A little
下らぬ小説ではありますが、ご一読いただければ幸いです。
そこはとある『駅』
暗闇に包まれながらも、さまざまな、シンプルな色の文字が飛び交っている。
しかし次第に収束しつつもある。
その『文字』の中には、『会話』のいちぶであるかのやうな『文字』なども混ざっている。
ひめいもあった。
「あんぎゃー!!!!!」
「円周率」
「3.1415926535897932384626433832795028841971693993…。」
「3.1415。」
「だめだめ、それじゃ通してあげられない。」
「帰りたいんだよー…。えーっと。えーっと…3.141592653589793238462...。どう?」
「だめだめ。」
「なんでだよー…。3.14159265358979…ううう…。」
「それじゃ通してあげられない。」
「3.141592653589793238462643383279…。どう?」
「大して違わないじゃない!ほら、頑張って!」
「3.14159265358979323846264338327950…。」
暗闇が、光に変わり、夜が明けたかのようであった。
「よ…夜が…なくなる…。」
ボコッと音がして、鉄道のホームの下のコンクリート部分に空洞ができた。
「ホントはちょっと違うんだけど…。」
「…。」
ふたたび円周率を数える声が聞こえだした。
「3.14159265358979323846264338327950288419716939937510…。」
「だめだめ。」
「3.141592653589793238462643383279502884197169399375105820…。」
「それもだめ。」
「3.14159265358979323846264338327950288419716939937510582097494459…ふぅ…。」
「ふう…。じゃなくて!」
3.141592653589793238462643383279502884197169399375105820974944592307...くっそう…『作者』の限界かー…。」
ご愛読ありがとうございます。
ことそばらすか。