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暴走聖女と魔術学園  作者: 今晩葉ミチル
様々な思惑
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ご馳走

 ブレス王国の跡地で陰謀が動き出そうとしていた。

 ホーリー家もブレス王家の生き残りも殲滅させようという動きだ。

 ホーリー家で育ったブレス王家のフレアは、格好のターゲットだろう。

 そんなフレアは、クロスが住む家でカルボナーラを頬張っていた。

「美味しい〜」

 満面の笑顔で食べ進める。

 お腹が空いていたのもあり、ペロッと食べれてしまった。

 幸せそうなフレアを見ながら、家の主であるマークとベルが満足そうに頷いた。

「よほど頑張ったんだな」

「本当にお疲れ様」

 優しい言葉を掛けられて、フレアの笑顔はさらにほころんだ。

「ありがとう。本当に美味しかったわ」

「そりゃそうだ! 俺はこれからカルボナーラ魔人と呼ばれる男になるからな!」

 マークは得意げに胸を張った。

 ベルはクスクス笑っていた。

「また適当な事を言うんだから」

「夢はデカい方がいいだろ!」

「はいはい、魔人じゃなく立派な料理人になりましょうね」

「それを言われちゃおしまいだ!」

 マークとベルの遠慮のない会話は、フレアの楽しみである。

 仲の良い二人の会話は聞いていて幸せになる。

「元気が出るわ」

「元気が欲しいのなら、この私に頼ってもよろしくてよ!」

 左隣に座るローズが胸を張る。

「姓はクォーツ、名はローズ。どんな時にも前を向く天才美少女魔術師が力になりますわ!」

「……元気なのはいいが、少しは遠慮を覚えてほしい」

 フレアの右隣に座るクロスがボソリと呟いた。

「悪気がないのは分かるが、誘ってもいないのに家に入られるのは抵抗がある」

「あら、この私と一緒にお食事ができましたのよ。光栄に思いなさい!」

 ローズの皿は綺麗に平らげられていた。

 フレアとクロスと一緒に、ストリーム村から帰ってきたついでに、カルボナーラをご馳走になっていたのだ。

 クロスはカルボナーラを食べ終えて、溜め息を吐く。

「……まあ、ローズも残さずに食べたからマシだと考えるべきか」

「おい、クロス! 俺の料理が残されて当たり前のような言いようはやめろ!」

 マークが軽く怒ると、クロスは首を横に振った。

「クォーツ家はワガママな一族だ。まともな行動を取るのが珍しいと聞く」

「あら、クォーツ家は誇り高いのですわ。特別な才能に溢れているからって、やっかみは控えていただきたいですわ」

 ローズが唇を尖らせると、マークとベルは深々と頷いた。

「なるほどな」

「まあ、年頃の女の子だし」

「意味深な頷きはやめてくださる!?」

 ローズが憤慨すると、マークが神妙な面持ちでローズの肩に片手を置いた。

「強く生きろよ」

「なんの話ですの!?」

「言葉はいらない、感じてくれ」

「何も感じませんけど!?」

 マークとローズで、なんとも言えないやり取りをしている間に、クロスの表情が変わった。

 白い護符をポケットから取り出した。以前にブライトがクロスに渡したものだ。護符は光っている。

「呼び出しだ」

 フレアは両目を輝かせた。

「その護符をまだ持っていたのね」

「川に落とさなくて本当に良かった」

 クロスは立ち上がった。


「シェイドの取り調べが始まるのだろう。すぐに行ってくる」


「私もいい?」


 フレアが尋ねると、クロスは視線をそらした。

「取り調べに立ち会うのはいいと思うが、ひどいものを見聞きする可能性はある」

「覚悟はしているわ。シェイドは犯罪組織ドミネーションの幹部だから、取り調べが簡単に終わるはずがないと思う」

「俺からは命令もお願いもできない。好きにしてほしい」

 クロスはマークとベルに向けて一礼した。


「世界警察ワールド・ガードの本拠地に行ってくる。心配せずに待っていてほしい」


 マークとベルは互いに顔を見合わせたが、クロスに微笑みかけた。

「行ってこい! 男なら自分の行動に責任を持て!」

「気をつけてね」

 クロスは頷いて、走って家を出る。

 フレアが続くと、なぜかローズもついてきた。

「この私を置いていく理由などありませんわ!」

「……おまえが行くのはダメだと思う。うるさいから」

「この私の美声が聞けるのだから、感謝なさい!」

 ローズは高笑いをしていた。

 フレアは笑顔を浮かべる。

「あなたがいると頼もしいわ。ありがとう!」

「褒められて悪い気はしませんわね。さぁ行きますわよ! 悪夢の魔術師、そして犯罪組織ドミネーションの全貌を暴くのですわ!」

 ローズが高笑いをあげたまま走るスピードをあげた。

 一気に先頭に躍り出る彼女を、フレアとクロスは慌てて追いかける。

「ローズは張り切っててすごいわ」

「……世界警察ワールド・ガードの邪魔にならなければいいな」

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