変なのに出会いました3
口説かれてるのか。
分からないけどこの人は容姿も頭も尋常じゃない事は理解出来た。人は時にそれを変態と呼ぶ。
「あなた名前は?」
溜め息を押し隠してあたしは彼を見上げた。何センチあるのか不明だけど長身のこの人は見上げなければ視線が合わない。首が疲れる。
「名?名は無い」
えー、今なんとなく、某有名小説の一文を思い出したよ。
「それじゃ呼ぶのに困るじゃない。家は?泉?」
「我に家は無い」
家もないのかね!また妙なのに絡まれちゃったよ!
「じゃ今までどこにいたの?」
「我在る所は際限ない無だ。愛し子よ、お前の元が我の居場所」
……なんだか、可哀相なのか?この人、恐ろしく美形なに、すごく不敏だよ。
「…じゃあ一緒に来る?」
なんてゆうか、捨て猫を拾った感覚だ。
コクンと頷いた美貌は、もはや、カワユイとしか思えなかったあたしは救えない阿呆だ。そして、家に帰れば愛すべきファンタジーな生き物達も待っているのに、また食料難か。そして、この変わった美形の仕事は間違いなくヒモだな。
だって、この有り得ない尊大な態度とカリスマ性溢れるオーラ、まともに仕事をした事なんてある筈ない。大体、泉に立ってたしね。
家に帰る道中、あたしの頭の中は食料問題でいっぱいだった。そして、この眩し過ぎて逆に目に悪い美形の名前は適当にサキとつけた。サキは思いの外喜んで、微妙に笑った。勿論殺人級な美微笑だ。瞳がムラサキだから、サキだなんて適当に考えてごめんなさい。ムラでも良かったけど流石に変態さを二割増しさせると思い留めた所だけ評価して下さい。




