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五大英雄と殺戮の少年  作者: ぜいろ
第4章 獣の王国と魔導王朝編 ー生きとし生けるものの価値ー
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裏五帝と呼ばれる英傑

裏五帝。彼らの事を知る者は、存外少ない。その理由は単純なもので、多くの人々によって語り継がれ、各地で名を馳せる五大英雄の子孫達とは異なり、時代によって移り変わるそのメンバーを認識している者が少ないのは、自明の事だった。


しかし、その実力が表五帝に劣っているかと言われた時、裏五帝の実力を知る者達は言う。



「裏五帝の実力は、表五帝に並ぶ」






最古より君臨せし竜族の王


新地を求め、時代を追求する探訪者


絶対を司る冷酷なる女傑


武の叡智に辿り着いた才将


人々に崇められる稀代の英雄







現代の裏五帝は、過去を遡っても歴代最強だと言われる面々が集まっていた。


無論十帝会議は、彼らにも参加資格がある。時代の運命を握る者達として。




「随分と辛気臭い顔をした連中が多いな」


国際会議場に足を踏み入れる音。表五帝は既に揃っている。それはつまり、そこに現れた人物が世界の実権を握る1人であり、()()()であることを示していた。



「フェンネル殿、ようこそお越しに」


「来たか、最古の十帝が!」


「……」


「あらあら、今日は()()()()()()なのね」


「やっぱり圧が違うね、竜帝は」


五大英雄の子孫達は各々の反応を見せる。そこに現れたのは、十帝の名を冠する竜王「フェンネル・ドラグーン」。


虹色の光沢を見せ、黒に輝く二本の角。背中から生えた両翼は神々しささえ感じられる。背は低く、全員から見下ろされるようなタッパをしていながらも、内に秘める圧力は国際会議場を覆い尽くすかのような激しいものだった。


「顔ぶれが変わらないというのは平和である証だな。安寧を維持するためにも、十帝の存在は必要不可欠だ」


そう言ってフェンネルは、マギアの左隣に座る。最古の十帝と呼ばれる彼は、十帝会議の度に持ち回りで議長を務める五大英雄の子孫達の相談役として、その隣に座る事が習わしとなっている。


数百年もの間、その知識と強さで十帝の席に居座り続けるフェンネル・ドラグーンに対しては、十帝の誰もが膝をつくのだ。


「前回の十帝会議では()()入れ替わってましたからね。フェンネル様にとってはそれだけで肝を冷やしたということですか?」


風帝トルシェリン・アルファは、正面に座るフェンネルに対してそう尋ねる。


頬杖をつき、足を組んだ余裕を持った状態で、フェンネルは目を閉じる。



「二人は良くやってくれたよ。少なくとも近年は激動の時代だ。彼らの老体に鞭を打ち続けるのは酷なものだ。我は老いるということを知らぬ。しかし、人間はそうも行かんだろう」


「仰る通りです。だから、才知溢れる後継者達を先の十帝の御二方は選ばれたのですね」


「我は()()とは関わりが少ないから良く知らぬが、少なくとも『裁帝』の話は耳にしている」


そう言ってフェンネルは、隣に座るマギアに目を向ける。


「……私は与えられた職務を全うしているだけでございます。少なくとも竜帝様の功績には及びません」


「ふっ、謙虚なのは良い事だが、行き過ぎた奉公精神はいずれ身を滅ぼすぞ」


「ご忠告、痛み入ります。フェンネル様」




フェンネルが国際会議場の場に現れてから、それ以外の者がそこに入ってくる兆しは見えなかった。


「おいおい、いくらなんでも欠席者が多すぎやしねぇか?」


そう言って雷帝ウィリアム・バッバーザードは、いつの間に取り出したのか、葉巻に火をつけて煙をふかしている。


「まあ、『旅帝』は少なくとも来ないかしら。あの子は十帝になってから一度も姿を見せてないものね」


水帝ハピナス・ラハンは困り顔で考え事をしているようだった。


「この大事な場に来ない者を十帝として認め続けるのは、確かに疑問が残るところですが」


「んー、でもさ。『旅帝』って10年前の戦争を止めた民衆の英雄だよね?その実力ならトルシェリン君が一番理解してるはずだよ?」


「……否定はしません。ただ、公的な立場を与えらているのですから、責務は果たすべきです」


「頭固いなぁ、もう」


風帝と光帝はそう言っていがみ合う。二人とも自分の意見を曲げるつもりは無いようだった。







「会議は、始めないのですか?」


その瞬間、その場にいる全員の目がトルシェリンとマギアの間の空いた席に向けられる。そこには、白髪と赤色の眼を持った、神秘的な青年が既に座っていた。


この国際会議場に居るのは、その誰もが世界に多大な影響を及ぼす本物の「強者」ばかり。しかしその誰もが、そこに居る人間の気配にすら、言葉を発されるまで気がつくことが出来なかったのだ。


