第3章 4話
2012年9月12日水曜日。
昨日の調整でマシンはほぼ完成している。
なら、なぜ行かないのか。
それは心の整理をしたいから。
何せ無事に戻って来られる保障が無い。
それでも俺は行くしかない。
おそらく、これがギリギリの方法。
クリスも考えてはいるが、たぶんこれ以上の安全策は無いだろう。
悩んでもしょうがないのは分かっている。
だが怖い。
それはそうだろう。
これまで誰も挑戦した事の無い事だ。
恐怖を感じない訳が無い。
「こんにちわ」
クリスが来た。
まず水谷が来るかと思ったが意外だな。
「どうだ?」
すでに俺が行く事は決まっている。
後は俺の覚悟だけ。
「おーす」
一条も来た。
そのまま定位置に座り、今日も修理をしている。
彼女はマイペースだな。
「あっ、お兄ちゃん」
「乙ー」
里香と桜崎も来たか。
「後は水谷か」
あいつが一番最後ってのは意外だな。
「そうそう。水谷さんから伝言。今日は緊急の生徒会があるから欠席ですって」
緊急?
「ほら、うちの野球部が予選敗退したじゃない?これまで甲子園まで行けたのに。それによる待遇処置をどうするかのミーティングだって」
なんだ。
クリスが今現在も持ち出し中の海洋資源の事かと思ったが。
関係ないならいいか。
でも今日は水谷は来ないのか。
よし。
「明日。全員が揃ったらいよいよ実行開始する」
腹を決める時が来た。
水谷が来られないと聞いた時に、残念と思う気持ちがあった。
つまり、なんだかんだ言って俺は行きたいんだ。
過去へ。




