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(^ω^)【ようです】のようです

(^ω^)【シベリアまでマンモスの写真を撮りに行くロケ】のようです

作者: 日曜日夕

(^ω^)「この道を行けばどうなるものか」



(^ω^)「危ぶむなかれ」



(^ω^)「危ぶめば道はなし」



  ('A`)「いや、どこにも道なんてねぇよ。猛吹雪だぞ」



(・∀・)「ねぇ俺、明後日法事なんだけど」



【物語の始まりは、今から数十時間前に遡るッ!】



挿絵(By みてみん)





【都内某所】



(^ω^)「趣味はサウナです」



  ('A`)「趣味は岩盤浴です」



(・∀・)「ロウリュウ後の水風呂がたまんねぇんだコレが」



(・∀・)「温度差で脳の血管がキュッてなって、快楽物資ドバドバですよ」



(スタッフ)「そうですか。じゃあ飛行機乗りましょうか」



(^ω^)「え?てか、これどこに向かうの?」



(スタッフ)「シベリアです」



(^ω^)「へぇ~。何すんの?寒中水泳?」



(スタッフ)「マンモス探しに行ってもらいます」



(^ω^)「マンモスなんているわけないじゃん。絶滅してるし」



(スタッフ)「いや、分からないじゃないですか」



(スタッフ)「その目で見たんですか?」



(^ω^)「いや、見たことはないけど……」



(スタッフ)「じゃあ、その目で確かめて証明してくださいね」



(^ω^)「はい……」



  ('A`)「悪魔か」



(・∀・)「つーか、シベリアってこの時期吹雪いてるけど大丈夫なの?」

     (※ロケ当日は12月)



(スタッフ)「温度差が好きなんでしょ?」



(・∀・)「お前の脳みそキュッてしてやろうか」





【未だ都内というのに、ロケ隊に忍び寄る冬将軍の魔の手ッ!】



【探検隊クルーの心が、凍えていく……ッ!】





(^ω^)「そんなわけで、シベリアのト・アール空港ですが」



  ('A`)「空港からしてなんもねぇな」



(・∀・)「これからどこに向かえばいいの?」



(スタッフ)「これがマンモスの目撃地の地図です」



(・∀・)「ふーん。で?」



  ('A`)「現地スタッフとかは?」



(スタッフ)「予算の都合上、ガイド無しです。頑張って下さい」



(^ω^)「俺達を殺したいの?」



  ('A`)「カメラ回ってるから」



(^ω^)「プロデューサー日本帰ったら覚えとけよ?」



(スタッフ)「じゃあ、僕たちはホテルで待ってるんで」



  ('A`)「あれ?来ないんですか?」



(^ω^)「芸人だけにロケを任すと、取れ高低いですよ」



(スタッフ)「いや、まだ死にたくないんで」



(・∀・)「人の血流れてないだろお前ら」




挿絵(By みてみん)




