LIFE -prologue-
どうも!開いて読んでみようと思った方!
初めましての方は初めまして、そうでない方もありがとうございます。
工藤将太です!今回は本人としては久々の短編小説となります。
舞台はそう遠くない未来の話なのですが時代設定的に未来と言っても今の文明ほど
高度になっていないのでキーワードには抜いています。
それはさておき、今回のこの作品は好評だったら
《次回作をやるor短編小説でこれの続きを出す》といったように展開していこうと思います。
なので続きが読みたい!となった方は感想等にお書きください。
またアクセス数で見るのもあるのでそちらも参考に。
ではではどうぞご覧ください~!!!!
2018.10.29 指摘を頂き改稿しました!少し読みやすく改変+追加エピソードを。
遥か昔、世界は草原に包まれそれを青い空が覆って所々に白い雲が舞っていた。
今を思えば良い景色だと思う。
でもそれを人間は―――当人の良いモノへと変えようと努力した。
成功したり失敗したりして、草原が冷たさを感じるアスファルトや
青い空が濁った灰色の空に変えて、
それでも人間は人種こそ違えどよく考えたしよく働いたしよく学んでいく。
天候や災害に遭おうともその信念は曲げずに、そのときの人達は良くも悪くも事を為した。
組織を作り、規則を作り、そうして作った規則の中で生きていく。
そして組織を作った人間らは対立しやってはならないことをする。
怒ったり規則を元に罰してもそれが終わることはない。
逆にまた次に起こっても良いようにわざとらしく同じことを犯す。
過去の失敗はそのときの失敗であり今に繋がる失敗ではない……と何度過ちを犯したのか。
到底今の僕らは知る由も無いだろう。
―――それでも世界は美しかった。
人間は生きて様々な過程のなか死んでいく。
世界には色んな他人がいて自身がいる。
他人との縁は複雑に絡んで転倒させてしまうことや、転倒させることだってある。
みんながみんな同じではないから、だから嫌なモノだとしてそうさせてしまうんだ。
でも世界は変わらない。平常運転でそこにあり続けるだけ……。
そこにあるだけで無干渉なのだから非情なんて言う感情はつけられないんだ。
だからこそ世界は残酷であり、美しい。
残酷な牙は誰にでも向くしそれがどういう過程で、
結果であろうともきっと最後には良くなるんだ。
今僕はそのことを想ってこの手記にそう記している。
ただ今の言語が君たちに読める言語は分からない。
もう幾年月か過ぎたから昔と今とこれを呼んでいる未来の君が読めるかは謎だから。
……話を戻そう。
僕の名前はメラン。
この世界で残ってしまった人類のその子孫だ。
昔は苗字名前なんてあったらしいけれど残ってるのは
そういうことが書かれた文献だけで今はない。
さて、今の世界だけれど……今の世界はとても美しいと呼べる世界ではない。
草木は僅かで光もなければ大地は枯れ果てている。
天井は土……空なんて目指したいのも山々だけれど外は文字通りの地獄だ。
僕たちが生まれるよりも前、最近と呼べるか分からないけれど世界にソレはやってきた。
身体中が輝くような白い鋼鉄に包み込まれた生命体。
それら全て一貫して骸のような顔があったことでソレの名前は”骸機”と呼ばれた。
骸機は次々と文明を欲した。
最初は人間たちにやけに従順で制御下にあったらしい。
骸機は人間たちに自分たちのことについて教える代わりに、
文明や情報といったものを欲しがった。
そしてある日、一匹の骸機が”ある情報”を欲しがった。
そのある情報に関して何なのかはどの文献にも
残ってないから分からないんだけれど……
でもそれはその人間には上手く言えないものらしくて
拒みはしなかったが分からないと言ったという。
するとその骸機はその”分からない”についてを知りたがり
その時までに知っていた情報を使って人間たちを襲い始めた。
どうしてそこで人間たちを襲ったのかは分からない。
だけれど有力な一節として
”何か悪いところがあればそこの部分を食せば治る”
という同物同治を真似した、というのが考えられているらしい。
だがそれがきっかけで骸機との戦いが始まってしまったのは言うまでもないだろう。
殺された、という事実を知った人間はそれが脅威になることを知った。
同時に骸機は殺したということと、どうして殺したのかとその解決策を知る。
