神様、いるか知らないけどお願いします。
「なんでさっ」
小さい頃、私のまわりではやたらと事件や事故が起こった。
突然窓ガラスが割れたり、突然車が暴走したり、突然竜巻が起こったり……言いあげればきりがない。
そのせいで学校を転校したことだってある。
でも、それはある日無くなったのだ。とつぜん。
それ以来、平穏な毎日を過ごしていた。
それなのに。
「……なんでっ」
私は、あれ以来怪奇現象に遭わなくなった。
そう、そのはずなのにっ。
「なんでこんな事になるのさっ!!」
目の前に広がるもの……いくつもの車の玉突き事故。
その、中心になぜか私はいた。
「おーい、アルトー」
私の名前を、誰かが呼んだ。
音川アルト。それが私の名前だ。
と言っても、アルトというのは幼名で本当の名前が他にあったりする。なんだ、その中二病と思われるだろうが、これが我が家のしきたり。
……なんでこんなしきたりあんのか、すごく疑問だけど。むしろ、迷惑だけど。
まあ、そんな事はどうでもいい。それよりも、前に広がる事故現場のほうが問題なんだから。
とりあえず声のしたほうを見ると、煙を上げる車の向こう際で幼馴染の少女が手を振っていた。
「イ、イリナっ」
日野伊莉那。私の家のお隣さんがそこにいた。
おんなじ高校に通っている。おなじクラスで同じ部活。
いわゆる幼馴染の友人だけど、いろいろ問題ありな性格の持ち主だ。
「とりあえず、取り調べ受けてくればー? じゃあ、先に学校行ってるから」
「ひ、ひどっ!」
サラリと言った彼女は、メガネをかけ直してそのまますたすたと学校に向かって歩いて行ってしまった。
てか、酷くないか。
友達が交通事故の中心にいるんだぞ?
は、薄情な奴め……。
いや、その前にこの事件と人ごみの中を普通に高校に登校するってすごいというかなんというか。
「もう、なんでこんなことになったのさ」
最近の事故や事件の数々を思い返してめ息をつきたくなる。
今回はいつもの国道の通る交差点を渡っただけなのに……なぜか周りで大事故が起こっていた。
私を中心にしているけど、たまたま私は無事。はっきり言って、すごくおかしいくらいに何もない。
どう見ても、おかしい。
「私が何したって言うんだよっ!!」
神様、いるのか知らないけど、てかいないと思うけど、もしもいるならこの状況、どうにかしてください。




