表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
五大英雄と殺戮の少年  作者: ぜいろ
第2章 霧の王国編 ー霧龍の民と自我無き神獣ー
37/138

魔獣討伐作戦 -3 もう一つの対峙

ーノエル、モンロー組ー


「ノエル様のお話はミスティアまで聞こえていますよ。共に戦地へと赴けて光栄です!」


カイと同じく、ミスティア王国兵士長補佐の1人であるモンローは、同じ組となったノエルへと話しかけていた。


「私は自分の正義に従っているだけだ。人助けをしているつもりは無い」


モンローに対して、ノエルはあくまでも冷静に返す。モンローもノエルと同じように真面目な性格だが、『大戦の英雄』と呼ばれるノエルを前に、心の中は穏やかではなかった。



(……すげぇ!目の前に本物のノエル・ジャガーさんがいる……!俺、この仕事やってて良かったぁ!)



「一緒に来ていた聖騎士の方々は、いつも任務を共にされてるんですか?」


「……」


ノエルは無視をしたつもりではなかったが、そう解釈してしまったモンローは少しだけ傷ついた。



「フレンツ、女の方の聖騎士は、彼女が西方聖騎士団に入った時から私の部下としてよく働いてくれている。ただガゼル、フードを被った聖騎士は、正直私もその素性をよく知らない」


「え、そうなんですか?」


「ガゼルが西方聖騎士団に所属となったのはつい最近の事だ。元々は世界連邦の諜報員として働いていたという風にしか、私も聞いてない」



ノエルは淡々とそう話したが、世界連邦の諜報員という言葉にモンローは驚きを隠せない。



「諜報員って言ったら、世界連邦の中でも選りすぐりのエリートじゃないですか!」


「そう……らしいな。ただ、私はそういった事柄にてんで興味が無いのでね。詮索するなら自由にしてくれ」



ノエルの表情は少しも動いていなかった。ガゼルに対する信頼のためか、自分の実力に自信があるのか、どちらにせよノエルはガゼルのことをシスタナシア程よく思ってはいないようだ。



「それにしてもここら辺、随分と荒れてますね……」


モンローが見つめる先には、既に誰かが通ったかのような跡があった。何故それが分かったのかは、地面に散らばっている(むご)い魔物の死骸を見れば一目瞭然だった。


「魔物の死骸にわざと塗りつけたような気配を感じる。余程戦闘が好きらしいな」


ノエルは転がっている死体には目もくれずに、ただ真っ直ぐと道無き道を歩いている。


「ノエル様には敵の正体がお分かりですか……?」


その光景を不思議に思ったモンローは、つい口に出してしまった。ノエルは突然立ち止まり、剣を抜いた。



(ヤバい……!俺なんかやらかしたか!?)


モンローは額に冷や汗を浮かべて、ノエルの動向を伺う。その刹那、ノエルは剣を振り抜き、()()()()()()



