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タイム・リング  作者: 山本 吉矢
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第2章 7話

小屋にいながら、この話に付いていけてるのは俺とクリスと水谷だけだった。

「待って。あれがエキゾチック物質だと言うなら、なんで空中に浮かないの?マイナスのエネルギーの塊なんでしょ?」

「いや、エキゾチック物質は単にエネルギーがマイナスなだけで軽いという訳では無い。計ろうとするエネルギーがマイナスに働いてるだけで、重さそのものはマイナスではない」

しかしエキゾチック物質か。

「なあ。あれがエキゾチック物質だとしたら。あれを使ってタイムマシンって作れないか?確かエキゾチック物質を使った理論があったはず」

「待って。あれの理論にはワームホールが必要。そのワームホールを作る方法が無い」

そうか。

単にマイナスのエネルギーだけじゃ無理なのか。

それでもタイムマシンを作れる道が見え始めた。

諦める訳にはいかない。

「でもあれが本物だとして。どうして秘密にするの?発表すれば凄い功績じゃない」

「私に功績はいらない。それをCERNが教えてくれた」

そうだ。

彼女は自分の功績を封印されたんだ。

「それに、今はクラブのメンバー。タイムマシンに応用出来る物なら、リーダーに報告するのが先」

なんだかんだ言って、俺を信頼してるんだな。

「私は内緒にすると言うより、あれがエキゾチック物質だなんて信じてないからね。そんな理論だけの物があっさり出て来るなんて」

「でも、海というのはそれだけ神秘が詰まってる。俺は不思議に思わない」

元々惑星は宇宙の色んな元素が集まって出来ている。

その中には未だ発見されていない物だってある。

そこがまだ海の中にあっても不思議じゃない。

そもそもメタンハイドレートすら1930年に発見された物。

理論だけのエキゾチック物質も無いなんて言い切れない。

それがたまたまうちの高校に持ち込まれ、たまたまクリスが発見するとは。

偶然過ぎる。

でも今はその偶然に頼るしか無い。

次なる目標はワームホールを作る事。

ワームホールは時空の穴と穴を繋ぐパイプみたいなもの。

これも理論はあるが、実際に観測はされていない。

でもワームホール自体はまだ可能性がある。

なにせ負のエネルギーが存在するなら、アインシュタイン方程式の解として存在するという結論もあるくらいだ。

その負のエネルギー方がハードルとして高く、ワームホールはそれに比べれば低い。

可能性はある!


Tips:アインシュタイン方程式のアインシュタインほうていしきのかい 重力や万有引力などに適応出来る方程式の事。ブラックホールにもワームホールを作る為の理論にもこの方程式を使う。

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