地図の作成④ 実際にテクスチャを塗ってみる&スタンプ配置
前回はテクスチャによって地図に地形や気候の情報を乗せられるよ、という話をしておりました。今回は、その実例を示すために、実際に地図を作成・設定に合わせてテクスチャを塗ってみる、というのをやってみましょう。
こちらは、円を円でくりぬいて、Edgeツールで適当に海岸線を作った島の地図です。
とりあえずということで、こんなフレーバーテキストをつけてみることにしました。
雪と氷と険しい山は、その島を封じているのか守っているのか──遥か北の荒海に、不思議な島があるという。欠けた月を海に落としたかのような形状の。島の大半を囲う弧は氷山によってなり、人を寄せ付けない。南部の丸い湾だけが辛うじて開けているが、その部分の海はいっそう深く、怪物が潜んでいるという。高波を逃れて入り込むを船を待ち構える罠だと言う者もいる。だが、島に上陸し、かつ生還する幸運を掴んだ──と自称する──者は語る。取り囲む海と氷山の酷寒とは裏腹に、島の内陸部には瑞々しい草原が広がっていた、と。さらに奥に踏み入ると、咲き乱れる花々のただ中に聳えていたのは、壮麗な城。そこに住まう者のは果たして何者なのか、そもそも住む者がいるのかどうか──確かめるには、次なる幸運な冒険者を待たなければならないだろう。
地図に物語を付与するために、本当にとりあえずで考えたものなので陳腐さに対してはノーコメントでお願いします!! ともあれ、この設定を踏まえてテクスチャを塗ってみた画像がこちらです。
島の外縁を「ice」、その内側を「snow」で塗っています。間はくっきりとし過ぎないよう、適宜白を置いてぼやかしています。三日月の先の部分は、南ということで雪ではなく岩山を想定してダークグレーを置きました。島の内陸部は「Grass(芝)」、さらに中心近くはより瑞々しい雰囲気を出すために「Grass Green」を入れました。城を配置する予定の縞の中心は、お花畑を想定して濃い緑を。さらに、湾の内部を濃い青で塗って「何か潜んでそう」感を演出してみます。
使用ブラシはCircleです。前回言及したように、色の境界が自然にぼやけるのでお勧めです。クリック&ドラッグで塗り潰せますが、ぽんぽんと置く(クリックする)ことで、下の色も透けて見えるというか、重ね塗りのような感じにすることも可能です。
いかがでしょうか。デフォルトのままよりも、地形が感じられる気がしないでしょうか。
さらにさらに、スタンプを置いてより立体的にしてみましょう。
スタンプの使い方については次回以降に詳しく説明する予定ですが、この画像内で使用したスタンプは以下の通り。
・島の外縁にIce Burg(氷山)
・その内側にSnow Mountains(雪山)
・さらにその内側にSnow Hills(雪の丘)……氷→雪で囲まれているのを表現しつつ、隙間は小さめに調整したスタンプや雪の丘で埋める感じですね。
三日月の先部分は、雪はないので
・Rocky Mountains(岩山)、その合間に
・Dead Trees(枯れ木)を配置しました。
内陸部にはパラパラと木と草、そしてお城の周りを花で囲む、という感じですね。おまけとして湾にWater Whirl(渦)を配置してちょっと怖い感じにしてみました。
前回触れた、「先に地形に応じたテクスチャを塗っておくと「浮いた」感じがしない」という点、こうしてみると分かっていただけるんじゃないかなあと思います。デフォルトの薄茶色の上に氷山を置くととても唐突な感じがすると思いますので。逆に、テクスチャを塗った段階では色の境目が目立っていたところも、スタンプを置いてみると案外馴染んでいるんじゃないでしょうか。たぶん……。私のセンスだとこの程度が限界ですが、Inkarnateの使用例を見ると絵画のような「地図」も作成可能なようです(どうやるんでしょうね魔法ですかね)。
先に述べたYoutubeのチュートリアルのほか、掲示板や、SNSでの投稿もあるようですので、それらを参考にしつつ、究めたい方には頑張っていただきたいところです!
次回は、ちょっと順番が前後した感もありますが、スタンプの使い方について説明する予定です。




