散歩
落ち葉が舞うように落ちてくる。その中を私は避けるように小気味よく歩く。左に小川と桜の木。右には落ち葉の絨毯と、上には雲も少ない綺麗な青空。下には落ち葉とアスファルト。少し大きな公園の中にあるこの道を、少しの寂しさを感じながら私は歩く。松の木にはこもが巻かれ、池の水は抜かれて無くなり、広葉樹はその葉を落とす。その場所を、寒さの中にあるわずかな陽気を受けながら、かじかむ手をコートのポケットに突っ込んで、ただただ歩き続ける。今はまだコートだけだけど、そろそろ手袋とマフラーも必要らしい。そんな事を考えながら、池を横切って階段を上り、道路を跨ぐ橋を渡ると二若山。山とは名ばかりの小さな丘から見下ろす町の風景は、少し白くかすんでいるように見えた。その時、不意に少し強い風がふく。私は寒さで体を縮こませる。そんな、そろそろと来る冬の空気を如実に感じられる秋の日の午後。
読んでいただきありがとうございました。
作者は牛乳をレンジで温めて飲むのが至高です。