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バーチャル彼女達は何を思う?

ご覧いただきありがとうございます。

この物語りは中編位を考えております。

そして、更新はポツポツとして行く予定なので、長い目で見て頂けると嬉しいと思います。


 世界的にVR(バーチャルリアリティ)技術が進み、ゲームだけで無く、日常にも使用され、今ではVRゴーグルも眼鏡サイズとなり、日常的に皆んなが身につけるようになった。

 そして、数年前に画期的なVRゴーグルとコントローラーグローブが発売された。

 そのゴーグルは現実世界の中で使用すると、現実世界とバーチャル空間を両立させる事が出来る。


 最近ではVRペットが人気となり、犬猫鳥と様々な動物をVR世界で飼い、現実空間で一緒に散歩など出来るようになった。

 そのゴーグルを使用していれば他の人のペットも見る事が可能で、コントローラーグローブを付ければ触る事も出来る。

 モフモフな犬なんか触り心地はリアルだ。

 このVRシステムならいつまでもペットと暮らせるし、餌代もかからない。

 トイレの片付けもいらないし、散歩中のトイレも平気だ。

 躾も面倒臭い人には最初から躾がしっかりしているペットも飼える。

 何よりアレルギーを持っていても飼う事が可能な所が受けている。


 そして僕は大学の合格祝いとして、海外出張中の親父にそのVRゴーグルとグローブを海外から送ってもらった。

 それが今日届いたばかりだ。

 ワクワクしながら箱を開ける。

 そして犬を飼う予定だ。

 この一人暮らしのアパートはペット禁止。

 でもこのVRペットなら問題は無い。


「これが最新のVRセットか」

 ゴーグルの眼鏡はよりシャープになり、グローブは手にフィットする位小さくなっている。

 早速身に付け、犬種を考える。

 狭い部屋でもVRなら大型犬が飼える。

 ゴールデン、シベリアン、サモエド……。

 とにかくモフモフした犬を飼いたい。


「ん? なんだ?」

 電源を入れ設定を始める。

 進んで行くと、画面に三つの人型のシルエットが並ぶ。

 まだ設定中なので、これも設定のうちなのか?

 とりあえず、一番背の高いこのシルエットを選んでおくか。


 全ての設定が終わり、システムをスタートさせる。


 目の前に光りが集まり、人の形を成して行く。


 そして目の前に現れたのは一糸纏わぬ姿の女性だ。

 長い金髪、白く艶のある肌、なかなかのボリュームのあるバスト、と……。

 え? なんだこれ?

 ゴーグルを外すとそこには誰もいない。

 やっぱりVR空間?

 もう一度ゴーグルを掛け直す。


 目の前の女性は左腕で胸を隠し、頬を膨らませ、少し涙目でこちらを睨み、平手打ちされた。


 その平手打ちで頬の痛みがあり、吹っ飛ぶ。

「え? 痛い?」

 普通はVR空間の物に当たっても痛みなど無い。

 ペットの犬に噛まれても、猫に引っ掻かれても、鳥に突かれても痛みなどあるはずが無い。

 でも、この女性に叩かれたのは痛みも有れば衝撃もある。


 俺が不思議と考えていると、女性はその場に座り込み、まだ涙目で睨んで来る。

「早く服を着せてよ〜〜!!」



 一旦落ち着き、テーブルを挟んで座る。


「まずは君について教えてくれるかな?」

 僕の買ってあげた服の趣味があまり気に入らないのか、ちょいちょい服を気にしている。

「私? 私はこのVR彼女の一人、【V0-1 レリィ】です。 でもまさか貴方が私を選ぶとは思わなかったわ」

「選ぶ?」

「そうよ。 ……もしかして、ちゃんと説明書読まなかったの?」

 説明書……。 僕はゲームでも最初には読まず、行き詰まって始めて読む派だ。

「で、でも、VRペットの人型は作れるなんて聞いた事がないよ」

「そうね。 でも今現在私はここにいるわよ」

「た、確かにそうだけど……」

 こんなにリアルに思考や受け答えも出来るなんて、どんなAIなんだ?


「そう言えばさっきVR彼女って言ってたよね?」

「そうよ。 選ばれちゃったからには仕方ないわ。 私が貴方の彼女になってあげるわ」

「ええ!!」

 彼女いない歴、年齢なんだが、急に彼女と言われてもな……。

 確かに好みの見た目だ。

 でも……。


「いきなり彼女って言われてもさ」

「あら、私じゃ不満なの?」

「いや不満とかじゃ無くて……」

 僕は出来ればVRじゃ無くてリアルな彼女が欲しい。


「ああ、わかった。 私がVR彼女だからでしょ? 私だってわかってるわ。 だから貴方にリアルの彼女が出来るまででいいわよ」

「そんな雑な……」

「良いのよ。 私はその為のVR彼女だもの。 ま、リアルの彼女を作る為の練習だと思ってくれれば良いわ」

「う〜〜ん……」

 そんなんで良いのだろうか?


「それより、貴方の名前教えてくれない? システム上勝手に貴方のプロフィール見る事は出来ないから」

「ああ、僕は【槙尾 天智(まきお てんじ)、大学生になったばかりの18歳だ」

「てんじ君ね。 じゃあ今から私はてんじ君の彼女として行動するわ。 私の事はレリィって呼んでね」

「よ、よろしくお願いします」

 とりあえず登録しちゃったし、レリィも消える事が出来ないって言うし、しばらくはこのまま過ごすしかないか。

読んで頂き有難うございます。

次話も宜しくお願いしますね。

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