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英雄魔術師はのんびり暮らしたい  のんびりできない異世界生活  作者: 柊遊馬
第二部

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1920/1937

第1910話、進捗にしびれを切らしまして


 第30番渓谷上空の戦いは、戦力が整いつつあったが、肝心の地上戦はどうなっているのか?


「ベルさん、そっちはどうだい?」


 俺は地上の様子をモニターする。飛来する航空機は、同盟軍空母航空隊が防ぎ止めているが、地上からも魔人機もどきが高速で渓谷の拠点に向かっていた。

 ただ大集団は、爆撃隊が苦労しながらもエクスプロージョン爆弾を使用して数を減らしているので、それらをくぐり抜けてきた少数機を突撃海兵の魔人機ヴォルカンや、ベルさんのブラックナイト・ベルゼビュートが撃退していた。


『こっちは、まだまだ余裕だな』


 ベルさんの声が通信機から響いた。


『まあ、爆撃機が敵の数を減らしいるからってのもあるがな。いつまでもこのままってわけじゃねえんだろ?』

「色んなところから湧いているな」


 これまでも魔導放射砲やエクスプロージョン爆弾で結構潰してきたはずなんだが……。まあ、地底全てをまだ焼き払ったわけでもないので、これまでのことを考えても全然残っていてもおかしくはない。


『なら、とっとと渓谷の拠点を制圧してもらいたいもんだな。……実際のとこどうよ?』

「……あまりよろしくないな」


 俺はラスィアに視線を投げると、彼女は答えた。


「ようやく一階の正面フロアを押さえました。ただそこから先の通路には敵が大挙しており、進めないようです」

「通路に火炎を流し込んでいるが、途切れないらしい」

『つまり一階からまだ先を探れもしていないわけか。こりゃ長期戦だなぁ』


 ベルさんがぼやくように言った。気持ちはわかる。勇猛でもって鳴る突撃海兵が攻めあぐねている。


「埒が明かないな。そこまで出張るつもりもなかったが、表で戦っている方の犠牲もあるしな」

『劣勢なのかい?』

「航空隊の方の被害がな。艦船は押さえられているが、爆撃隊や制空戦闘機が割と」


 俺はキャプテンシートを立った。


「拠点の地図もわからないんじゃな、話にならない。とりあえず、俺も行こう」


 というわけで分身君、ここは任せる。俺の分身にバルムンク艦隊の指揮を任せて、地上に移動しよう。


『それじゃ下で待ってるぜ』

「おう」


 ベルさんも俺と合流する流れのようだ。戦艦『バルムンク』の艦橋から格納庫へ移動する。

 足代わりのTセカンドの元へ行けば、その前にディーシーが立って機体を見上げていた。


「出撃か?」

「下の進捗が非常に悪いんでね。飛び入り参加があまり場を引っかき回すのはよくないが、作戦が進まないのもよろしくない」

「そうでは仕方がないな」


 ディーシーは、ダンジョンコア・ロッドに姿を変え、俺はそれをキャッチするとコクピットに乗り込んだ。専用ソケットに杖をセット。


『主よ。対シェイプシフター対策をセカンドにも施した。まあ、必要ないかもしれないが』

「いや、世の中何が幸いするかわからないからそれでいいんだぞ」


 敵地底シェイプシフターは、段々巧妙になっているからな。対策なんて、いくらしたっていいんだ。停滞は慢心だ。


 Tセカンド、起動。計器類が点灯、モニターが外の様子を標示。スイッチを入れて各システムを立ち上げる。エネルギー正常、各部スラスターの可動、異常なし。各部のチェック、こちらも異常なし。オールグリーン。

 フットペダルを踏み込み、軽く歩行。カタパルトデッキへ移動。シェイプシフター誘導兵が赤と緑の誘導灯を持ち、誘導する。


 ハッチ開放、Tセカンド、カタパルトに足を固定。誘導兵からOKのサイン。管制塔と出撃のやりとり。まあ、儀式というやつだ。


『カタパルト動力接続! タイラント、いつでもどうぞ!』

「ジン・アミウール、Tセカンド、出るぞ!」


 カタパルトがレールに沿って作動。Tセカンドの8トン前後の機体が戦艦『バルムンク』から打ち出された。


 発艦、そして機体をロールさせるのも機体の動作を見る確認作業。視界がぐるりと一回転。打ち出された機体は勢いのまま前進しつつ下降。マギアスラスターを噴かして、緩やかに旋回。せっかく打ち出されたけど、行きたいのはそっちじゃないのよね。

 下方に前進しつつ、第30番渓谷へと降下していく。ベルさんは……っと、いたいた。


『こっちだぞ、ジン』


 ブラックナイト・ベルゼビュートが大剣を掲げて振っている。ちょうど渓谷の拠点入り口前といったところだ。……その悪魔的シルエット、でかいし目立つなぁ。

 漆黒の機体は、魔人機よりやや大きいが、一応サイズ的にはスーパーロボットではない。その性能は、スーパーロボット以上ではあるんだが。


「お待たせ」

『じゃあ、中に行こうぜ。海兵には話をつけてある』

「さっすが、話が早いね」


 早速、魔人機も通過できる入り口から敵拠点内へ侵入。突撃海兵のヴォルカンもこちらを素通りさせた。

 中にはヴォルカンが数機と多数のサラマンダーⅡ――パワードスーツがあって、それぞれ複数ある通路の前で火炎放射器を見舞っていた。

 時々、施設内用エクスプロージョン手榴弾を投げ込んでいるが、中々奥に踏み込めないようだ。


「ディーシー、魔力サーチと施設内スキャンを開始。とりあえず、ここのマップを手にいれよう」

『了解。テリトリー展開する』


 DCロッドが応じる。Tセカンドの周りに、ダンジョンコアがテリトリーを広げて、こちらサイドのダンジョンへと変換していく。


 立案、実行にあたって俺が関係していない作戦だから、ここでテリトリー化するのは、同盟軍の作戦にまったくないことではあるんだけど。

 はてさて、ここはどれくらい広い施設で、敵さんはどれくらいいるのかな?

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