第4章 歪み
俺と里香が恋人同士!?
なんだそれ?
「何を冗談を言ってんだ?」
「え?もしかして私の事、嫌いだった?」
顔色が曇る。
いやいや。
「俺の妹だろ。なんで恋人になる!?」
「妹って何よ。そんな風に見ていたの?」
変すぎるぞ。
「妹じゃないってんなら、苗字は!?」
「どうしたの?今日の麻耶君、本当に変」
そうだ。
そういえば、戻ってから俺の事を『麻耶君』と呼んでいた。
まさか。
過去を変えた影響?
でもお母さんを助けたんだぞ。
なんで、それが俺と里香が他人になってんだ?
そうだ。
信じられないかもしれないが、ここは真実を言うしか無い。
「実は俺は8年前の過去を変えて戻ってきた」
「え?何?突然」
「たぶん、俺と里香との認識の誤差の原因はそこだ。8年前に飛ぶ前までは、俺と里香は兄妹だった」
「ちょっと待って。それじゃあ、本当にあれが成功して?」
俺は頷く。
「俺のお母さんが8年前に事故で死んだ事を回避した。それが原因で違いが生じてるんだ」
まさかお母さんを助けた事が、こういう結果になるなんて。
「それじゃあ、私が新井里香ってのも?」
新井?
「いや、知らない」
当然だ。
つい数十分前まで妹だった人間の苗字なんて知る訳無い。
「ふーん。それじゃあ、麻耶君のお母さんが死ななくて良かったね」
「へ?」
どういう意味だ?
「だって。そのおかげで私と麻耶君の関係が恋人通しになったんだもん。妹なんて私は嫌!」
そうだ。
俺と里香が恋人なんだ。
これは困ったな。
それこそ、つい数十分前まで妹だったんだぞ?
いきなり恋人って。




