第1話:異世界の覚醒、覇王の誕生
*2055年のフルダイブ型MMORPG、薄暗い幽影の森。リュウトは一人、ステータス画面を見つめる。*
*ステータス:クラス「呪縛者」、攻撃力ゼロ、防御力皆無。スキル《終魂の刻印》――敵の心に「終焉」を刻み、恐怖や罪悪感で魂を蝕む。直前に開けた宝箱から得た「MP無制限」が輝く。アバターは人間の姿――金髪に青い瞳、豪華な黒と金のローブをまとい、国の王のような威厳ある容姿。*
*フラッシュバック。2055年、《ソウルユグノヴァ》のマルチプレイ時代。リュウトは様々なパーティーに合流し、協力して冒険を楽しんでいたが、無課金ゆえに毛嫌いされた。*
**プレイヤーA**(ため息、声を張る):リュウト、悪いけど無課金ってさ、装備しょぼいし使えねえんだよな。廃課金か微課金なら話は別だけど。
**プレイヤーB**(笑いながら、肩を叩く):ほんと、無課金いらねえよな。リュウト、悪いけどどっか行ってくんね?
*どのパーティーからも断られ、リュウトは拳を握る。現実でのいじめ――裏切られた友人の涙がフラッシュバック。*
**リュウト**(呟く):差別じゃねえって言うけど…嘘つきが、俺をバカにする奴らが、許せねえ。だから、シングルプレイでいい。
*シングルプレイに切り替え、リュウトはNPC盟友――戦闘くノ一リンネ、剣士ガレン、策士ノア――をカスタマイズ。数十時間プレイを続け、他のプレイヤーがログアウトする中、探索に没頭。幽影の森で光る宝箱を見つける。*
**リュウト**(興奮して):これ、超レアな宝箱じゃん! 0.005%の確率って…何十時間やってやっと見つけた。
*宝箱を開けると、金色の光が溢れ、通知が響く。「MP無制限獲得」。同時に空間が歪み、ゲームごと異世界へ転移。リュウトは転移後の幽影の森に立つ。ステータスに新要素「アタックポイント」が追加――攻撃を加えるほど増幅し、スキルの威力を強化。*
*白い炎が揺らめく。聖女セリスが現れる。銀の瞳、黒焔の髪。*
**セリス**(静かに、微笑む):リュウト、汝の魂は怒りと寂しさに燃える。終魂の覇王として、嘘つきを断罪するか?
**リュウト**(目を細め、冷たく):嘘つきは許さねえ。俺が最強だと、魂に刻む。けど、裏切られなきゃ、ただの仲間でいいのに。
*セリスが触れると、新スキル《終魂の刻印:永劫の宣告》が刻まれる。MP無制限で魂を無限に蝕む力。アタックポイントでスキル威力が攻撃ごとに増幅。リュウトの背後に、盟友――リンネ、ガレン、ノア――が現れる。ゲーム内ではある程度自我が芽生えていたが、異世界転移で完全に独立した意思を持ち、リュウトを崇拝。リンネの瞳が狂気じみて輝く。*
**リンネ**(刀を握り、囁く):リュウト様を侮辱する者は、このリンネが八つ裂きにします。リュウト様は最強、永遠の王!
**ガレン**(剣を構え、穏やかに):リュウト様、人間にも敬う者がいます。共存を、仲間を…リュウト様も望んでいますよね?
**ノア**(冷笑、扇を振る):人間はリュウト様の輝きを引き立てる道具。敬わぬ者は滅するのみ。
*リュウトは王のようなローブを翻し、冷酷な笑みを浮かべるが、寂しさが胸を刺す。*
**リュウト**(呟く):敬う奴には優しくする。嘘つきやいちゃもんつける奴は…フルボッコだ。けど、俺…本当はただ、裏切られずに笑いたかっただけだ。