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その3 「転生して田舎でスローライフをおくりたい」が何故こんなに好きなのか?


 最初に大事だと思うことを書いておく。

 私にとって、その作品が「好きである」ということは、他人にとってそうでないかもしれない。

 その作品を下手な表現で、他人に勧めるより先に、どうして私はこの作品が好きなのか、考えた方が良いかもしれない。


 当初の予定通り「読書感想文」を書こうと思う。

 今回の作品は「スローライフ系」とか「まったり系」とか「のんびり系」とか言われるものになる。


 「錬金王」先生の作品である「転生して田舎でスローライフをおくりたい」である。


 この作品に魅力を感じる、私という人間は一体どのような者であるのだろうか。

 言葉にすることで、本当の自分からズレてしまう、又は狭く固定してしまう可能性もあるが、元々大した事も出来ないし、自分探ししている余裕も無いので、大丈夫だろう!


 で考えた結果、私という人間は実は「異世界だから好きというわけでは無く、別の要因に安心感を覚えている」ということが解ってきた。


 この作品の場合、異世界が与えてくれる物というのは「安定した経済力」と「身の安全」だ。


 主人公「伊中雄二」は働きすぎて朦朧とした状態でトラックに轢かれた結果、異世界の穏やかな地方に転生し、田舎貴族の次男アルフリート=スロウレットとして生きることになる。


 ここで重要なのは「貴族の次男」、「比較的安全な田舎暮し」、「魔法が使える」ってところである。

 つまり、地位と経済的余裕があり、周囲の治安が良く、自衛手段があることだ。

 さらに跡継ぎとしての重圧が無い。


 彼はここで、楽して人生を謳歌するため、自衛手段と商売のネタを兼ねる魔法の技術の追及にいそしむことになる。


 結局、私も楽して生きる人生に憧れを抱いているのだ。

 「安定した経済力」と「身の安全」を得たならば、後は周囲の環境を便利で、居心地の良いものに変えて行くだけだ。

 かくして主人公は前世の知識に、新たに得た力を使い、この異世界にソコソコの変化をもたらして行く。


 知識チートや内政チートが嫌い、という人もいるかと思うが、主人公の求めている物は「安全で豊かで便利な生活」である。

 利便性のために、こちらの世界を異世界に持ち込む事は私にとっては、もはや必然に思えた。


 他作品と違う部分にも焦点を当てたい。

 まずこの作品はWeb版で516話にもなり、文字数にして190万文字を超えるボリュームを誇るが、現在主人公は7歳である・・・。

 つまり、まだ幼年期真っ盛りであり4歳~7歳までの期間が描かれているだけで、陰惨な陰謀や事件も無く、戦争や魔物の襲来も無く、主人公が学園に通うことも無い。

 地獄のまったり進行である。


 大人の助けや魔法の力はあるものの、比較的平和なエピソードが淡々と綴られていく。

 今のところ、マンネリに陥ったりもしてない。

 突然、作品のハンドルを切り損ねてハングオーバーになったりすること無く、抜群の安定感でズーッとスローライフがただひたすらに続くのである。


 「おじゃる丸」に近いオーラを感じる。

 「安全で豊かで便利な生活」、「煩わしい責任も義務も無い生活」が長々と続くのである。


 普通は人気やストーリーの都合から、スローライフが終わってしまう作品もあると思われるが、ここまでスタイルを変えずに続き、書籍化までされている作品は珍しいのでは無いだろうか。

 このままで行ってほしい。

 出来れば主人公の年齢が上がっても、可能な限り、学園にも行かず、役職にも就かず、でもアイデアで商売しながら活躍してほしいと思う。

 ※別にニート万歳とかは思って無いです。


 ここまでのことから、私がこの作品に対して抱いている魅力とは「比較的怠惰で安全な、しかし退屈ではない生活が長く続く所」であるらしい。成し遂げるという意味でも、書き続けるという意味でも【言うは易く、行うは難し】な作品だ。




 私自身の好きなところばかり書いているのも何なので、気になる点についても挙げたい。


 大げさな話では決して無いのでサラっと。


 7歳の幼児を前にしたとき、まず最初に抱く印象というのは果たしてどういった物になるだろう。


 利発そうに喋り、危なげ無く王都や地元の村を闊歩する幼児を前にして、人々は皆、大人として扱い過ぎる部分が若干ではあるが、あるように感じた(本当に少し気になる程度)。


 もちろんお金も持っていて、身綺麗な格好もしていれば、お店の店員さん辺りは一人のお客様として扱ってくれるのは解る。むしろ良い大人の人だ。


 またこの世界では7歳は立派な労働力であり、主人公と同世代の友人が農作業などの重労働に従事していることから、我々の考え方と違うであろう事は容易に察せられるのではあるのだけれど。


 で、読んでいる私がいつもハラハラしている部分であるが、主人公は7歳の幼児であるにも関わらず、剣術の修練を家で行っている。

 まだ、きちんと体ができていないにも関わらず、かなりハードな内容の稽古である印象を受ける。

 疲労骨折しないか心配になる。


 さらに主人公は自身の姉と打ち合うのだが、かなり大雑把な性格の姉であるため(また年齢差も大きいため)、いつ首を折られるか、これも心配である。




 尻切れトンボであるが、そろそろ目標の文字数に達した。

 なんかAmazonのレビューの下書きみたいになったが、こんなものだろうと思う。


 素晴らしい作品を送り出して下さった錬金王先生に感謝を表しつつ、終わりにしたい。


 「主人公が姉に首を折られないか心配です!」



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