救いは
「お前ら、奴をいつになれば連れてくるんだ。もうそう待てないぞ」
「申し訳、ございません・・・」
「先日、騎衛隊のやつらに阻まれてしまいました・・・」
「ほう・・・騎衛隊、ねぇ・・・」
顎に手をやり俺らを上から舐めまわすように見てくる男。
こいつのせいで俺の家族も、そして隣にいるジギーも人生を狂わされている。
・・・なんでったってこんなことを俺らが・・・
「お前・・・」
男が俺をみて、そしてジギーをみて気味の悪い笑みを浮かべる。
「まあいい。時間はさほど残されていないものと思え。いいな。」
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「・・・ガル、どうすんだよ」
男との話を終え・・・ただ詰められただけだが・・・、帰路につき、ジギーが口を開く。
「どうって・・・どうにかして奴をあの人のところに連れていくしかないんだろう。」
「そう、なんだけどよ・・・」
俺は家族ごとあの男に骨の髄までしゃぶりつくされかけている。でもジギーは違う。場合によってはジギーだけでもなんとかなるかもしれない。・・・まだ答えは出ないままだが・・・。
「ジギー。俺に考えがある。」
「そうなのか?なんだよ」
「・・・帰ったら話す。俺に任せてくれ」
「ガル・・・」
あの男に目をつけられ、ジギーは俺の家にきたが、さっさと事を終わらせてこいつだけでもどうにかしてやりたい。
・・・あの腐った家で自棄にならず、進学までできたのはあいつのおかげだ。
・・・結局なかなか真面目に勉強できていないが・・・。
「っおい、ガルム!聞いてんのか」
「なんだ」
「・・・最後まで一緒だからな。」
「・・・そうだな」
「ただお前の家に転がり込んでる人間が何言ってんだってかんじだけどよ」
「は、何年一緒にいると思ってるんだ。ジギー、お前はもう家族だよ」
「・・・アツいこと言うじゃんか」
「当たり前だ、ほらさっさと帰ろう」
あの男がいなかったらジギーに出会えていないのかもしれない。
その点はあの男に感謝しないといけないんだろうか。
・・・皮肉なことだな、本当に。
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「へーじゃあリィデアちゃんは全部話してくれたんだ?」
「良かったですねぇ。だからミカエラになら話してくれそうって言ったじゃないですか」
「そう、だな。」
勤務終盤、会議室にて。
ロイとルイに彼女のことを話す。とはいえ二人ともいつも通りだな・・・。
「で、結局リィデアちゃんはミカエラのとこにいるままなんだ?まあそれが最善だと思うけどねー」
「私もそう思いますねぇ」
・・・なんか、なんかだな・・・
「ロイにルイもあまりにもいつも通りすぎないか?彼女は・・・こう・・・令嬢なんだぞ」
「だからリィデアちゃんの近くにミカエラがいるのがいいんじゃない?」
「そうです、ミカエラの近くなら限りなく安全だと思いますよ」
「・・・あのなあ・・・あとロイは気軽にちゃん付けするな」
「えー、じゃあミカエラのこともちゃん付けしようか?」
「・・・ロイ、それは言い過ぎですよ」
こいつら・・・
「はあ・・・もういい加減にしてくれ。・・・とりあえず今日はもう帰る」
「え、そうなの?ミカエラが残らず帰るなんて珍しすぎない?」
「ロイ、残っている後輩たちの指導に行けということですよ」
「え、まじかあ・・・」
そういってルイがロイを訓練場に引っ張っていく。
・・・まあ今日のとこは許してやるか・・・
リィデアが待っている。早く帰ろう。