(^ω^)「だからマンモスなんて居ないっつったべやッ!!」



(・∀・)「最初から分かってんだよ。そんなこと」



  ('A`)「今は、この吹雪の中、生還する事が先だ」



(・∀・)「こんなところに洞窟があって助かったな」



  ('A`)「幸い、日本からキャンプ用品持ってきてて助かった……」



(・∀・)「俺が持ってきた食糧もまだ十分あるし。焦る時間じゃないか」



(^ω^)「じゃあ、みんなでモノポリーやろうぜ。家から持ってきたんだ」



  ('A`)「友達ん家で飲んでるんじゃねぇんだぞ今は」



(^ω^)「今、俺ウォッカ飲んでるし、実質飲みでしょ」



(・∀・)「洞窟飲み会ってなんだかワクワクするね」



  ('A`)「たしかに、ランタンの明かりと非日常感……映えるな……」



(^ω^)「だっしょー?」



  ('A`)「じゃねぇよッ!なんでそんなもん飲んでんだよ!どこにあった!?」



(・∀・)「ちょっと奥の方に、ウォッカの瓶が何本も転がってたよ」



  ('A`)「だから何でだよ!?」



(^ω^)「人でも住んでんじゃないのー?」



  ('A`)「馬鹿!住んでるわけないだろ、こんな所に!」



(゜Д゜)「おい、お前ら人ん家でなにしてんだ」



(・∀・)「あ、ここの人でしたかーッ!」



(^ω^)「ちょっとお酒借りてまーす!」



(゜Д゜)「あっ!お前ら、俺が冷やしといた酒飲んじまったのか!?」



(^ω^)「大丈夫っす。めっちゃ残ってます」



(・∀・)「ウォッカなんてそんなグビグビ飲めないし」



(゜Д゜)「なんだ。よかったー。飲んでもいいけど、先に言えよな」



(^ω^)「ごめんて」



(・∀・)「代わりにつまみなら何個かあるけど……要る?」



(゜Д゜)「お、サンキュー……うっま!なにこれ?」



(・∀・)「チータラ」



  ('A`)「おい、馬鹿、お前ら」



(・∀・)「ん?」



(゜Д゜)「あ?」



(^ω^)「何?」



  ('A`)「良かった。馬鹿の自覚はあったんだな」



(゜Д゜)「いや、自己紹介かと」



  ('A`)「ぶっ飛ばすぞ。体毛繁茂筋肉ロン毛野郎」



(^ω^)「つか、おっさん"人ん家"とか言ってたけど、なんでこんなところに住んでんの?」



(゜Д゜)「そりゃ先祖代々ここに住んでるからな。お前らの町にも居るだろ。そういう奴ら」



  ('A`)「あー……いるいる」



(・∀・)「あ、ねぇ。おっさん。この辺りでマンモス見なかった?」



(゜Д゜)「あん?マンモス?ハナコのことか?」



  ('A`)「ハナコ?」



(゜Д゜)「俺のペットだよ。見たいか?」



(・∀・)「是非!!」



(^ω^)「見たいっす!!」



  ('A`)「これで帰れるッ!!」



(゜Д゜)「じゃあ、ちょっと着いてこい」







  ('A`)「へぇ~洞窟の奥にこんな広い空間があるなんてなー」



(゜Д゜)「そして、これがマンモスのハナコだ」



(ハナコ)パオーン



(・∀・)「はぇ~……」



(^ω^)「マジででっけぇな~」



  ('A`)「すっげー」



(゜Д゜)「リアクション薄いな」



(^ω^)「動物園とか、大体こんなテンションでしょ」



(゜Д゜)「お前芸人だろ」



(・∀・)「ん?」



  ('A`)「あれ?なんでおっさん、俺達が芸人だって知ってんの?」



(゜Д゜)「テレビで見たことあるし……」



(^ω^)「え?ここテレビあんのッ!?」



(゜Д゜)「あたりまえだろ。人が住んでんだぞ」



(・∀・)「日本じゃ、もう当たり前じゃないんですよ」



(゜Д゜)「というより、ここにお前らを呼んだの。俺だ」



(・∀・)「は?」



(^ω^)「な?」



  ('A`)「こ?」



(゜Д゜)「先月、お前らの旅行番組見てな~、そしたら、ハナコがえらい喜んでな~」



(゜Д゜)「手紙出したんだよ。マンモスのハナコが会いたがってるから来てくれませんかって」



(・∀・)「……まじかよ」



(゜Д゜)「おーい。ハナコ~芸人さん達来てくれたぞ~」



(ハナコ)パオーン



(゜Д゜)「おお、喜んどる喜んどる」



  ('A`)「これは、喜んでんのか?」



(^ω^)「まぁ……長い鼻おっ立ててるし、悦んでるということで……」





(ハナコ)パオーン



(゜Д゜)「はっはっは。よーしよーし」





(^ω^)「おっさんも喜んでるし、いいんじゃない?」



(・∀・)「つか、これってもうロケ終わりでいいんだよな?」



  ('A`)「おう。カメラにもバッチリだ。頃合いを見て帰るぞ」



(^ω^)「……どうやって?」



  ('A`)「あ」



(゜Д゜)「あんたら、今日はもう遅いで、泊まっていきゃー」



(・∀・)「え?いいんですかッ!?」



(゜Д゜)「そりゃもう。招待したのは俺だし」



(ハナコ)パオーン



(゜Д゜)「ハナコもこう言っとるし」



(^ω^)「象はしゃべりませんよ」



  ('A`)「象じゃなくてマンモスだよ」



(・∀・)「ツッコむ所そこじゃねぇだろ」



  ('A`)「ところで、僕たち帰り道分からないんですけど……」



(゜Д゜)「ああ、車出したるでええよ別に」



(^ω^)「え?おっさんの家、車あんのッ!?」



(゜Д゜)「あたりまえだろ。人が住んでんだぞ」



(・∀・)「日本じゃ、もう当たり前じゃないんですよ」



(^ω^)「つーか車あるなら空港まで迎えに来い……」



  ('A`)「お気遣い感謝しますッ!!」



(・∀・)「よろしくおねがいしますッ!!」



(゜Д゜)「おう。じゃ、今日はもう寝るべ?」



(^ω^)「え~せっかく泊まるのに、もう寝るの?」



  ('A`)「は?」



(^ω^)「モノポリーやろうぜ!4人揃ったし!!」



  ('A`)「いや、おっさんモノポリーなんて知らねぇだろ」



(゜Д゜)「懐かしいな!!やるか!!」



  ('A`)「やんのかい!」



(゜Д゜)「じゃ、酒とツマミ用意するから、セットしといて」



(^ω^)「おっけ」



(・∀・)「あ、僕手伝いますよ」



(゜Д゜)「お、すまんな。客人なのに」



(・∀・)「いえいえ。それにしても、足、大きいですね。体も大きいけど」



(゜Д゜)「ああコレ?家族みんなこうなんだよ」



(・∀・)「へぇ~そうなんですか。」



(゜Д゜)「おかげで、よくアクセルとブレーキ踏み間違えるんだけどな?」



(・∀・)「明日の運転、僕が代わります。いや、代えさせて下さいお願いします」



(゜Д゜)「え?」



(ハナコ)パオーン




  ('A`)「……」



  ('A`)「……もう探検じゃなくね?」






【極寒のシベリアッ!!】



【しかし、戦友と酒を交わせば、寒さなぞ吹き飛ぶのだッ!!】



【探検隊クルーの心が、暖かくなった一日だった……ッ!】






(スタッフ)「今回の探検はどうでしたか?」



(・∀・)「そうですね……カス、というのが正直な感想でしょうか」



  ('A`)「途中から、もう探検じゃなくて人ん家泊まってるだけでしたけどね」



(^ω^)「ねぇ、ここの土産屋、マトリョーシカしか置いてないんだけど」



(スタッフ)「まぁ。マンモスが撮れたんなら、それでいいですよ」



(スタッフ)「専門家に高く売れます」



  ('A`)「ほんと、ド外道だなお前ら」



(スタッフ)「じゃ、次はサバンナですね」




(^ω^)「は?」




  ('A`)「は?」




(・∀・)「は?」



挿絵(By みてみん)

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