表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/22

彼女の近くで

愛してやまない彼女。

 



 彼女のそばにずっといることができたら。




 それが一番の願いだった時期がある。

 でもそれは叶うわけがない願いで。



 どうしようもできないのが悔しくて辛くてさみしくて、行き場のない思いを抱えたまま逃げ帰った先で、それならとそばにいてくれる人がいて。


 気づいたら満たされている自分がいて、そのかわりに彼女はやつれていくような、そんな気がした。


 それでもいつもと変わらないふりをする彼女に、以前なら迷わず話せたのに、それが自分のせいだとわかっているがゆえにそれとなく話すことしかできなくて。


 このままにしているわけにはいかないと決意した矢先、彼女はいつものように自分のしたいこととできることをうまくかけあわせてもっと手の届かないところにいってしまった。




 彼女のそういうところが大好きで、愛していて。




 だからこそ、そんなしなやかな輝きをもつ彼女にはもう近づくことはできないと思っていたのに、彼女は自分が必要だという。



―――――――――――――――――――――――――



 彼女は今日もたくさんの人に愛され、笑顔の絶えない日々を送っている。


 たとえ彼女の身に何か起きたとしても、やつれていったあの頃とは違い、いつもの輝きを自分にも与えていなしてしまえるんだろう。


 彼女のそばにいればいるほど、自分は彼女のことが大好きだと、愛しているという思いが大きくなっていくから、彼女は本当に怖い人だ。




 命ある限り、彼女のそばにいることができたら。




 なんて考えていたら、あの人が「今日も幸せそうでなによりだ」なんてそしらぬ顔で言うから。


 「こんな人間と一緒にいるあなたは物好きの変人だ」ってこめかみを押さえながら言ったのに。


 「でも僕は幸せそうなミカのそばにいられてとっても嬉しいよぉ」なんて笑いかけるから。



 「・・・愛してる、あなたも」

 


 ・・・少し、視界が涙でぼやけるのを感じながら。



 「知ってる」



 そういいながら、私の頬にやさしく触れた。


 


初っ端から甘いですがよろしければお付き合い下さい

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