第5章 7話
「なんで!?」
確かに結果的に助けられ無かったとしても。
こういう結果になるとしても。
やはり、納得出来ない。
「助けようとしていたのに!」
「いいんだよ。僕は死ぬ運命だったんだろ?それなら矢野を助ける事で達成出来るならいい」
「一条!!」
そんな。
「結果がこうなるにしても、俺は抗いたかった」
仲間であるクラブメンバーを見殺しにするなんて。
どうしても出来なかった。
「だからだよ。矢野は最後まで僕を一人の人間として見てくれた」
一条?
「僕はね。こんな性格で技術に特化したせいで、女として見てくれなかった。二言目には男かと思ったと言われてね。でも矢野は違った。男とか女とか、そういう次元じゃなかった」
「何言ってるんだ?そんな当たり前の事を」
「そう言ってくれる人は、周りにいなかった」
一条の体温がどんどん低くなっていく!?
まずい。
本格的に危険な状態だ。
「そうだ!早く救急車を呼ばないと」
「いいんだよ。どうせ呼んでも僕は死ぬんだろ?だったら最後に言わせてくれ」
一条?
「僕は矢野の事好きだったよ。一人の男として」
「死ぬな!」
くそっ!
やっぱり止められなかった!
「矢野。死ぬ前に、僕の事をみなみって呼んでくれ」
そう言い終わると。
一条の目は閉じてしまう。
「みなみ!!」
だが反応は無かった。
もう再び開く事は無いだろう。
「みなみぃ!!」
くそっ!
なんでこうなる?
どうして!?
くそっ!くそっ!
「矢野君!悲しんでる暇は無いわよ!」
水野?
「すぐに警察が来て、ここは封鎖される可能性が高い。早く8年前に飛ばないと」
そうか。
初め一条が死んだ場所はもっと校門近くだった。
だが、ここは小屋から近い。
封鎖されるとまずい。




