ex3.弟子が神様に選ばれてしまった
3日連続で更新できました。
自分を褒めてあげたいです。
リズが『原初の教会』を案内されたとき、もしやとは思った。
そして、その悪い予感は当たってしまった。
神様から神の使徒に選ばれたと宣言されたときは、ただ戸惑っているだけだった。
その後、六王のみんなが急遽集合したこと、テルとダイキ様からこの世界の裏側を聞いたこと、自分が戦うことになること、そういったことを聞いて、リズの顔色が青ざめていった。
テルやマイズに気を使われ、お祭りに向かった。
残ったメンバーで何かを話し合うだろうことは、容易に想像できた。
屋台でお昼ご飯を食べた時も、ケーキ屋に行った時もリズの無理した笑顔が変わることはなかった。
イズミが合流したお茶会でも、明るく振る舞っている姿が痛々しく映った。
ダイキ様から「リズが直接戦闘する」ということを聞いた時、不快感が顔に出てしまった。私の可愛い弟子がこの世界の事情に巻き込まれたことが、嫌だったのだ。
でも、おばあ様を超える才能を、世界が見逃すはずがないとも思っていた。
リズには「何かあれば相談してほしい」と言ったけど、素直に相談してくれるとは思っていなかった。
だって、リズは優しいから。
お城に戻り、夕食までの時間が空いた。
ここだ、と思った。
リズのいる部屋に行くと、戸惑っていたけど部屋に招き入れてくれた。
リズの顔は、ひどいものだった。
眠っていたのには気づいていたけど、涙を流していたのだろう。目元が赤くなっていた。
リズに酷い顔だと伝えると、体が揺れた。
自分でも気づいていたのだろう。
リズの気持ちを聞いた。
頑張って話す姿から、ぐちゃぐちゃになっているはずの頭の中を言語化しているのがわかった。
不安や恐怖だけではなく、「自分なんか」と卑下している言葉を聞いた時、涙がこぼれた。
その後に、今が夢だと思う時があると続けた。森で力尽きている自分が見ている夢だと。
こみ上げる気持ちが抑えきれず、リズを抱きしめた。
二人して、声を上げて泣いた。
この子には、私がいないとダメだと思った。
一人にしてはいけない。
腕の中が静かになったと思うと、寝息が聞こえた。
疲れて寝てしまったのだろう。
起こさないように、そっとベッドまで運ぶ。
天使のような寝顔をしている。
頭を撫でると、少しもぞもぞした。
以前、おばあ様が家に来た時に打診のあった話は断ろうと思う。
私はまだ、この子の傍に居たいから。
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