ゴトッ。




「……っ!」


ノエルが切りつけ、地面に落ちた物は、現ミスティア国王、()()()()()()()()()()()の頭部だった。


「悪趣味が過ぎるようだな、下衆め」



目の前の事態を受け入れられないモンローを置いて、ノエルは国王の頭部を投げつけた者の存在をはっきりと目に捉えていた。





「あれぇ?君が僕の相手かぁ」



ドロは、そこに立っていた。嬉々として王妃であるペトラ・リーシュタッドの頭部を踏みつけるその姿は、まさに厄災そのものだった。



「おかしいなぁ、僕は褐色の剣士に会いに来たってのに……。でも、君が一番強いってことで合ってるって事だよね?」


ドロはペトラ王妃の頭を踏みつけ、ニタリと笑った。地面には鮮血が飛び散り、じんわりと地面に血が染み込んでいく。



「貴様の矜恃に付き合っている暇はない」



ノエルは剣を構え、ドロに対峙する。



「正義を、執行する」


その瞬間、ノエルの周囲の物全てが鳴動した。






ーシン、ガゼル組ー


「……」


「……」


元々口数が多い訳では無い二人である。ペアを組まれた時からお互いに察してはいたが、二人きりでは話が続かないどころか言葉を発しない。



「なんか話せよっ!」



口を開いたのは、ガゼルのフードの近くから顔を出した、生物の様な何かだった。よく見ると、間抜けな鳥のような顔をしている。


「……なんだお前」


「お前とは失礼な奴だな!俺は賢鳥と名高いシーフ・バード様だぞ!」


ガゼルのフードの中に体を隠していた鳥のような生物は、そこから出てシンの目の前で滞空している。



「いいか?ガゼルは人見知りなんだよ!だからお前が話を振らなきゃ何も喋らないだろうが!」


顔を赤らめてシンに説教するその鳥は、賢鳥という名前には似つかわしくない態度と理論だった。


「いや、話すことなんかないだろ……」


シンは冷静を装ってそう返すが、シーフ・バードは納得しないようだ。



「あるだろ!天下の聖騎士様だぞ!まあ、元々は違うけど……。ともかく、だ。お前みたいな貧相な身なりをしてる奴とは身分が違うんだよ!弁えろ!」


「はぁ?俺のどこが貧相だってんだよこのアホ面鳥がよ!テメェの躾どうなってんだ!」


シンはガゼルの方を向いたが、ガゼルは一呼吸置いてから言った。



「喧嘩は……良くない」



「お前が原因でこうなってるんだろ!」


シンの沸点は最高に達したのか、ガゼルに対して物凄い剣幕で迫るが、ガゼルはそれに沈黙をもって返した。


「まあ魔獣と戦う時になったら分かるさ。ガゼルの方がお前より強いってことはな!」


「へぇ、言うじゃねえかアホ面鳥。なら俺が魔獣にトドメをさしたらお前は焼き鳥行きだな」



「シーフ・バードは……美味しくない」



(そういう問題じゃねえだろ!)



シンは思い切り突っ込みたくなる気持ちをグッと堪え、再び歩き始める。



「いいかアホ面鳥にフードの聖騎士。お前達が準筆頭騎士様かなんだか知らねえけどな、戦いになったら俺の方が上だ。それを証明してやるよ」


「威勢だけは良いみたいだね。弱い犬ほどよく吠えるってやつか」



シンとシーフ・バードは互いを罵倒し続け、ガゼルはそれを止められずにいた。





「何、仲間割れでもしてるの?」


その時、前方に立っている何かがシンとガゼルには見えた。その姿は子供であり、とても魔獣には思えない。



「あ、今油断したでしょ」




その時、シンとガゼルの足元から突如鋭利な姿へと変わった地面が胸の辺りを狙って突き出てきた。


「うぉっ!」


「……っ!」



二人はそれをギリギリのところで躱し、先程の少年に目をやる。



「みんな僕のことを子供だからって馬鹿にするんだ」


シンとガゼルは気合いを入れ直した。目の前にいる子供の姿をしたそれは、放つ気配が変わった。紛れもない魔獣である。



「だからみんな殺してやったのさ!最期の顔は僕にビビって可哀想だったなぁ!」



子供の姿をした魔獣は地面を手を触れずに持ち上げ、その上に座り込んだ。



「僕はイギー。ここに居ると退屈で仕方なくてさ。僕の相手、してくれる?」


悪態をつくイギー相手に、シンとガゼルは武器を構えた。



「望むところだ、クソガキ」



シンの目は、青色と赤色に輝いた。

作者のぜいろです!



次の話から、魔獣討伐作戦の本筋へと入っていきます!

予定としては、


レイポスvsフィスタ、シスタナシア

イギーvsシン、ガゼル

ドロvsノエル、モンロー

ファワンシーvsダリア、カイ


となっていく手筈です!




是非、これからの霧の王国編のお話にご期待ください!


いいね、ブクマ、感想等お待ちしております!


ぜいろでした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