も消えてしまったが。
俺だけが覚えている。
ん?
揺れた!
大きい!?
「うわっ!」
突然の事で、俺に寄りかかる一条。
急激に揺れたせいだ。
しかし。
一条の時より揺れが大きくなってる。
なんだこれは?
「ふぅ。矢野の言う通り、確かに地震が起きたな」
だが分からないのは。
地震の規模が大きくなって来ている。
なんで?
「あっ!」
しまった!
今、思い出すなんて。
そうだった。
もう一つあった。
俺にぶつかって転んだ少女。
あの影響がまだ残っている。
忘れてた。
俺は慌てて電話をかける。
「お兄ちゃん!?」
「単刀直入に聞く。誰か死んだか?」
またクラブメンバーの誰かが犠牲に?
「私からもかけようと思ったの。ついさっき、桜崎さんが」




