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現在、魔法使いは絶滅危惧種です。  作者: 絢無晴蘿
第二話 「音川がお前を守るという事は、こういう事だ。その意味をよく考えろ」
16/42

決意、そしてもう一人の『魔法使い』。



真っ暗な公園。

そこで、ブランコに座っていた。

キィキィと、金属が錆びた音が寂しく響いている。


「……」


伊莉那や心麗が襲われて捕まったのも、小時朗が傷ついたのも……いや、私の知らないところで、知らない人が襲われたりしているかもしれない。


「……私の、せい、か」


だから、音川輪は私の前に現れた。

私と、私のせいで危険に巻き込まれる人を守るために。

なんで……なんで私なの?



「あ、いたいた」

「?」


顔を上げると、音川輪がいた。


「……」

「まったく、急いで探してみれば……」

「……なんで」

「?」


見た目は私と同い年ぐらいのくせして本当は私の先祖の魔法使いなんて言ってる、よく解らない奴。

こいつが現れてから、私の日常はおかしくなった。


「……なんで、私なの?」

「……」

「なんで私なの!? なんで、あいつらは私を襲ってくるの! 私が何かした? なんだって言うの!!」

「……」

「答えてよ!!」


どうして、私は襲われなくちゃいけないの?

魔法使いになれとか、風術師になれとか、守るとか、なんだって言うの?

もう、訳わかんない。


「どうして、私なのっ」


ただ、ふつうでいたかった。

何も無い、ただの高校生でいたかった。


また(・・)、異端者として弾かれるのが嫌だった。



こいつが現れてから、日常がおかしくなった……のは嘘だって解ってる。

だって、もともとおかしかったから。



「私は、また、魔女なんて呼ばれるのはいやっ。みんなに怯えられうのも、恐れられるのも、嫌なのっ」




昔の話。

小学生の頃、周りで異常なほど不思議な事が起きた。

そのせいで友達だった人達が傷ついた。

それが原因で――異端者として弾かれた。

ただ、それだけの事。



「また、弾かれるのは嫌。友達が傷つくのも嫌。それなのに、なんで」


「……昔、お前とよく似た奴がいたんだ」


音川輪は、静かに言った。


「あいつは……彼女は、音川家に代々受け継がれてきた力を持っていた。でも、彼女には子がいなかったんだ。そのうち、養子をもらったんだけど……それ以来、彼女の力を受け継ぐ者はいなくなった。……でも、久しぶりにその能力を持つ者が現れた。それが、お前だよ。本当に久しぶりの事だったから、みんなうかれてんのさ」

「……?」


うかれてる?


「だって、久しぶりにようやく現れた愛し児にして、風の舞姫なんだから」


音川輪は、なぜか切なそうにそう言った。


「お前は、風の祝福を受けている。だからだよ」




祝福?


そんなの、祝福なんかじゃない。


ただの、呪いだ。



「ねえ、音川輪」


長い沈黙の後。


「なんだ?」

「私……」


公園のブランコから飛び降りて、


「私、魔法使いになるよ」

「そうか」


私は魔法使いになることを決意した。






///









薄暗い部屋に、パソコンから溢れる光が異様に明るく、光っていた。

それを覗き込むように見つめる。

見ているのは、サイトの書き込み。


びっしりと文字が並ぶ小さなコメント欄を、見つめる。

いくつかのコメントと、今日もまたあの書き込み。



これ以上は、進むな



「まったく、誰のいたずらなのか……」


それでも、やめない。


「……うちは、できるわ」


大丈夫。

だって、私は、魔法使いなんだもの。


「私は、『魔法使い』だもの……」


そうよ、魔法使いなんだから……。


大丈夫。


言葉に出して、そう、呟くことしかできない。









これにて、第二話終了。

次回、第三話始動、もしくは短編集となります。

お読み下さり、ありがとうございました!

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