そして分からない部分を補うためには人間の脳の部分を
捕食すれば情報を読み取ることができる、という解釈が骸機のなかで広まった。
だから分からないを埋めるために骸機は―――
その後争いがやがて戦いへと変わるも、あっという間に
世界の人間のそのほとんどが死んで今はこうして土の中でひっそりと暮らしている。
あとは骸機に食われるのを、死を待つだけ
……ってここまでが世界が変なモノになった話。
でも悪いことだけが起きたんじゃない。
じゃないとこの物語を記している僕がここにいられるわけないから。
僕たちと先ほどまでに言っていた通り、僕を含め一部の人間は骸機に対抗する手段を得た。
それが、機命装置―――通称、《LIFE》だ。
骸機とまだ交友関係にあったころ人間たちは骸機のシステムや構造を解析し、
その後起きた争いのなかで討ち落とすことができた
骸機を使って研究を進めることに成功。
そうしてできたのが命をそのまま機命装置として武器に変えるというモノ、
言い換えれば自分の命を武器に変えるシステムだ。
唯一骸機に対抗できるものの、しかしこれを使うための
適合試験と呼ばれる実験においていくつかのことが分かっている。
一つ、ほとんどの成功確率の割合が性別の、また一方に偏りがあるということ
一つ、研究が進んだ今でもそれは変わらず1:99、
もしくは1の数字がそれより低く男子の割合が非常に低いということ
一つ、機命者は命を武器に変えるために主に”寿命”を減らして戦うこと
さて、先ほど僕と言ったが何も一部の女の子が言う”僕っ娘”ではない。
正真正銘、メラン(ぼく)は男であり10年ぶりの男子の適合者だ。
この物語の序盤を彩るのはこの僕のまだ堕ちる前の話である。
・
『現在、獅子型種の大型骸機が接近中。
警戒区域を横断し東地区へと向かっている。
機命者は至急現場へ急行せよ』
「大型で地上戦かぁ……パッとしないなぁ」
「そう?あなただけかもよ?メラン」
「ユキは気楽で良いねぇ……僕は正直空中戦向きだからさ?
飛行型とか楽でいいんだけどなぁ」
現場へと急行とは言ったものの既に現場へと待機していたために
僕、メランと同僚のユキはそう吐露した。
ユキとの仲は幼馴染……ではなく同期という間柄である。
とは言ってもユキはあまり寡黙な方だからどう思っているかは分からない。
そして今は現場と言っても丘の上のような場所で待機している。
丘の下、そこがいわゆる戦場となる予定の場所だ。
と……横のユキを見る。
ユキは黒髪のおさげの女の子だ。
年齢は確か13か14だっけ。僕の4個下で身長が低い。
僕と比べれば僕のお腹辺りに彼女の頭が当たるだろう。
と……ユキは黒髪を後ろに束ねてまとめると黒いフードを被った。
「あれ、どうせ取れるし外したら?」
メランは茶色がかった瞳を大きく見開いて言うと
少し目つきの悪い紺色の瞳が睨みを聞かせてこちらを見やる。
「恰好がつかない。メラン、あなたもいつもの古風の巻き方でもしたら?」
古風とはなんとも度し難い。
だがその通りだから何も言えないのはしょうがないか。
メランの髪は中途半端に伸ばした状態の白よりの黒髪でいつも
西部劇風にマフラーを巻いてハットを被っている。
だがマフラーをハットは灰色のために古風と呼ばれているのだ。
「そういやユキ、また功績を挙げたって?
凄いじゃないか。年齢によらず尊敬に値するよ」
「尊敬するのは良いけれどあなたはどうなの?」
お世辞もいらないクールなままのユキにメランははははと笑いながら呟く。
「僕は実技はそこまでじゃないからね。
ユキのように長期戦向きじゃないからちょっと苦労するよ。
手柄を立てようにも功績を挙げようにもその証拠がないことがしばしばあるからね。」
「まぁ他の子に譲ってるからでしょ?
じゃないと生活資金がどうのーって言う子がいるだろうし。
本当にモテるわよねーあなたは」
最初からモテるためにやってる行為だろ?という目線を向けられるメラン。
だが当の本人はお人好しの性格のためかユキのそんな一言には
心が別の意味で痛くなっている。
主にモテるという意味が恋愛という指摘が突き刺さっていた。
話を変えるためにメランは黒コートに黒フード、と
黒一色に染めながらも装備面を着こなしても分かる姿の話題をぶつける。
「にっ、にしてもさユキって結構痩せてるよね……!
