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英雄魔術師はのんびり暮らしたい  のんびりできない異世界生活  作者: 柊遊馬
第二部

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1887/1936

第1877話、討伐艦隊、出撃


 地底勢力討伐軍が編成された。シーパング同盟軍から抽出された戦力と俺のところの戦力を合わせて、地底シェイプシフター軍に対する先制攻撃を仕掛ける。

 旗艦は戦艦『バルムンク』。他にやや型落ちであるドレッドノートⅡ級戦艦が8隻。アウローラⅣ級空母『アウローラ』と、大鳳級装甲空母3隻、改タブシャ級空母4。重巡洋艦8、軽巡洋艦16、駆逐艦16が、討伐艦隊第一群を形成する。

 その旗艦である『バルムンク』のブリーフィングルームに俺は、討伐艦隊各戦隊指揮官たちを集めて説明を行った。


「――とりあえず、俺たちは現在確認されている敵を叩く」


 すなわち、ファーストベース、セカンドベース、そして各円盤都市に侵食し、数を増やしている地底シェイプシフターを吹き飛ばす。


「予備戦力については、仕掛けてくれば応戦はするが、敵がどれほど戦力を隠し持っているのか図る役目もある」

「……つまり、我々は本隊というより先遣隊ということですか?」


 討伐艦隊の指揮官を務めるタウロ中将が確認してきた。出身はシーパング――旧ニーヴァランカ国から移ってきた。

 いま話題のニーヴ人かヴァラン人かといえば、ニーヴ人であるが、ここ最近の争いより遥か前、大陸戦争直後にシーパングに移ってきた口である。

 同盟軍軍人として、今回の討伐艦隊司令官に抜擢された。


「正直、地底シェイプシフター軍の規模については不明だ」


 俺はタウロほか各戦隊指揮官たちにを見回す。


「情報を確定させたいのが本音だが、戦争というのはとかく暗闇の部分が多いものだ。何もかも見通して戦うなんてことはそうはない」


 目の前の見えている敵で全部であれば、この戦いはおしまい。だがそういう楽観ができないから、後のことも考え探らねばならない。


「だからといって、敵の戦力の増強を静観するわけもいかない。敵が強大になる前に、叩いてしまおうというわけだ。ここまではよろしいか?」

「はい」


 司令官たちは頷いた。そこから俺はシェイプシフターとの戦いについて、基本方針と注意点を彼らに再度確認させた。事前に通達はしているが、ちゃんと把握しているかは別問題だからね。



   ・  ・  ・



 ということで、討伐艦隊は出撃した。

 地底へのゲートは塞いでいるので、転移で艦隊を移動させる。

 57隻の戦闘艦隊は、地底空間に出現すると、事前の偵察情報で得られた敵情のもとに分離し、移動を開始した。

 セカンドベースとファーストベース、侵食されている円盤都市八つのうち六つ向けての進軍だ。

 部隊分けは、以下の通り。



第一群 第一小隊:戦艦4、空母1、駆逐2

    第二小隊:戦艦4、空母1、駆逐2

第二群 第三小隊:重巡洋艦4、空母1、駆逐2

    第四小隊:重巡洋艦4、空母1、駆逐2

第三群 第五小隊:軽巡洋艦4、空母1、駆逐2

    第六小隊:軽巡洋艦4、空母1、駆逐2

第四群 第七小隊:軽巡洋艦4、空母1、駆逐2

    第八小隊:軽巡洋艦4、空母1、駆逐2 + 戦艦1



 俺の旗艦『バルムンク』は、第四群第八小隊と行動を共にする。

 アンバルⅡ級軽巡洋艦を左右に従えて、『バルムンク』は進撃。ファーストベースが視界に入る。


「自分たちで作った拠点を、自分たちで吹き飛ばすというのは、何とも複雑な気分だ」


 旗艦の艦橋から俺は、変わり果てた地底拠点の姿を確認する。

 シェイプシフターに侵食されているファースト・ベース。戦術モニターを眺め、ベルさんが口を開いた。


「前回の偵察の時より増えているか?」

「増えているな」


 基地の飛行船舶用駐機所に、黒い航空機もどきが並んでいる。航空戦力を拡充ってか? 地底と地上を繋ぐゲートを突破したら、そのまま一気に飛行して地上に出ていけるように。


「あまり時間をかけてもろくなことにはならないだろうな」


 放っておいても敵が増えるだけだ。ベルさんが言った。


「じゃあ、さっさと吹っ飛ばしちまおうぜ」

「魔導放射砲、一番発射用意」

『了解』


 シェイプシフター砲術長が応じた。戦艦『バルムンク』の艦首魔導放射砲が発射態勢に入る。艦正面、目標ファーストベースに軸線を合わせ。


『一番魔導放射砲、発射準備よし』

「発射!」


 戦艦『バルムンク』が搭載する必殺兵器が次の瞬間、光を放った。バニシング・レイを思わす光の奔流は、ウーラムゴリサ王国が作った地底拠点とそこに取り付く黒い塊をあっという間に飲み込んだ。

 いかに耐久性に優れるシェイプシフターといえど、光熱には耐え切れず消滅していく。侵食しつつある基地施設もろとも。


「ボタン一つで終わる戦いってのも味気ねえな」

「何を言っているんだい、ベルさん。味方に犠牲が出ないのはいいことじゃないか」


 相手はシェイプシフター。まともな戦争なんてやろうとしたら、どれだけ犠牲が出るかわかったものじゃない。

 とはいえ――


「ただ離れたところでボタンを押すだけ終わる戦いばかりやっていると、人命を軽く見るようになりそうで、あまりよくはないのはわかる」


 要するにバランスの問題なんだ。この手の話は得てして前提ひとつでコロコロ変わるから面倒だ。


「だが今回に限れば、放射砲だけで終わってくれたらいいんだが……」


 もちろん、そう都合よくはいかないんだけど。

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