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ちょっと待って

こじれにこじれて

 

「ど・・・どう整理するべきか・・・・」


「ずっと黙っててすみませんでした・・!!」


「・・・いや、そう、そうなんだがな・・・」


 ミカエラさんの表情を盗み見る。困ってるよね・・・

 ・・・申し訳ないことしちゃったな・・・


「あの、今すぐ荷物まとめて帰るので!本当にお世話になりました・・・!!」


「まっ・・・待ってくれ、待つんだリィデア」


 急いで荷物をまとめ始めた私をミカエラさんが慌てて止める。


「だって、ただミカエラさんに何も言わずのうのうと居候させて頂いて・・・それだけじゃなくて、たくさん迷惑かけてます・・・!」


「だからそれは気にしないでくれと言ったじゃないか、それに、君が一人になるとまた何があるか・・・」


「それは・・・!」


 ・・・次の言葉が出せない。・・・でも・・・ミカエラさんになら・・・!


「・・・マレディア家は昔からよく狙われやすくて・・・。だから代々暗殺や襲撃から身を守れるよう教えられてきてるんです、私が一人ここで学生生活を送れているのもそのおかげで・・・!」


「・・・あーもうわからん・・・!わからん!」


 ミカエラさん、頭抱えちゃった・・・。なにこれ・・・


「リィデア、とりあえず座ってくれないか」


「はい・・・」


 とりあえず先ほどのダイニングテーブルに戻る。

 ・・・ミカエラさんが見たことない顔してる・・・


「はー・・・、突然情報量が多すぎる、一個ずつ整理させてくれ・・・ってこの言葉遣いは控えるべきだろうか」


「いえ・・・体裁上は平民リィデア・マレイなのでお構いなく・・・」


「・・・勘弁してくれ・・、まあとりあえずどうしようもないのでこのままでやらせて頂くが・・・」


 ミカエラさんが自分で自分の頭を小突く。え、そんなことするんだ・・・


「まず、私がここにいるべき人間ではないことに気づいていたか」


「・・・はい」


「やはり、あの・・・私が君の窓口に来た日だろうか」


「そう、ですね。・・・やはり顔に出ていましたかね・・・ごめんなさい。」


 ・・・ミカエラさんには全部ばれてそうだなあ。


「いや・・・違和感があったのはほんの一瞬だった。だからこそ、君が何者なのか気になって・・・そんな時に君が襲われそうになるから」


「その・・・すみません・・・」


 ・・・つまり、監視されてたところもある・・・?ってそれどころじゃない・・・


「んで蓋を開けてみたら辺境伯令嬢だ、って・・・」


「令嬢だなんてそんな」


「令嬢なんだよ」


「そんな、大した人間ではないです。・・・ただ、ちょっと自分の身を守るくらいは動けるくらいの・・・ただ、本が好きで人のこころの(ことわり)について学んでいるいち学生です。」


「そう・・・なんだろうな」


「あ、でも私、ミカエラさんは女性だろうと思っていたので家にお邪魔してしまっていますが、これ傍からみたら男女の同棲、みたいにみられてそうですよね。・・・やっぱりお暇した方が・・・。」


「ああ・・・。まあ、部隊長とロイとルイは知っているから大丈夫だろう・・・。こら、そうすぐ家を出ようとしないでくれ」


 かばんに荷物を入れようとしたのをミカエラさんに止められる。・・・って待って、


「皆さんご存じだったんですか・・・!?」


「そもそも私をいち田舎の道場からここに連れてきたのは部隊長だ。・・・ロイとルイは・・・ルイは見ての通りだが・・・ロイもああ見えて頭が切れる。と二人はあの感じだし・・・で、協力的で、かつ部隊長のはからいでなんとかなっている。・・・あの二人はよく絡んでくるから時々めんどくさいがな」


 時々はめんどくさいんだ・・・じゃなくて


「なるほど・・・?」


 ・・・なんだか自分でもよくわからなくなってきた。ここはどうすれば・・・


「だから、だな・・・」


「だ、から・・・?」


「・・・まだこの家にいてくれないか」


「えぇ・・・?」


 ・・・ミカエラさんと目が合わない。えっと・・・


「君のことはわかった。だから、その上で、もうしばらくこの家にいてくれないだろうか。」


 ・・・いいのかな。


「確かに、ミカエラさんと一緒に過ごせて毎日幸せではあるんですが・・・本当にいいんですか?」


「私も・・・その、一人でいるより・・・君との生活が良くてだな・・・。あとしばらくこのままだと助かる・・・」


 ・・・ミカエラさんってこんな人だった・・・?


「・・・ミカエラさん、ハグしませんか?」


 なんかよくわからないけど、これが最善な気がして。


「な、・・・ハグ・・・」


「その・・・!助けて頂きましたし、これからも・・・もうしばらくはご厄介になるので、こう・・・感謝の・・・」


「感謝・・・の」


「はい」


 ミカエラさんが両腕を広げたので、抱きしめる。

 襲われかけて手を引いてくれた時、悪夢にうなされてた時と同じ。あったかい。


 ・・・のに、なんだか胸のあたりがチリチリする。なにこれ。


「は・・・ハグすると、ストレスが減るんですよ!・・・が、学生してるでしょ・・・?」


 慌ててミカエラさんから離れたのをごまかしたけど・・・


「ふ・・・じゃあもうちょっとお願いしようかな。誰のせいで気を揉んだと思ってるんだ」


「ひぇ・・・!」


 やっぱりごまかしが当たり前のようにばれてる・・・!



 その後、私がもうさすがに勘弁してくださいと降参するまで、ミカエラさんから離れることができなかった。


 ・・・ミカエラさん、こわい。

過保護・・・?

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