第4章 4話
そりゃあ里香は可愛い。
だが妹である以上、恋愛感情なんてある訳が無い。
そんなのは普通だ。
それが突然他人で、しかも恋人って。
簡単に受け入れられる訳も無い。
でも、お母さんを救ったこの世界では他人。
妹では無い。
なら一人の女性として接するのは当然。
まあいい。
そういう世界なら、ゆっくりそういう関係になるかもしれない。
ここでは妹では無いんだから。
俺の良く知る里香となんら変わらない。
お母さんを救った代償に兄妹でなくなっただけで済むならいいじゃないか。
「今すぐ、俺は君を恋人で見ろってのは無理かもしれないが」
そう言って、いつものように手を握る。
こうして手を繋ぎながら帰るってのは、特別な事でもない。
だが、この世界の里香は違ったようだ。
顔が真っ赤になっている。
「ゆっくり仲良くなればいい」
それでいいんだ。
俺がこの現状を受け入れれば。
ん?
「揺れた?」
微妙に揺れた。
震度1か2くらいか?
すぐに収まった。
特に騒ぐほどでもないな。
だが、次の瞬間。
もの凄い車のブレーキ音が鳴った。
え?
まるでスローモーションのようだった。
俺の右手を握っていたはずの里香を。
車がぶつかってそのまま運んでいく。
「里香!?」
なっ!
その車は。
ビルの外壁にぶつかっていた。
前面は大破。
煙も出ている。
「里香ぁ!!」
叫んだ次の瞬間。
車は燃え上がっていた。




