本当のこと
「ミカエラさん、お待たせしました。」
「お疲れ様、帰ろう。」
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「リィデア、クッキー食べないか?」
夕食後、先日図書館で借りてきた本を読んでいたら、ミカエラさんに話しかけられた。
・・・この時間、いつもミカエラさんは自室にいるのに、珍しいな・・・
「いいんですか?いただきます」
「よかった。じゃあお茶入れてくる」
・・・そういえば、だいぶミカエラさんと話すことが増えたな・・・。
自分が人見知りな所もあるけれど、ミカエラさんも出会った時に比べれば少しくだけてきた気がする。
・・・変な圧も感じないし・・・
「お茶。どうぞ。」
「ありがとうございます。」
夕食時と同じように、ダイニングテーブルに向かい合って座る。
「・・・何か困ってることはないか」
「いえ、いつも本当にありがとうございます」
「そうか・・・」
「・・・」
「・・・」
・・・どうしよう。何を話したら・・・
「あ、あの、今日ゴートンさんが騎兵第一班の皆さんのことを話されていました。」
「私たちのことを・・・?」
「今度のイベントでは模擬演習されるんですよね、第一班の方々は特にカッコよくて美しいから見るべきだっておっしゃってました。」
「・・・ありがたいことだ」
・・・うーん・・・。厳しい。ミカエラさんのこと、もっと知っていたらな・・・。
「・・・リィデア。」
「はい・・・」
「これを、見てほしい。」
ミカエラさんが、本をテーブルの上に置く。
「え、・・・これは、私が家から持ってきた本ですよね?」
何度も読んで、見てきた本を目の前に置かれ、困惑する。
「この本の、中を見てほしい。」
「え・・・」
言われるまま、表紙を開く。
「これ・・・は・・・」
フィリアからの、手紙・・・!?
「その・・・勝手に見てしまってすまないとは思っているんだが・・・」
「この前帰った時にも何も言ってなかったのに、こんな、こんなの・・・」
『リィデア様。おかえりなさいませ。』
『フィリア・・・!会いたかったわ!!』
『お元気そうでなによりです』
『フィリアのおかげよ・・・!いつもありがとう、フィリア』
『リィデア様・・・』
・・・あー・・・それっぽいこと言ってしまってた気は・・・するかも、な・・・。
・・・でも。
「ふふ。・・・フィリアに、会いたい・・・な・・・」
「・・・リィデア・・・」
「あ、ごめんなさい、いや、かえってこの手紙の存在に今の今まで気づいていなかったので・・・ありがとうございます。」
「リィデア」
「は、はい」
「君は、リィデア・マレイではないだろう」
「え」
しまった・・・フィリアの手紙・・・!
「リィデア、本当の名はなんだ」
どうしよう・・・でも・・・
「ミカエラさん」
「なんだ」
「本当の名前をお伝えする前に、これだけはお話させて下さい。」
「・・・」
もう、この家に置いてくれないかもしれない。
それでも。
「ミカエラさんは、女性ですよね」
「・・・!やはり・・・気づいて・・・!」
「いつも守って下さりありがとうございます。」
・・・それから。
「私の名前は、リィデア・マレディアです。・・・マレンディアナを治める、マレディア辺境伯家の次女です。」
全部()言っちゃった・・・。




