第4章 2話
次の日。
確か2012年9月13日木曜日のはず。
約24時間のズレがある為、まだ時間の感覚が戻ってない。
「お邪魔します」
来たのは水谷。
やはり飛んだ当日と同じ行動か。
「どうしたの?」
「いや。みんな集まってから報告したい事があってな」
隠してもしょうがない。
どうせ今日タイムマシンの最終実験をするつもりだったんだ。
タイムマシンの理論や作成の過程なんかはする必要は無い。
そこを省くだけで、だいぶ楽だ。
やがてクリスに一条、そして桜崎と里香がやってきた。
「みんなに聞いてもらいたい事がある」
そこで俺はすでに今日のタイムマシン実験を行い、8年前に飛んだ事。
そしてお母さんを救い24時間前に戻った事。
飛ぶ前は兄妹という関係だったのが、飛んだら恋人同士になっていた事も説明する。
「本当か?」
「麻耶君の反応だと、嘘は言ってないよ」
里香も味方してくれた。
恋仲な相手の反応が明らかに違うから当然か。
「そっか。僕の作ったタイムマシンがそこまで成功してたんだ。うれしいな」
「私と矢野君の理論も合ってたのか」
これまでもいろんな実験はしていたが、人間を飛ばしたのは大成功ともいえる。
この反応は当たり前かもしれん。
「そこでだ。今日の実験はしない。当たり前だが、今の俺は実験する意味が無い」
元々はお母さんを救いたいからやろうとしていた事。
そのお母さんを救ってる以上、やる意味が無い。
「矢野君がそう言うなら仕方ない」
「僕も異論はない」
全員が納得してくれた。
俺がリーダーだからか。
「でもどうするの?タイムマシン作っておいて実験しないなら、無駄じゃない」
水谷の言う事も尤もだ。
「確か、新井さんのお母さんが8年前に誰かに助けられたおかげで、今こういう状態になってるって事を聞いて、その真実を確かめる為にタイムマシンを作ったんでしょ?」
なるほど。
このタイムマシンはそれが目的だったのか。
「それなら目的は達成されている。その助けた人物こそがこの俺だったんだから」
飛ぶ前の俺は知らない事だった。
「今後実験は続けるかもしれない。念のために置いてくれないか?」
過去に飛ぶ理由は無くなった。
だが、苦労して作ったタイムマシンを解体というのはやりたくない。
ゆっくり考えればいいか。




