第二章 自称美少女は泥棒で
「どこ?どこにあるの? 」
暗い部屋の中に一人の少女がいた。少女はランプを片手に持ちながら、部屋の隅から隅まで調べていた。
「クッ……! ここにも無いようね」
腹立ち紛れに少女は机をドンッと叩く。その時、
「オイ、今何か聞こえなかったか? 」
「そうか? 気のせいじゃねーの? 」
一階から声がした。
「チッ、勘付かれたようね」
少女が舌打ちをする。
「結局アレも無かったし……。長居は無用ね」
そう言った少女は部屋の窓を破って外へと飛び出した。
「イヤイヤイヤ、流石に今のは聞こえただろう? 」
「ああ、なんだあの音。上からか? 」
「言ってみようぜ」
男達が階段をドカドカと駆け上る。ドアを開けた瞬間、
「なんだ……これ……」
あちこちに散らばった本や地図、破れた窓。そして……。
「おい、こんな紙が落ちてやがるぞ」
一人の男が紙を拾う。
「何か書かれてるか? 」
「ああ。読むぞ。えーと……、おバカなゴロツキの皆さん。御機嫌よう。あなた達の部屋を隅から隅まで調べさせていただきましたが、ロクなものがありませんね。ガッカリです。でも、調べさせてもらったお礼に、素敵なプレゼントを差し上げます。受け取ってください。では、永遠にさようなら
美少女泥棒キアより……」
読み終わった男は顔を上げた。
「プレゼントってどこだ? 」
「いやそこかよ」
みんなでツッコむ。
「つーか、美少女泥棒キア? 誰だそれ」
「さー。聞いたことねえ」
と、その時、部屋が爆発した。
「ウワーッ」
「ギャーっ」
男達は叫びながら吹っ飛んだ。
「イテテテ……。おい何があった? 」
「分かんねー。つーかこれがプレゼント? 」
「もしそうならスゲー迷惑だぜ。イテテテテ」
男達はうなりながら腰をさすった。
「フフフ。今頃腰でも打ってうなってる頃だわ、あのゴロツキ達」
少女は小舟を漕ぎながら笑った。少女の名前はキア。自称美少女。そして泥棒である。さっきの爆発もこの少女、キアの仕業である。
「今回も無かったかー」
フーッとため息をつく。
「でも必ず見つけるんだから! 」
そう言ったキラはふと空を見上げた。
「綺麗な星…… 」
夜空には満点の星が輝いている。少女はうっとりとしながら小舟を漕ぎ続けた。
凄く早く終わってしまいました。すみません!
次回からはもっと長くします。
見てくださってありがとうございました!