13.神様からお話があるようです
神様の登場に驚き、ハッと後ろにいる皆さんを見ます。
表情はどれも呆れ顔でした。
「気軽には来れないのでは、なかったのですか?」
私が聞くと、神様はあっけからんと「言ったねー」と言いました。
「前に行ったことも嘘じゃなくてね、ここは特別なのよ。聖地なのと、私が自分で作った場所っていう条件がうまくかみ合って、たまになら来れるという感じ」
「先月も来ていますわ」というイズミ様の言葉に、「しー」と人差し指を口に持っていきます。
「今日はね、リズにお話が合ってきたの」
何でしょうか。
不思議に思っていると、神様の雰囲気が変わりました。
思わず、体が硬くなります。
「リズには、神の使徒という役目を与えます。これから来るであろう、災厄に備えなさい」
聞き間違いでしょうか。
「皆もよく聞きなさい。この世界が抱える問題について、リズとも共有しなさい。彼女はこの先、神の使徒として世界を救う存在になります」
皆さんの表情が硬くなります。
この世界の問題って何でしょうか。
私が世界を救う存在になるというのは、本当でしょうか。
「私からの話は以上です」
神様の雰囲気が、柔らかいものに変わりました。
「まあ、すぐにどうこうなる話じゃないわ。あなたがそのままでいてくれたら、問題ないからね」
そう言いながら、私の頭を撫でました。
「ダイキ。先輩としてちゃんとしてよ」
「はいはい。わかってますよ」
「じゃあ、またね」というと、神様は消えてしまいました。
「それじゃあ、マイズのお城に戻ろうか。そこで、少し話そう」
ダイキ様がそう言いました。
※
「はあ?リズが神様の使徒になったあ?」
「凄いな!お祝いパーティーするか?」
マイズ様とイワン様の言葉が、部屋に響き渡ります。
あの後、お城に戻りマイズ様達が来るのを待ちました。
「他の六王も呼ぼう」というダイキ様の提案です。
部屋には、六王が揃っています。
六王会議の時のような、重い雰囲気が部屋を包んでいます。
「ダイキ様は知っておったのか?」
スケール様が聞くとダイキ様は頷きました。
「聞いたのは昨日だけどね」
困っちゃうよね?と苦笑しています。
「それで、リズに何をさせようって言うんだい」
キソラ様の言葉に、私も頷きます。
「その前に、リズにはこの世界のことを知ってもらう必要があるだろう」
テル様が、私に目線を向けます。
※
さあ、リズ。少しだけ歴史と地理のお勉強をしようか。
この世界には、この世界の中心には聖樹ヴェルフが鎮座している島がある。
そう。ここからでも見えるね。というより、どこからでも見えるよ。
そして、聖樹ヴェルフの周りを囲むように国が6つある。
カトレアが統治する『エアティック』。
イワンが統治する『トレクラ』。
スケールが統治する『プレクティブ』。
キソラが統治する『リズデバ』。
マイズが統治する『ファンシュル』。
僕が統治する『オーフェシュト』。
さらに、『移動する聖地エベネイズ』を合わせるとこの世界には7つの国が存在している。
では、この世界の果てはどうなっているかな?海の向こう側だよ?
そう。果てはない。というより、いつの間にか反対側に出てしまう。
この現象を利用して、貿易も行われているね。
それでは、この世界の始まりはどう教わっているかな?
まあ、ざっくり言えば、女神様が作ったんだけど。それ以外のことを何か、教わったかい?
そう、そうなんだ。教わらないんだよ。
女神様がこの世界を作った後の話は、たくさんあるのにね。
さて、結論を言うと、この世界は侵略を受けている。
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