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サバゲー狂想曲   作者: せな
更なる高みへ
55/81

とある海にて

「来ちゃったね」

「ホントに・・・」


「あんまり綺麗な所じゃないけど人も少ないから良いよね?」

「海水浴場じゃないけど水場はあるしトイレもシャワーもあるし」

「けどセキュリティ皆無だから覗きには気を付けてねー」


見るとシャワールームには扉が無い

女性用はS字の壁で見えにくくなっているものの扉が無くて心許ない事にはかわらない

男性用に至っては角度によって脱衣場が見渡せてしまう程のザルセキュリティである


「水道あるだけましか」


ここは水産試験の為の砂浜である

なので貝を掘るのは違法でありボートの乗り入れも禁止

シャークネットは無いが海は遠浅なので鮫の心配をしなくて大丈夫だろう

砂浜には所々に家族連れのテントが張られ小さな子供達が多い

近所の児童も歩いて来るようで大人よりも子供の方が多く感じる


「水場は遠いけど奥にテント張ろうか」

「その方が人も少ないから居心地良いでしょ」


荷物の大半は男性陣が運ぶので問題なし

水も水道水をタンクに入れてテントまで運ぶ

飲み水はほぼペットボトルなのでクーラーボックスが激重で2人がかりで運んでもらった


服の下に水着を着てきたが海に入るかどうかは未定


とりあえずお姉様もまだ水着になっていないので暫くはやり過ごそうかな・・・

姫も同じ様子で水着に着替える感じはない


「やっぱ暑いね~」


おもむろにムーンが服を脱ぎ出した

いくら下に水着を着ているとは言えちょっとドキッとするものだ


「おー皆も脱げ脱げー」

「海で服着てるんなんかアホらしいやろーw」


クレインが煽っているが完無視で設営を進める


テントやコンロは韋駄天が持参した

こう言う時に役に立つ力持ちは今回お休み

お盆前は実家の手伝いで遊ぶ暇は無いらしい

お寺さんも大変である

韋駄天は会社のレクリエーションの景品でテントを貰ったようだが始めて使うらしく手際が良くない


見かねて手伝い手早く組み立てる

小学校の頃から親族でキャンプに行っていたのでこのての作業はお手の物

背丈が足りないので得手不得手はあるが設営くらいは何とかなる


「フォックスは器用やなぁテントとかも組み立てられるんや」

「クレイン遊んでないで水汲み手伝ってー」

「うぇーぃ」

ムーンに呼ばれてダルそうに歩くクレイン


やっばり・・・

ムーンってクレインと付き合ってる感じするな


クレイン次第ではパーティークラッシュ起きるのかも・・・

何処と無く不穏な予感が頭をよぎった


けれど私は色恋に興味無し!!

今日も遊んで食べるだけ♪


時刻は午前8時過ぎ

此処は無料なため遅いと場所がとれないのだとか

今はまだ水温が低いので気兼ね無く準備が出来ると言うもの


テントを張り終え周りに他のメンバーが持ち寄ったパラソルも立てたらなんだかリゾートっぽい雰囲気が出ている

各々持ち寄った椅子やベットを広げて寛ぐ面々


そんな中パラソルの下でビーチベットに寝転ぶ女豹の姿があった

何処から買ってきたのか絵に描いたような白い鍔広の帽子にサングラス

さっきイソイソと作っていたのはセレブの定番トロピカルドリンクかw

わざわざアクリルのグラスにカットフルーツまで持参した念の入れよう

映画のセレブやボンドガールのように白いワンピースの水着に白いシャツを羽織っている


ホラー映画だと鮫に襲われるフラグやんw


等と思いながら設営は滞りなく終了した

火の準備も終わったので後は炭をいこすだけ


「デザートは如何ですかな?」


シルバートレイに家で切り分けておいたフルーツとプッチンしないプリンを盛り付けたお皿を乗せて気取って見せる


こう見えて高校時代はレストランのウェイトレスでやっていたのでそれなりに様になっているはず


小さいけど


「おつかれー」

「ここおいでよ」


女豹は私を手招きしながらパラソルを挟んで置いてあるベットを叩く


「まだちょっと海は冷たいみたいだから暫くは日光浴ですねー」


後ろ手に持っていた小さな折り畳み椅子をベットの間に置くとその上にシルバートレイを乗せた


「相変わらず気が利くわねー」

「飲む?」


差し出されたグラスを受け取りそっとストローから吸い上げる


「ぶふっっ」

「お姉様これお酒」


「帰る頃には覚めるわよw」


鮮やかなスカイブルーの液体は紛れもなくライムを絞った何かのカクテルだった


「こう言うのも美味しいですね」


もう1口だけ飲むとグラスを返す

その代わりに冷えた桃をピックに突き刺して頬張った


「これ知り合いの農家さんから貰った完熟なんで美味しいですよ」


木で完熟させた桃は格別に甘い

しかし足が早く流通には向かない


他の果物にも言えることだが流通させるために早く収穫された果物の多くは追熟させても木で完熟した物には及ばない


「暑くないの?」

「姫も観念して水着になってるよ?」


見れば青いセパレートの水着を着た姫が皆とビーチボールで遊んでいた

ムーンは赤いワンピースタイプ


私がお姉様から渡されたのは白いビキニ


「なんで私だけビキニなんですか・・・」


事前に渡された時は2人揃ってビキニだし流行ってるから姫達もきっとビキニだと説得された


フタを開ければビキニは私だけってどういう事???


