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現在、魔法使いは絶滅危惧種です。  作者: 絢無晴蘿
第六話 前 「あなた、めざわりなの。流留歌から出てってもらえないかしら?」
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魔法使いの祝祭 5


「そう、あれは忘れもしないある日の午後の話……破壊された町の真ん中で、あいつは笑って私に手を差し伸べたきたのよ……あの災厄天然ボケナスあんぽんたんはっ」

「は、はぁ……えっと、そ、そうなんですか……。ちょっとシンリ。この人誰? でもって、なんの話をしてるの?!」

「え、えっと、おじじさまのお姉さんだよ。えっと……たぶん、あいつっていうのは、

『音川アルト』さんのことだとおもう……」

「……」


なぜか力説……というか語り始めてしまった少女……。

それに対して、輪は相手にしない。

というか、諦めているらしい。

少し離れた場所で、明後日の方向を見ていた。


「おっと、自己紹介が遅れたわね。さっきは取り乱してごめんなさい。あいつとあまりにも似すぎて……国の絶滅天然記念物みたいなあの女の事だから、化けて出てきてもおかしくないって前々から思ってたの……」

「そ、そうなんですか」


国の絶滅天然記念物……絶滅って……そんなに天然なのだろうか。

なんとなく、知っていそうな輪を見る。と、計ったようにそっぽを向かれた。


「……」

「……あいつが天然だったことは否定しない」

「そうなんだ」


音川アルト……外見はともかく、中身はまったく似ていないらしい。

うちの母も相当な天然だが、それとどっこいどっこいくらいなのだろうか。


「でも、貴方も大変ね……音川アルトにそこまで似ているって事は……あの最悪の魔女とも似てるってことになるんだよね……」

「え? 最悪の魔女?」

「……よせよ……俺、ずっとその事考えない様にして来たんだぞ……」


音川アルトだけじゃなくて、他の人にも似てるのか、自分。

しかも、二人の様子を見る限り、すっごく嫌な人みたいだ。

アオイは目をそらしながら暗い顔をしているし、輪は隅の方でいじけている。


「……シンリ、知ってる?」

「た、たぶん。おじじさまが結構前に言ってた人がその人なら……」



『……あいつは……トラウマ大量生産機だ。餌食になって無事に生還した者はいない。ある者は音川の名に怯え、ある者は娘であるアルトの姿を見ただけで恐怖に震え、ある者は全身全霊で彼女の記憶を消去しようと無駄な努力をしていた』

『お、おじじさまも被害に遭ったんですか?』

『……幸運なことに、大抵気絶させられていたからトラウマなどはない。ただ、気づくと大抵建て物が崩壊していた』

『……なにがあったんですか』

『皆、顔をそむけて何も無かったと言っていたな』

『ありましたよねっ?! ぜったい、なにかありましたよねっ?!』


「って言ってた」

「……へー。もう、なにもつっこまないよ」


過去の音川家っていったいなんなんだ。

変人しかいないのか?


「さっきのランロウさんは……その人と契約していた精霊らしいよ」

「えっ、そうなの?」


確かランロウがどうのとか……。

ん?

あれ?

ランロウの契約していたって言う人は、音川輪の姑って……。


「あ、あのさぁ、もしかしなくても、その……もしかして、その……あんたって、結婚してたの?」

「えっ、今さら? いや、だから俺、お前の先祖だって」

「……」


どう見てもうちと同い年のくせに結婚しているというのはどうなのだろうか。

いや、それよりも……。


「『音川アルト』と、結婚していたって事?」


なんともいえない沈黙。

さりげなーく視線をそらす音川輪。

それを白い目で見ている少女。

口元を押さえながら驚愕しているシンリ……。


「……あんた、言って無かったの?」

「俺が言う事じゃないだろ」

「いや、言っておくべきことでしょ」


……。

絶句、っていうか、ほんと言葉が出ない、というか……。

なんでそんな……。


「お、おかしいでしょっ?! どう見たって、あんた同い年か年上くらいかだしっ!」

「人は見た目に寄らないんだよっ!!」

「だからって、おかしいでしょ?!」

「最初から、先祖だって言ってんだろ!」


そこに、あわてて制裁の声が入る。

私をちがうアルトさんとやらと間違えた彼女だ。


「ほらほら、やめなさい。あ、そうそう、私はアオイ。風の精霊よ」

「え? そ、そうなんですか」


しかし、その後さらに事態を悪化させる発言をした。


「あと……その……シンリ君のとこにお世話になってるヤガミの姉なの。弟がいつもお世話になっています!」

「えっ」


もう、なにがなんだかわからないよ。




かなり更新が遅くなりました。すみません。

今年は忙しくなるので去年のように週一で投稿ができなくなります。


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