第1章 10話
「続いて説明する」
まるで教師のように、ホワイトボードの前に立つ。
俺達はテーブルを囲むように座る。
「時間を越えるというのは、光を超えると同じ事。でも物理の世界では光より早い動きは存在しない。それが相対性理論」
これがあるから、タイムマシンは夢物語と言われている。
この相対性理論は絶対で、様々な物理理論の基本とも言われている。
つまり物体は地面に向かって落ちる重力のような当たり前な事。
これを破るには重力に反発するほどの威力で飛ぶロケットのように、打ち破る理論と技術が無いと無理だ。
だが未だにその理論すらも確立されていない。
「なるほどな。つまり矢野はそんな無理な事を可能にしようと?」
「ああ。一条の言う通りだ。不可能といろんな科学者が断定している事を可能にしようと言ってる」
もちろん、普通に考えたら無理。
「だからこそ、俺は電子レンジに目をつけた。だって技術の特許がアメリカ政府なんだぜ?」
桜崎も一条も里香も驚く。
クリスが驚いていないのは知ってるからか、それとも表情に出ないのか。
「アメリカ政府?」
「そうだ、里香。しかも大きさが登場した時と今も変わっていない。電話にしろテレビにしろ洗濯機にしろ、改良を重ねてコンパクトになるもんだ。だが、電子レンジだけは変わってない。つまり登場した時からすでに改良の余地が無いほどの完璧な形って事だ。」
しかもアメリカ政府が特許を持っている。
絶対に何かある。
「へえー。さすがリーダー。目の付け所が違う」
「最初は都市伝説かと思ったんだけどな」
けど、調べたら本当の事だった。
「でもそれは仕方のない事。元は軍事技術。だからアメリカ政府が特許を取っている」
そうなのか?
「食品を温める部分の容量は一定の大きさが必要。そしてマイクロ波を出す機械も技術は出来ている。つまり改良の余地は無い」
いや、それでも。
「俺は別に都市伝説そのものには興味ない。問題は肝心のマイクロ波を出す機械が軍事技術だって事だ」
そしてそれは技術が確立しているって事だ。
「なるほど。そこまで言うなら良い話をしよう。元々光と時間は絶対変わらない訳ではない。重力や速度の影響を受ける」
なんだって!?
Tips:相対性理論 アインシュタインが創始した理論で、いろんな物理学の基本とされている。この理論の中で光より早く加速する物体は存在しないとされている。
Tips:電子レンジの都市伝説 電子レンジの特許をアメリカ政府が取っている事や開発してから長い間大きさが変わっていない事から生まれた噂。
UFOの技術を使っているとも言われてる。




