序:番制度
番制度。
それは魔法の存在するこの世界で、国が魔力を測定した結果でパートナーを決める制度のこと。
十五歳になったら神殿にて魔力の測定を行い、その結果から相性の良い相手を国が決め、二十二歳までに強制的に結婚させられるのだ。
その制度の目的は、優秀な魔法使いの確保である。
相性の良い魔力を持つ者同士の子供は、優秀な魔法使いに育つといわれているためだ。
百年前の戦争で、この国、フルール王国は隣国ラディカ王国に大敗した。
その原因は、圧倒的な魔法使い不足だと言われている。
そして敗戦の代償として、隣国との境界にあった、魔石などの魔法資源が豊富なミトラ鉱山の一帯を失ったのだ。
その領地を取り戻すため、当時の国王は長い年月をかけてでも魔法使いを増やす計画を立てたのである。
そして、国が定める番の他に、《運命の番》が存在する。
それは国ではなく神が定めた、世界にたった一人だけ存在する相手とされ、運命の番同士は、一目見た瞬間にそれがわかり、強烈に惹かれ合うという。
そしてその運命の番の間に生まれた子は、それはそれは強い魔力を持って生まれるといわれている。
そのため、運命の番と出逢った場合のみ国の番制度は免除となるのだが、世界の人口に対してたった一人しか存在しない運命の相手と出逢うのは至難の業。同じ国に生まれるとも、また、同じ人種であるとも限らない。
そのため、フルール王国のほとんどの者が、国が決めた相手と結婚するのが常であった。
当然、法律が決まった当初は、反発する者も多くいたが、一般市民であっても魔力の相性次第では王族貴族と結婚できる可能性がある、という事実に、皆反論の言葉を呑み込んだのだ。
そして今日もまた、王都の大神殿には、十五歳になった子供が魔力の測定をしに、番が決まったという通知書を手にした者達が己の番に会いに、やって来るのだった。
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