第3章 5話
2012年9月13日木曜日。
タイムマシンへの道のりが見えてから1週間。
まさか本当に行ける日が来るとは思っていなかった。
「お邪魔します」
今日の俺以外の一番乗りは水谷か。
「あっ、昨日はごめんなさいね。急な会議だったから」
「気にするな。だいたい生徒会長が生徒会を優先するのは当然だろ?」
こっちの活動はついでみたいなもんだ。
「でも私のせいで実験を延ばしたみたいで」
「逆に踏ん切りがついた」
迷っていた俺の気持ちを、晴らしてくれた。
そういう意味では正直助かってる。
「本当に?それなら嬉しいんだけど」
おかげで今日は冷静な気持ちでいられる。
「いっ、今のは迷惑かけなかったから言っただけなんだからね!」
だから、なんでツンデレ?
よく分からん。
「今日は来ているのね」
クリスが来た。
いつも三番手だな。
すると次は。
「おっす!今日こそ決行か?」
一条。
そして。
「やっほー!」
「乙ー!」
今日も二人揃ってやって来た。
これで全員そろった。
「それではこれより、人間を過去へ送る!被験者は俺、矢野麻耶」
里香に目線を送る。
「議事録担当だろ?」
「あっ、はい!記録に残します」
成功したら人類史に残るほどの偉業。
だが、俺はそれを公表するつもりはない。
単に自己満足の為に作ったんだから。
「飛ぶ時刻は2002年3月13日水曜日。17時30分」
これは目標の時刻よりも10分ほど早い。
当然、行って目的通りに出来るかの不安もある。
余裕はあった方がいい。
「行く前にこれを渡しておくお」
地図を渡された。
「これは?」
「8年前の地図。万が一が起きた場合目印が現在とは違うから迷わないように」
なるほど、道自体は8年でそう大きく変わる事は無いが目印となる店や看板等は変わっている。
知らない道を通る事にもなるからこれはありがたい。
「場所は東京都千代田区岩本町3丁目!」
「駄目。8年前だと誤差が生じてしまう。場所はここ東神田1丁目じゃないと安定できない」
くそっ!
「戻る時はどこを目指せばいい?」
「千代田区神田佐久間町1丁目にある秋葉原ワシントンホテルの裏側。そこなら8年前でも人目はつかない。ただし8年前の2002年にはこのホテルは存在していない。だからその地図を渡した」
なるほど。
かなり長い距離を移動しなきゃならないな。
「了解だ。始めてくれ」