「隣に、居たのですか……」


「……」


すぐ近くにいながらも存在に気がつけなかったトルシェリンとマギアは、目に見えて動揺していた。しかし、それはあくまでも正常な反応だった。


「武帝殿からの伝言を一つ。東方で()()()()の存在が確認されたということで、彼は今回の十帝会議を見送るとのことです。会議の決定には全面的に従うとの現地も得ています」


そう言ってその青年は、淡々と胸元から書状を取り出す。そこには武帝の署名とともに、彼が言った内容と同じ旨が記されていた。


「そうか、『劉相』殿は来られないのか」


レオはそう言って青年に目を向ける。全員の意識の外から現れたその青年は、前回の十帝会議から新しく十帝を名乗る実力者、「消帝」フィルフ・ドグマであった。


「おいおい、いつから居たんだよドグマぁ!」


ウィリアムは楽しそうに立ち上がり、フィルフの肩に手を乗せる。


「最初からですよ、雷帝殿。存外気が付かれないものですね、加護の力を使っていると」


「まあ、お前のは随分と厄介だからなぁ。本気を出されたら俺らまで探せなくなっちまう」


ウィリアムはフィルフの肩を強く抑える。


「ただし、()()()()()


「そうですか」


フィルフはウィリアムからの挑発を軽く受け流した。彼の目は、その場にいる誰もを見ることがなく、もっと遠くを見ているようだった。






「武帝劉相殿は欠席、旅帝エルクーン殿も恐らく欠席でしょう。つまり、参加者は全員揃ったということです」


炎帝レオ・クラウドは、そう言ってその場の面々に顔を向ける。


「今回の議長は私が務めます。フェンネル様が仰られたように、近年の問題は多岐にわたる。議題は幾らでもありますので、有意義な3日間と致しましょう」



炎帝、水帝、風帝、雷帝、光帝の五人の英雄の子孫達。


そして竜帝、裁帝、消帝の3人の裏五帝達。


彼らによる会議が、ダリア達の旅の裏で幕を開けようとしていた。

皆様こんにちは、こんばんは。作者のぜいろです!


今回の話では五人の裏五帝の内、3人が登場致しました(マギアさんが既に登場していた事はスルーしてください……)!


最古の十帝「竜帝」フェンネル・ドラグーン、絶対を司る女傑「裁帝」マギア、謎の青年「消帝」フィルフ・ドグマの三人、上手く描写を分けることが出来ていたでしょうか?


残りの二人、「武帝」劉相、「旅帝」エルクーンの登場については、物語の序盤には無い予定です……。名前だけの登場という形になってしまいます。申し訳ありません!


しかし、二人の登場シーンは他の十帝よりもかっこよく書く予定ですので、お楽しみに!



さて、今回の話で出た「二人の入れ替わり」についてですが、気になっている方も多いことでしょう。実は、今回の十帝会議の一つ前、つまり三年前に行われた十帝会議では「賢帝」と「剣帝」の二人の十帝がその立場を退き、代わりに「裁帝」と「消帝」の二人が新たに十帝入りしたという過去があります(後々出てきますが、今のところは裏設定です)。


現十帝の就任順序は以下のようになってます!




竜帝

水帝

雷帝

武帝、旅帝

炎帝、光帝、風帝

裁帝、消帝



こんな感じです!水帝様、以外と前から就任されてるんですね……。まあ見た目は子供頭脳は大人ということで……。




こんな感じで十帝の説明に関しては終わりたいと思います!次回は五大帝国についての説明を少し付け加えさせて頂きたいと思います!




それでは、ぜひぜひいいね、ブクマ、感想、評価等、宜しければお願い致します!



作者のぜいろでした!

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