「お姉様もビキニ着るって言いましたよね・・・」


「言ったね」

「でもちょっと事情がかわりまして」


「どうなされたんですかー」(棒読み)


「ほら」

「セレブってビキニよりワンピースじゃない?」


「・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・」


「ごめんなさい」


「よろしいw」


頑なに着替えないのも何だし

準備も終わって水着になっていないのは最早私だけ


観念してテントに向かうと中で服を脱ぐ

しかし

こんな事もあろうかと七分丈のパンツは持参したホットパンツに履き替えシャツは脱いだものの白いパーカーを羽織ると胸元までファスナーを閉めた


まぁこれで良いでしょ


ビーチサンダルを手に持って焼け始めた砂の熱さを踏みしめる


「結局服着てるじゃんw」


「水着用ですよー」

「アメリカってこんな感じじゃないですか?」


「あー」

「ハリウッド映画だとそんな感じの女の子出てくる気がするw」

「ホラーだと真っ先に襲われる役ねw」

「それはお互い様でしょw」


ベットに横になると夏の日差しが照り付ける


「お姉様・・・」

「なぁに?」

「サングラスしてたら日焼け跡変になりません?」


「・・・・・・・・・・・」


サッとサングラスと帽子を取り去ると脇に置いた

やはり日焼けの事は考えてなかったらしいw


夏の日差しが照り付ける

砂浜での日光浴は肌を優しく風が撫でて気持ちが良い



30分もしない内にギブアップ


「暑い!!」

「お姉様海に入りません?」


「そうしよっかw」


見渡すと汗だくでビーチボールを追いかけているメンバーをよそに泳ぐメンバーもチラホラ

とりあえず一泳ぎしよう


遠浅なので一見波は穏やか見える

しかし均一に遠浅なのではなく部分的に深くなったり浅瀬になったりしながら深度を増していく

その為深くなる場所の直前は押し上げられた波が高く速くなる

津波が岸辺で高く速く変化するのと同じ現象だ

といっても規模は小さくせいぜい30cm程度で泳いでたら頭に波をかぶる程度のもの

日本海や太平洋なら当たり前の波だ


ひとしきり泳ぐと太陽が中天に差し掛かる


「そろそろ炭の支度しないと・・・」


お姉様と2人連れ立って戻ると鉄人が準備を始めていた


「手伝うねー」

「おぅありがとー」


鉄人はキチンと炭を組み上げ火口を作っているところだった

それを横目に私は持参したクーラーボックスに手を突っ込む

取り出したのはガスバーナー

バックからおが屑の着火材を取り出し組まれた炭の中に押し込む


カチカチッシュボッ

ゴォーーーーーー

パチパチパチ・・・


「安い炭だったからちょっと爆ぜるね」


「フォックス・・・」

「そんなええもんあるんやったら初めから言ってくれよw」

「便利でしょw」


この頃はまだカセットボンベのガスバーナーは普及しておらず現場作業用のプロパンバーナーを借りてきた

祖父はこう言う物の流用に対して合理的でよく工夫して使っていた


皆の予想より遥かに早く炭がいこり役準備が整っていく


「アイツらまだ遊んでそうやなぁ」

「思ったより早く炭が出来たしな」


「先にお湯沸かしちゃうね~」


やかんにペットボトルから水を移す

炎天下に放置していたので既に暖かい


「先にお野菜焼いちゃうね~」


女豹と2人で手分けして野菜を焼き始める

カットされた玉葱に人参ジャガイモのバターホイル焼きのトウモロコシ


「ちょっと火が強いなぁ」


鉄人に網を持ち上げて貰い炭を散らして新たに大きな炭を入れる

火力が落ち着いた所で秘密兵器を取り出した


「フォックスなんやそれ???」

「豚か?」


豚のバックリブ

今でこそ定番だが当時は肉屋にしか置いていなかった


そして大量の手羽先


これ等の下準備は全て昨夜私とお姉様で仕込んだものだ

味付けは荒木家秘伝のレシピとの事で作り方は教えて貰えなかった


大きな肉の塊と旨辛い手羽先は全員に大好評だった

普通の焼き肉の方もマスターを仲介して市場で購入したので柔らかくて美味しかった


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