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温かいお茶

リィデアが心配

 

「・・・」

「・・・」


 ・・・ミカエラさんに手を引かれてしばらく。

 もうすでに明るい人通りの多い道にまで出てきているが、未だ手を離される気配がない。ミカエラさん・・・。


「・・・ミカエラさん」


「何だ」


「・・・その・・・。」


 なんだか緊張してしまってうまく話せない。どうしよう・・・。


「・・・今騎衛部隊の本拠地に向かっている。本部からはそう遠くない。・・・一度そこでゆっくりするといい。」


「・・・あの・・・」


「・・・」


「・・・ありがとう、ございます・・・」


「・・・そうか。」


 ・・・手が、あったかい・・・。



「ミカエラ〜!」


 ロイさんとルイさんだ。


「やはり本拠地に向かうつもりでしたか。一旦話を整理した方がいいでしょうね。」


「さっき退勤したのにまた戻るのかあ〜」


「ロイは静かにして下さい。」


 ・・・いつも通りの2人に、安心する。

 右手は、ミカエラさんにその手を引かれていて。


 ・・・今だけは、安心して良いって思っていいのかもしれない。


―――――――――――――――――――――――――


「・・・ここが騎兵第一班の場所だ。普段は訓練場にいることの方が多いが、一応ここに出勤することになっている。・・・あそこのソファに座るといい。」


「ありがとうございます・・・」


 ミカエラさんに促されるまま、2人掛けソファに座る。ロイさんとルイさんがテーブルを挟んで向かい側のソファに座る。


「・・・お茶だ。」


「ありがとうございます」


 ミカエラさんが温かいお茶を持ってきてくれた。

 ・・・ロイさんとルイさんを無言で見つめている・・・?


「だってここ4人までしか座れないようなもんじゃないか、僕らどっちかがそっちってもおかしな話だし。ミカエラはリィデアちゃんの横にでも座りなよ」


「・・・」


 ・・・なんか、不思議な光景だな・・・。

 私の前にはロイさんとルイさんがいて、私の横にはミカエラさんがいる。

 ・・・もし、私が騎衛部隊に入れたら、この光景は不思議じゃ無くなるんだろうか。



「ミカエラ、この後、彼女をどうするつもりですか」


「・・・それは・・・」


「恐らく彼女の家は男どもには把握されているでしょう。家まで送るにしても、1人にするのは些か危険かと。」


「え」


 ルイさんの言葉に耳を疑う。


「でも・・・彼らは私の学校の同級生で・・・。確かに何度か嫌な態度を取られてはきましたが・・・。1人でも大丈夫です。帰れます。」


「え、じゃあやっぱりリィデアちゃんの友達だったってこと・・・!?」


「ロイ。なわけがないでしょう」


「・・・友達では、無いですね・・・。」


「ほら」


「え、じゃああいつらなんだったんだよ!?」


「・・・ロイはちょっと黙っていた方がいいと思いますねえ」


 あ、ロイさんがちょっとしおらしくなった、あれま・・・。


「・・・ミカエラ」


 ルイさんが真剣な顔でミカエラさんを見る。なに・・・?


「・・・しばらく私の家に居るか・・・?」


「ミカエラさんの、家に・・・?」


 突然の提案に目が点になる。ミカエラさんの家・・・??

 ・・・それは、どういう・・・。


「学校や広報部など外出の用事がある時は事前にどのくらいになるか教えてくれると助かる、訓練や演習なんかでこちらが遅くなることもあるだろうから、基本的には日中の用事が終わればここまで来て待っていてもらうことにはなる。」


「・・・えっと・・・?」


「・・・なるべく、1人にはなるな。1人になるなら明るいところにいろ。迎えに行く。」


 未だかつて無いほどに喋るミカエラさんと、その内容の突飛さに理解が追いつかない。この人は今なんと・・・?ミカエラさんの家・・・?同じ空間で過ごす・・・?いつまで・・・?迎えに来る・・・????


「・・・ミカエラ、端折りすぎです。彼女が困っています」


「・・・その、恐らくさっきの奴らはどうみたって君に危害を加えるつもりだった。・・・しばらくは1人にならない方がいい。」


「・・・でも、彼らは仮にも同級生で・・・その・・・」


 ミカエラさん達にそこまで心配されていることに驚く。・・・とはいえ、ミカエラさんの家にお世話になるほどのこと・・・?別にミカエラさんの家じゃなくても・・・・アインの所にお世話になる・・・?


 ・・・もしアインの身に何かあったら・・・?


「・・・お世話に・・・なります。」


「お、ミカエラ良かったじゃん」


 ・・・ロイさんがちょっと元気になってる。


「男どもの姿とあなたを見て、ミカエラがあなたを追うと言って聞かなかったですからねえ」


「・・・ルイ。」


「ミカエラがここまでするのは珍しいし、ミカエラの勘ってよく当たるんだよね〜。だからと思ってついていってみたらちょ〜っと良くない感じだったし、助けられて良かったよ」


「・・・」


 あ、ミカエラさん黙っちゃった。


「じゃあ、私たちは先に帰りますので。ミカエラ、・・・君のことだから心配はしていないが・・・」

「しっかりリィデアちゃんを守れよな!」


「・・・わかってる、あとロイは覚えてろ」


「え!まじか・・・」


 しょうがないなあ・・・と言いながら、ロイさんはルイさんと共に退出していった。・・・ミカエラさんと2人・・・。


「・・・驚かせてすまない」


「いえ、そんな・・・」


「とりあえず私の家で話そう。ここからすぐだ」


「はい・・・。」


 ・・・なんとも不思議なことになっちゃったな・・・・。


ミカエラは過保護かもしれない


更新遅くなりました・・・次の更新も遅くなりそうですが・・・。

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