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暴走聖女と魔術学園  作者: 今晩葉ミチル
ブレス王国跡地
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大量の情報源

 地上から悲鳴や怒号、そしてすすり泣く声は止んだ。

 地上の人々は唖然とし、上空で高笑いをあげるローズに視線を集中させていた。

 紙の鳥に乗るローズに注目が集まると、同じく上空にいるフレアたちの存在もバレてしまった。

 紙の鳥を操るイーグルは慌てふためいた。


「ローズ! 今回の目的は偵察だと言っただろ!?」


「分かっておりますわ。ここに大量の情報源がありますの。いろいろ聞き出せば良いのですわ! フラワー・マジック、フォレスト・マーチ」


 大量の情報源とは、地上で唖然としている人々の事だろう。

 ローズが呪文を放つと、地鳴りが起こった。

 次の瞬間に、地面を蹴破るように大量の太い枝が伸びた。

 太い枝は鞭や棒を持った人間を次々と締め上げる。奴隷にされた人々を打ち据えていた監視者たちであった。

 監視者たちは悲鳴をあげた。太い枝は、乱暴に叩いてもビクともしない。松明を投げつけて燃やそうとしても、ごくごく一部が燃え尽きるだけで、新たに太い枝が地面から伸びる。

 多くの監視者たちを太い枝に絡めとった。

 運良く王城に逃げ込んだ監視者もいたが、ローズは得意げに胸を張っていた。


「充分な情報源を確保しましたわ。このうえ奴隷を救えるのです! ああ、なんて素晴らしいのでしょう。自分の才能が恐ろしいですわ!」


「すごいわ! ローズは何でもできるのね」


 フレアは両目を輝かせた。

 一方でクロスはうなっていた。

「建物をいくつか壊したように見えたが、大丈夫か?」

「多少の事なら平気に決まっておりますわ! とにかく降りましょう」

 ローズは高笑いをしながら地上を指差した。

 イーグルはブライトに視線を向ける。

「どう思う?」

「こうなっては隠れて情報を集める事はできません。地上に降りて可能性な限り監視者たちから聞き出すしかないと思います。地上に降りるのは僕がやります」

 ブライトがしっかりとした口調で言うと、イーグルは頷いた。

「分かった。いつも危険に晒してすまんな」

「イーグル先生、俺も降ります。ブライトさんだけでなく、俺も居た方が情報を引き出せるでしょう」

 クロスが口を挟んだ。

「ブライトさんばかり危険に晒したくはありませんし」

「私も行きます! もしも戦いになった時にたぶん役に立てると思います」

 フレアも挙手した。

 ローズは自らの金髪をかきあげる。

「私は当然ですわね」

 クロスは首を横に振った。

「みんなが降りるのはまずい。空から様子を見てくれる人が欲しい。地上に広範囲の罠が仕掛けられていたら全滅する恐れがある」

「そうだね。一旦別れた方がいいね」

 ブライトがウィンクする。

「僕が罠があるか確認したら、クロスと一緒に情報を集めるよ。危険を感じたらすぐにイーグル先生に連絡します」

「分かった。くれぐれも気をつけてくれよ」

 イーグルは言いながら、ブライトの乗る紙の鳥の高度を下げた。紙の鳥は風に煽られながら、ふわりふわりと降りていく。

 ブライトは地上に足を付ける。

 そして程なくして、両手で丸を作った。

 クロスは頷いた。

「大丈夫のようですね。俺も降ろしてください」

 クロスの紙の鳥もどんどん高度を下げていく。

 地上には、ローズの魔術に絡め取られた監視者たちと、救いを求めるように両目を潤ませる奴隷たちがいた。

 羽虫が何匹も飛んでいた。

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