季節のケーキセット
休みの日の過ごし方
「今日は君も私も休みだな。・・・それで、君の家に必要なものが残ったままだろう。ある程度取りに行こう。」
「はい・・・」
「・・・そのついでといってはなんだが、カフェにでもいかないか?」
「カフェ・・・?」
「ロイとルイがおすすめだと言っていたのだが、いかんせん1人でいくのも・・・あいつらと一緒にいくのもなんだかな・・・」
「ふふ、行きましょう」
「・・・そうだな」
結局、次に起きた時にミカエラさんは傍にいなくて。
朝ごはんの支度をするミカエラさんにそれとなく聞いてみたけど、『ソファだとやはり窮屈ではないか?』と言われたくらいで・・・。
寝ている私の傍にいたことを謝ろうとしても、『そうだったか?まあ、しばらくここにいるわけだし大抵のことは気にするな』ってはぐらかされてしまった・・・。そんな・・・。
「準備できたか?行くぞ。」
「はい!今行きます!!」
ぐるぐる考えていたら自室を出て玄関にいるミカエラさんに呼ばれてしまった。
・・・カフェ、楽しみだなあ。
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「お待たせしました。季節のケーキセットでございます。」
「ありがとうございます。」
「わ〜!!!ミカエラさん!すごくキラキラしてます!!!」
「はは、そうだな。ここは旬の果物をふんだんに使ったケーキが食べられるとあって人気らしい。・・・綺麗だな。」
「・・・ミカエラさんは食べないんですか?」
「私は甘いものがあまり得意ではなくてな・・・」
「そうですか・・・でも、このケーキ、甘さがくどくないので・・・一口たべませんか?」
「・・・良いのか?」
「はい!どうぞ!」
「な、ちょ・・・ありがとう・・・。」
「へへ、美味しいものは分けたいんです」
「そう・・・か・・・」
フォークをもうひとつ頂こうかと店員を探しているうちに、彼女が嬉々としてケーキを一口分自分に差し出していた。これは・・・その・・・
「・・・って!すみません!!いつもアインやフィリアにするみたいにしてしまいました・・・!」
「・・・いや、いい・・・。その・・・友達、か?」
「はい!アインは学校で入学当初から仲が良くて、フィリア・・・は、地元の・・・友達、です。」
「マレンディアナだったか。」
「はい・・・」
「マレンディアナは良い土地だと聞く。なぜわざわざマレンディアナから遠く離れたここに来たんだ?」
「それは・・・行きたい学校がこっちにあったからですね・・・」
「人のこころの理、か。」
「はい。」
「地元に帰りたいとは思わないのか?」
「・・・まあ、たまに帰ってはいますが・・・、卒業後もここにいようかなと思っているので・・・その意味では帰りたいとはあまり思っていません。」
「そうか・・・」
なんで、そんなに苦しそうに愛想笑いをするんだ。
「その、君は・・・広報部に残るのか?」
・・・つい、聞いてしまった。
「・・・ミカエラさん、名前で呼んで下さい」
「な・・・リィデア、さん・・・」
「リィデアでいいです。昨日もそう呼んでましたよね」
「・・・!聞いていたのか・・・?」
「はい・・・。でも、おかげで安心して眠れました。嫌な夢を見ていたので」
「そう、か・・・」
「・・・っと!広報部でしたね。どうでしょう、ゴートンさんに言えばそのまま残れるんでしょうけど・・・、まだ考え中です。」
「そうか・・・。」
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「どうぞ。片付いてないですけど」
「外で待つが・・・」
「いえ、寒いですし、中にいて下さい。」
ミカエラさんを家に上げ、荷物をとりまとめにかかる。
・・・着替えと・・・化粧品と・・・学校で使うのと・・・あと、これ。
「ミカエラさん、準備できました。帰りましょう。」
「わかった・・・ってそれだけか?」
「元々持ち物少ない方なんです」
「そうか・・・」
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「荷解きできたか?・・・と、本、持ってきたのか」
「はい・・・。フィリアが持ってけって言って聞かなかった本で・・・」
「どういう内容なんだ?」
「・・・主人公が自分にできること全てを使って未来を切り拓くお話です。本当に大好きな本で、一時期何度も繰り返し読んでいたんです。」
「それをここに・・・?」
「今は内容を知っているので読むことはあまりないですが、この本が近くにあるとなんでか安心するんです。」
「それは大事な本だな」
「はい。ミカエラさんも良かったら読んでみて下さい。」
「・・・ありがとう。」
家を出る時、フィリアにこれだけは・・・!!って持たされたんだっけ。『絶対にずっと持ってて下さいね!』なんて言われたら置いていけなくて。
・・・どの本も大切だけど、とりわけこの本を大切にしていること、フィリアは知ってたんだよね。
・・・ちょっと、寂しいなあ・・・。
「・・・そうだ!今日の夜ご飯の準備、手伝わせて下さい!いつもお世話になるわけにもいかないので!」
「わかった。お願いしよう。」
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「ミカエラさん、おやすみなさい。」
「ああ、おやすみ。」
ミカエラさんのおかげであったかいご飯も食べられてお風呂にも入れて・・・さらにソファで寝られる・・・。
・・・ずっとこのままでいいわけがない。これじゃただの居候すぎる・・・。
「・・・リィデア。」
「はい」
「いや、なんでもない。ゆっくり休んでくれ。」
「はい・・・ありがとうございます。」
・・・今日のところは寝ちゃうか・・・。
季節のケーキ、ミカエラにとってはかなり好みの味だったらしいです




