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英雄魔術師はのんびり暮らしたい  のんびりできない異世界生活  作者: 柊遊馬
第二部

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1881/1939

第1871話、資料とやってくるモノ


 シェイプシフターを開発した地底人の研究所を発見した。俺たちはその調査を進め、残っている資料の回収を行った。


「探せば残っているもんだなぁ」


 ベルさんがぼやく。地底人の遺体は残っていなかったが資料は残っていた。

 地底人の円盤都市で回収されていた文献などから、いわゆる文字などの解読は進んでいるから、ここの資料も解析は可能だろう。読めそうで読めない文章……。ベルさんに鑑定してもらおうかと思ったら、シェイプシフター兵が駆けてきた。


『閣下、哨戒機より通報です。地底シェイプシフターの戦闘部隊が、こちらに接近しつつあります』

「おや、敵さんか」


 この施設に向かっているとな? それは面倒なことになったな。

 ベルさんが皮肉げな顔になる。


「逃げた奴が、俺たちの襲撃を知らせやがったか?」

「どうかな。それにしては動きが早い。逃げた奴ではなく、まだこちらが攻撃している最中に施設にいた者が仲間に通信をしたんじゃないかな」


 俺は、回収中の資料の山を眺める。


「さすがにこれを残して撤収はな……」

「どこに貴重な情報があるかわからねえもんな」


 と、ベルさん。


「電子化してれば、必要なとこをピックアップできるんだが」

「結局、データの吸い出しに時間がかかるだろうよ」


 後で何がどこで必要になるかわからないし、ここで不要とした情報が実は今後の鍵になるってこともあるから、必要なさそうに見えても回収はするんだよな。


「一カ所にまとめてくれれば、魔法で一発なんだが」

「さすがに、そこまでは人海戦術だな」


 ベルさんは作業中のシェイプシフター兵を見やる。俺は今の時点で集められた資料に近づく。


「とりあえず、一度ここにあるものは転送して、残りは全て集まったら飛ばそう」


 全部揃うのを待って、いざ運ぶという時にまとめてやられてもたまらない。半分でもいいから先に移動させておけば、何かあっても最悪半分は確保できるという寸法だ。


「さて、残りの資料が回収できるまで、防衛戦といこうか」


 俺とベルさんは地上へと戻る。こちらのシェイプシフター部隊が迎え撃つ準備を進める。


「敵さんはどう来るか」


 兵隊を使って奪回を仕掛けてくるか。それとも資料もろとも施設を外から破壊してくるか。


「連中にとって、あそこの資料って大事なものか?」


 ベルさんが疑問を口にした。


「オレらが来るまで、ほぼ放置状態だったんだぜ?」

「施設を吹っ飛ばす理由は、証拠隠滅とは限らないよ」


 敵はシェイプシフターだ。もっとも効率のいい敵の排除を考えた場合、地上から制圧していくより、基地ごと吹き飛ばしてしまうほうが被害が少ない……そう考えたら?


「なるほどな。大事なものと認識していないなら、むしろドカンとやるかもしれんということか」

「そうならないために、今の時点で集まった分を転送したんだ」


 地底シェイプシフターについては、ほとんどわかっていない。俺たちがシェイプシフター兵を使っているからある程度推測はできても、その目的や思考についてはほぼわかっていない。

 ……唯一わかっているのは、人間に対しては遠慮がまったくないということだ。


 相手を人間と思わないようにするのは、こちらも同じ。人間の倫理観や思考で縛ると、敵の行動に翻弄されることになる。

 とは言っても、こちとら人間なんでね。わかっていても根底には人間の思考というものがあるから、簡単ではないんだ。



   ・  ・  ・



 施設の外に待機していたシェイプシフター部隊は、向かってくる敵に備えて配置についた。

 囮として置いた乗用車。施設への通り道に置いたそれに、地底シェイプシフターたちはどういう反応を示すのか。

 周囲の地形に潜伏するシェイプシフター兵たちは注目する。


『来ました』


 シェイプシフター部隊を束ねるレーヴァ隊長が報告した。

 俺は魔甲機Tセカンドに乗り、ベルさんもブラックナイト・ベルゼビュートで様子を見る。もちろん、こちらは透明魔法処理で姿を隠している。


『ワスプタイプ輸送ヘリ……連中、すっかり自軍のものとして化けているようです』

「そのようだな」


 黒いワスプがコンテナを運んでいる。このカラーリングからすると全部地底シェイプシフターたちが変身しているのだろう。


『敵は、車に気づいたようです』


 先頭のワスプヘリが速度を緩め、後続機もそれにならう。全部で18機。それなりの規模だな。


『観光って様子じゃねえな。明らかに戦闘目的じゃないのか?』


 ベルさんが、相手の規模からそう推測した。まあ、そうなんだけどね。


「見ていればわかるよ」


 囮の車を問答無用で吹き飛ばせば、敵として攻撃。調べるようなら、まだ交信が可能かもしれないので、ちょっと話し合いをしてみましょうということになる。

 施設の奴らや基地を攻撃した連中は、人類に敵対的だが、この一団がそれと同じかどうかの確証は今の所ないわけだから。……平和の使者を敵だと思って撃ってしまいました、は嫌だからな。泥沼の戦争は、こちらも望んではいないのよ。


 ヘリ群が滞空を始めた。地上の車について様子を見ているのか。ちょっと動かしてみるか……?

 先頭だったワスプヘリの機関銃が火を噴いた。囮の車は機関銃弾でぼっこぼこになり、部品がバラバラに飛び散ったところで、仕掛けてあった爆弾が爆発した。

 敵確定!


「撃て!」


 Tセカンドのスタンプガンが光り、先頭のワスプヘリとコンテナを貫く。伏せていたシェイプシフター部隊もロケットランチャーを次々に滞空しているワスプヘリを撃ち込んでいく。


 アンブッシュだ! 囮を出したことで、敵に警戒させて待ち伏せには一見不利な状況になるが、その囮がやられた時点が攻撃の合図と段取っておけばこれ立派な奇襲となるのだ。

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