話とかしてみる。
サキは色々特殊能力がある。まあ出会いが出会いだし今更驚かない。だってあたしも人の事言えないしさ。一キロ先の木陰に隠れて最近出番が少なくいじけてるらしいグピーちゃんの表情まで丸見えの最強視力さえ持ってますからね!グピーちゃん!もう可愛いよ!ギュッてして頬擦りしたいよ!てかさせてね!
浮足踊るあたしの肩にポフッと手が置かれる。遠慮がちな肉球。はうっ!これはミキオ君!何故かあの猫ちゃんサイズに戻れないらしくでっかい猫ちゃんになっちゃったけどそれも良いよ!潤んだ大きな瞳で構って、とでも言っているかのような仕草、…萌死にしそうだよ!鼻血ブーだよ!
「ルーは面白いな」
一人悶えていたあたしに、サキが抑揚のない声とそれに合う無表情であたしを見つめている。一番初めは同じ色だと思ったけれど純粋に紫のあたしの瞳よりも、サキの澄んだ紫の瞳はキラキラとオパールのように色んな光を閉じ込めてすごく綺麗だ。
「我はおまえに出会えて嬉しい」
言葉はたどたどしく少し、戸惑うように指先があたしの髪を掬う。
「サキ?」
「我はずっと一人だった。それが当然だと思っていた。」
短い言葉に、それでも指先とその瞳に感情が灯っている気がした。愚痴だね!良いよ、聞くよ!あたしは今もふもふ達のおかげで賢者タイムだ!
「一人じゃないよ!サキ、あなたの目はしっかり開いてるかい?この子達もみんなあなたが好きだよ。」
勿論あたしもね!と笑う。こんなに、ここの子達に愛されている人を知らない。ミキオ君は、あたしを守ろうとしただけなんだろうな。
「これ達が我に従うのは我が主だからだ。」
「あるじ?」
「精霊は最も強い力に引き付けられる。それだけだ」
「精霊?ああ、このこ達精霊だったんだね?」
今更納得だ。そう考えれば一番しっくりくる。なんで今まで思いつかなかったかな。笑ったあたしにサキは首を傾げた。
「良かったね、サキ。主とかはよく分からないけど、こんなに良い子達を引き寄せる力なんて凄いよ?きっと心が綺麗だからだ」
変態だなんて思ってごめんね、と心で謝る。
「我はこの力を疎ましく思いはしても誇るべきだと思った事は一度もない」
戸惑うように紫水晶の瞳が揺れる。逸らす事が出来なくなる位その僅かな変化は綺麗だ。
「サキは従ってもらいたいんじゃなくて、横に並んでもらいたかったんだね」
ヨシヨシとサキの頭を撫でた。サキは何だか憂いを帯びた表情であたしにされるがままになっている。分かるよ、サキ。友達がいないって寂しいよね!
「……我は力が強い。全てを破壊する事さえ出来る。恐れられても敬われるべきではない」
サキは感情を込めず、淡々と言ったけれど、泣き出しそうな子供にみえた。そして、あたしにはなにかフラグが立ったようにみえた。
……なんと、全てを破壊とな!サキ、あなた何者!
「サキはサキだよ。破壊なんてしないでね?」
されたら全世界が泣く。
「こうして抱きしめられるサキでいてくれたら嬉しいな」
この幼児体型と上目遣いを生かしてみる。どうだ、可愛いだろ!破壊なんて考えちゃ駄目だぜ!
サキは、優しく微笑んで、あたしの頬を撫でる。陥落した。あたしの魅力で陥落した。と心の中でガッツポーズをしてみる。
「ルー」
「なあに?」
「貴女は阿保だな」
なんですと⁈




