17.リンダ様とお話しします
何とか二日連続で投稿できました。
コンコンコンとドアがノックされた音で目を覚まします。
いつの間にか眠っていたようです。
「リズ?入ってもいい?」
リンダ様です。
慌ててベッドから降り、ドアを開けます。
「もしかして、起こしちゃった?」
「い、いえ。大丈夫です」
どうぞと部屋の中に招き入れ、ソファーに座ります。
「どうしたんですか?」
リンダ様の表情が優れないように見えます。
「・・・どうしたのじゃないわ。自分がどんな顔してるか気づいてる?」
自分の顔?
何でしょうか。いつもと変わらないと思いますけど・・・。
「酷い顔よ。ずっと気を張って、我慢して、無理して笑ってる」
ビクッと肩が揺れます。
「・・・私では頼りない?」
リンダ様から情けない声がこぼれました。
「そんなことありません!」
「じゃあ、どうして何も言ってくれないの?」
「それは、心配をかけたくないからで――」
「何も言ってもらえない方が心配なのよ」
その言葉に、衝撃を受けました。
今まで私の言葉を聞いてくれる人が、周りにいなかったと気付いたからです。
「ゆっくりでいいの。リズの気持ちを聞かせて?」
リンダ様の優しい言葉が、胸に届きました。
「頭の中では、絶えず不安や恐怖が渦巻いて、でも、それを表現する言葉が見つからないのです。自分のことなのに・・・。神様やダイキ様の話を聞いても、どこか他人事のようにかんじているのです。今までの常識が崩れたのに。それに、自分が戦うところなんて想像できません。だって、村から生贄にされたんですよ?そんな私が神の使徒として世界を救うだなんて、馬鹿げています」
言葉にできないと言っておきながら、流れるように口から嫌な気持ちが溢れていきます。
止まらないのです。
「たまに思うのです。これは私が見ている夢なのではと。本当は森で横たわって、力尽きている途中なのではと。一度諦めたのです。村から生贄を選ばないといけない時の、あの目が向けられた時に。・・・なのに、どうしてですか。どうして、そんな私が選ばれたのですか!神様!」
ギュッとリンダ様に抱きしめられました。
「・・・ごめんなさい。本当にごめんなさい」
ああ。そんなこと言わないで下さい。
リンダ様は、いつも私を救ってくれています。
リンダ様の温もりを感じながら、涙を流すしかありませんでした。
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