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第六十二話

第62話

山の主


龍の洞窟。

奥へ進むほど

空気が変わっていった。

温かい。

いや

熱い。

バルドックが言う。

「火山みたいだな」

セレスティアが周囲を見ている。

「魔力濃度が急激に上がっています」

ガルヴァンが止まった。

「広い」

前方の空間。

巨大な空洞。

七人はゆっくり進む。

そこは

洞窟の最深部だった。

天井は高い。

岩の柱。

そして

地面には

大量の骨。

魔物。

飛竜。

様々な骨が積み上がっている。

リュカが小さく言った。

「ここ……」

セラフィーナが静かに答える。

「巣です」

その時。

空洞の奥で

何かが動いた。

ゴォォ……

低い音。

岩のような巨大な影。

ゆっくりと

持ち上がる頭。

赤い目が開く。

リュカの体が固まる。

「……大きい」

それは

飛竜とは比べ物にならなかった。

巨大な体。

厚い鱗。

長い尾。

広げれば

空洞いっぱいになりそうな翼。

そして

燃えるような瞳。

セレスティアが震える声で言う。

「龍種……」

本物の

ドラゴン。

山の主。

ドラゴンがゆっくり頭を持ち上げた。

「グオオオ……」

低い唸り。

空気が震える。

ガルヴァンが剣を握る。

「Sランク」

バルドックが笑った。

「冗談だろ」

アルベルトは静かだった。

目を逸らさない。

ドラゴンも

七人を見ていた。

そして

大きく息を吸う。

セラフィーナが叫ぶ。

「来ます!」

次の瞬間。

ドラゴンの口が光る。

轟音。

「グオオオオォォ!!」

炎のブレスが放たれた。

洞窟を埋め尽くす炎。

アルベルトが叫ぶ。

「散開!」

七人が跳ぶ。

炎が岩を焼く。

轟音が響く。

リュカは地面に転がりながら叫んだ。

「ドラゴン……!」

エリシアが駆け寄る。

「リュカ!」

「大丈夫!?」

リュカが頷く。

だが

ドラゴンはゆっくり立ち上がった。

その巨大な体が

完全に姿を現す。

山の主。

龍種。

その圧倒的な存在が

七人の前に立っていた。

アルベルトが剣を構える。

「全員」

静かな声。

だが

はっきり言った。

「総力戦だ」

北部山岳地帯。

その頂に住む

龍。

その戦いが

始まろうとしていた。

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