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巨骸山脈  作者: 蔦本望
第四章 深淵
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19. 会議

僕はいま、人生で初めての会議に参加している。

パラヤとのなんちゃって会議ではなく、本物の会議だ。

僕たちと協力者たちとの作戦会議である。

協力を快諾してくれた、先輩のマニス。

嫌々ながら了承してくれた、いつの日か話しかけた僕をしかりつけた上司のサント。

そして、僕とハットの4人で小さな机を囲んでいる。

「今の状況の共有は以上です!それではこれからの作戦を考えていきたいのですが、その前に質問がある人はいますか?」

ハットの敬語は初めて聞いたかもしれない。

「まずは条件だろう。」

サントが冷たく言い放つ。

「もし第三層が採掘できた場合は、全員に権利があるので、記録には全員の名前を載せましょう!採掘した素材は全員に研究する権利があることにします。研究内容と結果は、研究者ごとの発表でどうでしょう?」

「研究の順番は?採掘できたとしても一かけらがいいところだろう。」

「それは......一番貢献度の高かった人......?」

「貢献度はどうやって測る?」

「う~ん、調査団の数とか、いやでもアイデアも大事だしな......」

「最初に採掘できた人でいいんじゃないですか?採掘したメンバーが所属する調査団に権利をあげましょうよ。」

今まで黙っていたマニスの一声で、ハットとサントはお互いにうなずきあって、研究の順番が決まった。

「それじゃ、本題に入りましょう!」

互いにどうやったら削れるかを議論し、可能性があるものを取捨選択してから、優先度を決めたところでお開きとなった。

専門用語が多すぎてあまり話についていけなかったので、明日から何をするのか正直わかっていない。

マニスとサントは準備があるとかで早々と部屋を出ていった。

僕も今日はもう終わりでいいとのことだったので外に出ると、あたりはすっかり暗くなっていた。


「パラヤのところの研究員って、サントって人?」

「......いや、違うけど。スザムって名前だったかな。」

「そっかぁ。それじゃ一緒に調査はできないね、残念。」

「......誰かと協力するの?」

「そう。マニスとサントって研究員の調査団と一緒に第三層の採掘をすることになったんだ。なんか真剣に話し合ってたけど、よくわからなかった。」

「......そりゃそうでしょ。僕も明日から調査団だから、第三層を採掘することもあるかもね。」

「いよいよだね。また明日からがんばろう。」

その後も他愛もない話をしていたが、久しぶりに明るい話ができて、気分がリフレッシュできたように思う。

物事が順調に進んでいると、つい気が緩んでしまう。

いつの間にか寝る時間になっていたので、急いで自分の部屋に戻っていった。


今日から小さく切れ目の入った第三層の採掘が始まる。

各調査団で集合したのだが、マニスとサントの調査団は何やら大きな機械を台車に乗せて持ってきていた。

改めて調査団の規模の違いを感じさせられる。

布でおおわれているため何が入っているのかはわからないが、本気なんだということは十分に伝わった。

全員で協力しながら、たくさんの荷物と機械を一生懸命に目的地まで運んでいく。

白脈を進み第三層の前まで来た時には、みな疲れ果てていた。

作業場所は狭いため、必要なものを運んだ後は数人の作業員が残り、ほかの人たちは別の作業に戻っていった。


「始めるぞ。」

少し休憩した後、サントの号令で彼の作業員が準備を進めていく。

大きな機械を体の大きな作業員が三人がかりで運んでいく。

三脚のような胴体に、ハンマーのようなものが上に付いている。

何やら刃のような別の器具をハンマーの先端に装着したあと、それを削れた第三層の先にあてがう。

「離れろ。危ないぞ。」

サントの合図で皆が機械から離れた後、サントが何やらスイッチのようなものを押してから急いで離れる。

ドンっと大きな音がして煙が周囲に舞い上がる。

どうやら、なにかを打ち込む装置のようだ。

三人の研究員が様子を見に駆け寄っていく。

どうやら結果はダメだったようだ。

何やら会話をしながら、ノートに記入をしている。

「ちょっと手伝ってくれ。」

サントが自身の研究員を呼び、機械の調整を行っている。

僕はただ見ているだけだったが、なんとなくだめだろうなと、なぜか思った。


その後も機械を調整しては試したがうまくいかず、マニスの調査団が運んできた機械を試したものの、結果は変わらなかった。

初日は失敗だったが、研究員たちの顔色は明るく、少年のように楽しそうにしていた。

色々と試したいことがあるのだろう。

待ちきれないといった様子で、すぐに研究室に戻っていった。

僕もハットと一緒に研究室に戻り、明日からの作戦に向けて情報収集を行った。


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