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異世界でも武器商人  作者: ヴァーリ
knockin' On Heaven's door
1/9

1,交渉決裂

ここは東アジアのとある紛争地帯。地平線まで砂漠のこの場所で、1台のトラックが炎上している。その周りには、体中を銃弾で撃ち抜かれたテロリストの死体が散乱していた。ヘッドホンのようなインカムを付けた黒髪黒目の青年、桐山きりやま晴也はるやがつぶやく。彼の右手にはブラジル製の回転式弾倉銃タウルス・レイジングブルが握られていた。


「あ〜あ、やっちまいましたね。でもまぁ、君たちが悪いんですよ?ここまでダラダラ引き伸ばしてタダ飯する気なんて、これだからテロリスト相手は嫌なんだですよ〜」


「社長、だらけないでください」


金髪のロングヘアーで、戦闘服からはち切れんばかりの巨乳を持った女性は呆れたようにそう言い、構えていたベルギー製のF2000を下ろす。元ロシア特殊部隊スペツナズ所属、接近戦では無類の力を発揮する女性兵士、ヴェレーリア・ノヴェツカ・ヘイバイムである。


「どぉ!お兄ちゃん!私、今日は8人も殺したよ!」


そう言って晴也に抱きついてきたのは、銀髪ボブカットの少女。エヴァリーナ・桐山・ライオネルはとある国で産まれた試験管ベビーであった。戦場で晴也が拾い、義理の兄妹関係を築いている。手にはベネリM1ショットガンが握られている。


「あ、あの、エヴァ、仕事中は社長って言えと何回言えば……」


「いいじゃん!お兄ちゃんはお兄ちゃんなの!」


「羨ましいねぇ、そんな可愛い妹を持って」


そう言ったのは白髪でガタイのデカイ中年兵士。元アメリカ海軍特殊部隊DEVGRUに所属していた歴戦の強者であるケイネス・ホーマンス。狙撃の腕と戦術については右に出るものはいない。彼は周囲に敵がいないか確認すると、ドイツ製のブレーザーR93のスコープから目を離す。


「まったく、おやっさんも乗っかったらダメですってば。しつけは大切ですよ?」


アサルトライフル豊和製89式を持った、元陸上自衛隊特殊作戦群の隊員、隅萱すみがや祭神さいじがケイネスに向かってそう言う。


「はいはい!みんな状況終了、追ってが来る前に逃げますよぉ〜」


「はーい」


兵士たちはそばにあった米軍のハンヴィーに乗り込む、晴也もそばにあったカバンを拾い上げ、スーツのシワを治すと助手席に座る。中はエアコンが効いてて涼しい。晴也の膝の上にはエヴァが乗り、運転席にはケイネス、後部座席にはヴェレーリアと祭神が乗り込む。


「ったく、アフガンまで来て武器売ろうとしたらテロ組織に交渉されるわ、裏切られるわ、何より腹が立つのは……アフガンあっつぅ!」


そう言い終えて助手席にもたれる晴也は大きなあくびをする。膝の上ではエヴァがすやすなと眠っていた。


「せっかく、久しぶりに報酬が奮発された取引台無しにしちゃいましたもんね。あぁ、この月の収入ゼロですよ……」


「大丈夫ですよ、まだ何とかなりますって。さすがにセールでかっさらって来たモヤシとピーマンの炒め物は勘弁してくださいよ?」


「だよなサイジ、俺もハンバーガーとコーラが恋しいよ」


「……って、うふぉっ!け、ケイネス!タバコはやめなさい!」


タバコ拒絶症のヴェレーリアが運転席に座るケイネスの後頭部を叩く。


「いてっ!わぁった!わかったよヴェレ!」


「ははは、ヴェレ姉さんのタバコ嫌いは相変わらずだな」


「姉さん言うな!」


車内が戦場にいるとは思えない雰囲気になる。しかし、それは唐突に崩される。


「ん?何だ?」


ケイネスがバックミラーに何かが映っているのに気づく。


「社長、後方に不審車」


「あらま、こりゃ追っ手だな。何とまぁお早いこと……」


すると、後ろを走っていたバンから銃撃が食らわされる。とっさに頭を伏せる晴也たち。


「oh……いきなりぶっ放して来た」


「舐めやがって!」


ケイネス以外の全員が窓から銃を出し、後ろの車両に反撃する。運良くタイヤに当たり、バーストした車両がひっくり返る。しかし、新たな追っ手が2両追加される。


「エヴァ、銃を頼みます!」


「任してお兄ちゃん!」


レイジングブルをエヴァに渡した晴也は、ハンヴィーのルーフに取り付けられたXM806のトリガーを握る。


「やってくれましたねクソ野郎ども!」


晴継本人は銃を使うことはあまりないが、一応武器商人であるから使い方は分かる。敵の増援に向けて12.7mm弾を叩き込む。撃たれた車両はお互いにぶつかり、炎上、爆発した。


「社長!前っ!」


前を見る。そこには米軍から奪ったのか、8輪式の装甲車ストライカーから対戦車ミサイルTOWが発射されたのだ。晴也は機関銃で撃ち落そうとするが、やはりミサイル、撃ち落とせない。もちろん、避けるにも赤外線誘導であるから避けることなどできない。


「全員!対ショック姿勢!」


「とっくに対ショック!」


全員が前のシートやエアバックに顔を押し付ける。そして、ハンヴィーにTOWが弾着する。


しかし、破壊されたハンヴィーの残骸が残っているはずのそこには、破片すら残っていなかった。

彼らの転移先ですが、中世ヨーロッパな世界か18世紀ぐらいの世界(フランス革命)のどちらがいいですか?

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