楽しまなきゃ
「こんにちは!こちら本日のリーフレットです。楽しんでください!」
「まもなく騎兵第三班の模擬演習が始まります!ご観覧の方は中央会場へどうぞ!」
イベントはなかなかな盛況で良い感じ。歓声がこちらまで聞こえてくる。
「リィデアちゃん、第三班のが終わったら休憩行ってきて大丈夫よ〜」
「レティさん、ありがとうございます」
イベント用で色々出店もあるみたいだし、お昼何にするか楽しみだなあ。っと、仕事仕事・・・。
「すみません、息子が迷子になってしまったみたいで・・・」
「はい・・・!お手数ですがあちらの本部にて迷子のアナウンスをかけておりますの・・・で・・・!」
『親切にありがとうございました。イベント、行きたいと思います。』
『きえいぶたいのひとたちってかっこいいよね、ぼくたのしみなんだ~!!!おねえさん、ばいばい!!!!』
『ありがとうございます。ぜひイベントでお待ちしております。僕もばいばい~!!』
「あの時の・・・!」
以前騎衛隊本部の受付で対応した親子のお母さんの方・・・!
「はい、先日はお世話になりました・・・」
「じゃああの時の息子さんが・・・?」
「そうです・・・以前対応していただいたお姉さんがいらっしゃったのでつい・・・」
「いえいえ!・・・本部に連絡するとして・・・、レティさん!私ちょっとこの方の迷子のお子さん探してきても良いですか?」
「構わないけど・・・大丈夫?」
「大丈夫です!ありがとうございます!お母さん、息子さんのお名前と今日の服装を伺っても・・・?」
「はい、息子の名前はステフで、今日の服装は・・・
ステフという迷子の子どもの服装を聞き、本部にも伝えにいく。
「では私はこちらを探します。よろしくお願いします。」
「かしこまりました。見つけ次第本部までお願いします。」
本部の方と手分けして探す。私は彼の顔を覚えているし、ステフのお母さんは本部の方と一緒に探すことになった。
「ステフくーん!ステフくーん!」
迷子かあ・・・心細いだろうな・・・。
ミカエラさんに叩き込まれた基地内の地図を思い浮かべながら探す。
「すみません、紺色のズボンに青色のダウンを着たこのくらいの男の子を見ていませんか?」
「見てないね・・・」
「そうですか、ありがとうございます」
「すみません、このくらいの男の子で服装が・・・
―――――――――――――――――――――――――
どこ行っちゃったんだろう・・・。かなり基地の奥まで来てしまった気がする。
「ステフくーん!!って、さすがにここまで来ることは無いかなあ・・・、戻って別の場所を・・・」
「・・・さん・・・おねえさん」
「わっ!!!え、ステフくん??」
男の子が頷く。・・・びっくりした・・・。そこの物陰にいたのか・・・。
「ケガとかしてない?お母さんが探してたよ、私と一緒に帰ろう?」
「うん・・・。」
ステフくんの目は腫れぼったく、今もその目に涙をいっぱいためている。
・・・もうすでにいっぱい泣いたところなんだろうな・・・。
「ステフくん?」
ステフくん、動き出そうとしてくれない・・・
「おねえさん、だっこ・・・」
「いいよ!っと、よいしょ」
ステフくんをだっこする。冷たい。
今日は寒いし、一人ぼっちで寂しかっただろうな・・・
「寒かったね、すぐにお母さんのとこいくからね」
・・・私もよくフィリアにだっこしてもらってたっけ。あったかかったな。
「ステフくん、騎衛部隊の人たち、何か見た?」
「・・・みた」
「そっかあ、皆カッコよかったでしょ?」
「かっこよかった、すごかった」
「そうでしょうそうでしょう。じゃあ早くお母さんのところに行って一緒に続きみなきゃね!」
「うん・・・!」
ちょっと元気出てきたかな、急げ急げ。
「じゃあ騎衛部隊の人たちみたいにカッコよく、私に捕まってるんだよ〜!行くよ〜!!」
ステフくんを抱えたまま小走りする。
「わあ!はやいー!!!」
楽しそう。いい感じ。
「これも訓練!しっかり捕まってられるかな〜!??」
「わあ〜!!えへへ」
子どもは笑顔が一番だね。・・・と、そろそろ本部だ。
「ステフー!!!!」
お母さん達は本部に戻ってきていたみたい。無事に連れ戻せて良かった・・・。
「まま〜!!」
ステフくんを下ろし、お母さんのもとへ走っていく姿を見送る。
「本当にありがとうございました。とても助かりました」
「いえいえ、無事に見つけられて良かったです」
「おねえさん、ありがとうー!!」
「しっかりお母さんとイベント楽しむんだよ〜!」
イベントはまだもう少し続く。2人が帰るまで楽しめるといいな。
「ありがとうございました。こちらが探した方では見つからず・・・大変助かりました。」
「いえ、とんでもないです。では私はこれで・・・」
「ありがとうございました!」
―――――――――――――――――――――――――
「レティさんただいま戻りました・・・」
「リィデアちゃん!無事男の子は見つかった?」
「はい、無事に・・・。長いこと空けてしまってすみません・・・。」
「いいのよそんなこと!それよりリィデアちゃん休憩まだよね?行っておいで!今なら彼の出番にまだ間に合うわ・・・!」
中央会場の方から歓声と拍手が聞こえてくる。騎兵第一班は騎兵のなかでも最高峰。そりゃ盛り上がるよね。
「すみません・・・申し訳ないです」
「いいの!しっかり楽しんで!はやくいってらっしゃい!」
「ありがとうございます・・・!」
レティさん、いつも本当にお世話になりっぱなしだなあ・・・。
「わ、さすが。すごい人・・・前が見えない。」
ミカエラさん達のいる中央会場に向かうも、すでに人でいっぱいになっていた。
「遠くなっちゃうけど、端っこの方まで行った方がまだ見えるか・・・」
人だかりの端っこを目指して歩く。
「あ、ミカエラさんだ・・・!それにロイさんにルイさんもいる・・・!」
視線の先。いつもの3人を見つけて安心する。
「あれは、剣舞・・・?」
ロイさんとルイさんが息をぴったりと合わせた複雑な剣舞をしている。すごい・・・
「ミカエラさん、綺麗・・・」
対してミカエラさんの剣舞は一人ではあるが、まるで神聖な何かと剣舞をしているような、えも言われぬ強さと美しさがあった。呼吸、忘れそう・・・。
『以上で、騎兵第一班の模擬演習を終わります』
「すごい・・・!かっこよかったね!」
「この国はまだまだ安泰だな」
「皆さんほんとに素敵すぎる・・・!」
騎兵第一班の模擬演習終了後、ひと呼吸おいて会場は大盛り上がり。
・・・本当にすごかった・・・。
「わ、休憩時間もうそんなに残ってない・・・!何かお昼食べて戻らないと・・・」
惚けていたら休憩時間をすぎてしまう。飲食店の出店のあるメインストリートへと向かう。
「さすがにこの道を進むのは時間がかかるか・・・じゃあこっちの・・・」
人だかりを抜け、人がまばらな方へ行こうとしていたその時。
「やあリィデア」
「久しぶりだな、彼氏の様子でも見に来たか?」
「な・・・」
あの2人が、ここにいる・・・。
色々まだまだ流行ってますね。お気を付けください。
ここ最近の体調不良の大体が食あたりで笑えないです。泣いちゃった・・・。




