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ピンクな夜に囁いて  作者: 楓 海
6/12

康太と里緒

 今回、枝垂れ桜のお蘭様の作品「血風任侠伝 毘沙門天の子守唄」に登場するキャラクター皆上康太くんと一之瀬里緒ちゃんに登場して戴きました。

 読んで戴きましたら倖せでございます。( 〃▽〃)

 暁人が勤めているホストクラブ「ギャラクシー」に一組のカップルがボックスに座っていた。


 男の名前は皆上康太、女は康太の妻一之瀬里緒である。


 暁人の後輩の裕翔(ひろと)が接客に着いていた。


 康太はバーボンを飲み干して言った。


「暁人さんはまだ来てないのかい? 」


 裕翔はバーボンを作りながら答える。


「申し訳ありません

 普段は同伴でも無い限り、この時間には店に居るんですけど、今日は連絡も取れないらしくて·········」


「そうか······」


 ノータイで、黒いワイシャツの襟をはだけさせ白いスーツをラフに着こなした康太は22歳なのだが、歳に似合わない何処か凄味のあるオーラを放っていた。


「どうするよ、里緒? 」


 白いノースリーブのワンピース姿の里緒は、軽く肩を竦め言った。


「とにかくお礼だけは言いたいから、暁人さんには逢って行かないと」


「そうだな·············」


 康太がタバコを咥えると、裕翔はすかさずライターを出し火を点ける。


「済まないがもうしばらく待たせて貰うわあ」


 それは3日前のことだった·········。


 里緒は康太の腕に腕を絡ませて、キャバクラやホストクラブがひしめく歌舞伎町を歩いていた。


 里緒が急に、銀髪ホストのキメ顔の大きな看板の前で立ち止まった。


「どうしたよ、里緒? 」


「あたし一度でいいからホストクラブって処、入って見たかったんだよね」


 里緒は期待を込めた目を康太に向けた。


「おいおい、こうゆう処は女同士で入るもんだろう」


「だってえ、康太の目の届かない処でこんなとこ入ったら、なんだか浮気してるみたいで嫌じゃないのお」


「だからって男同伴で入るってどうよ」


「あたしは嫌だよ、こそこそ隠れるみたいな事は」


 里緒はにっこり微笑んで康太が観念するのを待った。


 康太は根負けして大きなため息を()いた。


「しゃーないなあ、ちょっとだけだからな」


 里緒は康太の腕を逃げられないようにきつく抱き締めるようにして意気揚々と店に入って行った。


 店内は女性向けらしく、あちこちにアンティックドールが飾られ、植物の蔦をデザインした明るい照明と女性が好みそうな淡い色彩を貴重とした絵画も飾られていた。


 二人が入るとボーイが里緒のアルマーニのシェール製のジャケットを脱がし、奥のボックスに案内した。


 テーブルには花の蕾の形をしたスタンドが置かれ薄いピンク色の灯りを広げている。


 里緒がホストファイルを見て指名したのが暁人だった。


「ご指名有り難うございます

 主任を務める暁人といいます」


 暁人の若さで肩書きが付いているのは、ホストクラブでは成績の優秀なホストには役職を付けるシステムがあるからだ。


 康太と里緒、暁人とヘルプの瑠衣の四人はバーボンを飲みながら暫く他愛ない話をしていたが急に店内が騒がしくなりボーイが暁人と瑠衣を呼びに来た。


「すみません、ちよっと席を外します」


 そう言って暁人と瑠衣はグラスのバーボンを飲み干して席を外した。


 スピーカーからホストたちの掛け声が響き渡る。


「いったい何事だったんだい? 」


 戻って来た暁人に康太が問い掛ける。


「シャンパンコールが入ったんですよ」


「シャンパンコール? 」


「高級シャンパンのオーダーが入ると感謝を込めて社員一同でお祝いするんです」


 康太はにやりと笑って言った。


「里緒、俺たちも景気付けようや」


「いいねえ、折角ホストクラブにきたんなら、醍醐味を味わいたいよ」


「よっしゃ、ドン・ペリニヨンいこうか! 」


 思わぬオーダーに暁人は興奮した。


 シャンパンが運ばれると十人のホストたちが康太の卓に集まり掛け声を掛けてシャンパンの封が切られた。


 康太と里緒に称賛の掛け声が掛けられ、拍手と共にシャンパンを煽り、一気に康太たちのボックスは活気づいて、康太は次々とボトルを空けた。


「気に入ったぜ!

 いい飲みっぷりだあ! 」


「康太さんも! 」


 暁人と康太はすつかり意気投合し、手のひらを叩き合った。


 だが、請求書を見て康太はすっかり困ってしまった。


 財布をテーブルに放って康太は言った。


「ちょっとやり過ぎたな

 持ち合わせがたりねえ」


「こまったねえ、あたしもカード入れ忘れて来ちまった」


 その様子を見て暁人は言った。


「掛けでいいですよ」


 康太は慌てて言った。


「そいつはいけねえや

 それじゃあ、あんたに申し訳ねえ

 と言ってもこっちも持ち合わせが無いから払いようがないんだが」


 暁人はどう見てもこの康太と里緒が掛けを放り出すような事をする人間には見えなかった。


「その代わり、またここに飲みに来てボクを指名して下さい」


「本当にそれでいいのかい? 」


「ええ、勿論ですよ」


 康太は暁人の肩を叩いて言った。


「あんた、飲みっぷりもいいが気っ風もいい

 おれぁ、あんたが気に入ったよ」


 そんな事が在って、康太と里緒は今日、きっちり掛けを支払いに来たのだ。


 だが一時間経っても暁人が来ないので後輩の裕翔に言った。


「あの気っ風のいい暁人さんが、黙って仕事バックレるたあ思えねえ

 何かあったんじゃねえのかい」


「僕もそう思います」


 会計を済ませると、店長の(きづき)冬馬がやって来た。


「今日はすみません

 暁人は天然な処はありますが、仕事には真面目な社員です

 こんな事は本当に珍しいんです」


 康太が言った。


「暁人さんが来たら、おれたちが来たこと伝えてくんねえかな」


「ええ、必ず」



 読んで戴き有り難うございます。(*- -)(*_ _)ペコリ


 歌舞伎町のホストクラブってどんな処なのでしょうね。

 全く行ったこと無いので、この回は張ったりの連続でした。(///∇///)

 私が知ってるホストさんはYouTubeでBL動画あげてるホストさんしか、知りません。笑

 ただ、今はドン・ペリニヨンはあまり飲まれて無いみたいですね。

 なんだかのイエローとか、多種の高級酒があるみたいです。

 年に一度、そうした高級酒の金額を競う大会があるお店も在るようです。

 ホストクラブ、あまり行ってみたいとは思わないです。

 それなら、Dexcoreのライヴ行きてーーーえっ❗❗

 身体バラバラになるでしょうけど。笑




 

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― 新着の感想 ―
[一言] ホストが一人飛ぶと、目当ての客の迷惑がかかる。そう思うとホスト業もおいそれとは休めないですし、なかなか大変そうですね…歌舞伎町は割と近くに祖父の家があるのですが、行ったことがないのが悔やまれ…
2023/11/08 20:10 退会済み
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