ちゃんとご飯たべt―――ごふっ」
ユキの拳がメランの鳩尾にめり込む。
どうやら失敗だったようだ。
「貧相な身体で悪かったわね。
あんたもそう言う割に筋肉ついていないようだけど?」
「ぼっ、僕は足だけ!足だけ鍛えてるから!
いっつも走れるようにね!」
と言ってカウボーイ風の黒茶色の装備をユキに見せるように立つメラン。
先ほどの攻撃が痛いのか身を震わせてはいるものの、その身体はするりと長いものの
足の方が重点的にがっしりとした印象を与えた。
だがユキはへぇ……と言うだけで目に光がない。
メランはまた話題を変えねば、と思っているとそこにひゅうっと風の音が聞こえた。
何かが滑空し突き進むかのような音である。
それに話題を変えるようにメランは呟いた。
「まっ、まぁ!ささ!もうそろ見えてくる頃だし展開するとしよう!」
「……まぁ、良いわ。」
ユキの冷たい眼差しに耐えながらメランとユキは
自分の命に合うようなポーズを取りながら呟く。
「「―――”LIFE”!!」」
メランは後ろで構えるポーズを取り一瞬胸が空っぽになった
虚無感を感じながら手に確かな冷たく、だが微かに温もりを感じる棒状の命を持つ。
棒の先は三日月型の鎌となりその鎌の厚さと刀身部分はかなり太く、
やや粗く使っても折れることが無いように感じられた。
次にユキの方は目の前で両手を何かを掴むようにして前に握る形を取っている。
するとその中に棒状のものが上下から赤く光り輝く発光体が伸び出、
そして発光が終わるとそれは一見棍棒のような命へと変化した。
棒の中心には三角の形の装飾が飾られており、その装飾自体何かしらの刃になっている。
言い忘れていたが機命者の命はほとんどが赤色を発しているものが多い。
これは元の身体を構成する赤血球が由来しているとかなんとか
……取り敢えずパッと見た時にそれが命であると分かるようになっている。
「……ユキの命って確か変形型か?」
「よく勉強しているのね、努力家さん」
嫌味のように呟くがこれが本人のスタイルだから問題はない、
とメランは考えながらそれを見やる。
ユキの命は新生の変形型と呼ばれているものだった。
形状が2タイプに変化する新生の命は機命の適合試験へと受かり、
その中で適合率が高い者のみ扱えるというもので
ユキの命は斧と弓がくっついている。
納刀時には弓として使え、変形して斧といて殴り相手を仕留めていく。
かなり重量はあるもののかなり強く短期戦向きなのだが、
本人が長期戦慣れしているのもあってそれを使用して
極度に疲弊しているのは見たことがない。
「―――ほら、ぼーっとしないで。
音が近づいてる。来るわ。」
「おっけー!耳も良いと来たもんだ。本当に尊敬するよ、ユキ。
さぁぱっぱと骸機を倒すとしよう!」
と言ってメランとユキは丘の下へと身軽に降り立ち光が届かない丘の上より、
更に灯りの少ない戦場へと足を踏み出した。
こちらに向かってくるドスンドスンという足音にユキは
弓型の命を構え打ち放つと、
当たったのか劈く悲鳴のような声と金属が擦れ合う音が鳴り響く。
命中し相手がダメージを受けた証拠である。
するとユキは斧へと命を変えると小さく行くよと呟き前へと走っていく。
メランもすかさず走り見えてきた骸機の後ろ手に回って足に対して
鎌の命を打ち込むも金属と金属が当たり反響するような音が
手に足に鼓膜にダイレクトにヒットし一瞬立ち眩むが、
ぐに立て直し足の節に当てると中の肉の部分に当たったのか
悲鳴を上げて骸顔の赤い目をメランに対して光らせた。
「やべっ」
「―――メラン、そのまま―――ふんっ……!!!」
メランの方向に骸機が向くとその隙をついて
ユキが斧で獅子型の骸機の尾を斬り落とす。
斬り落としたところから骸機の血である青い血がひゅうっと
大地を飛沫が落ちたように染め上げた。
そしてその青い血は熱いのか落ちたところから煙を上げている。
それを見ながらユキは構わずに重みのある攻撃を食らわせ、
獅子型の骸機は泣くように咆哮しユキとメランを振りほどきあらぬ方向へと走り出した。
その先に何もないはず、とユキはもう一度逃げる骸機に対して弓へと変形させ放つ。
矢は命中するが気付かずに骸機はその先にあった柱に直撃すると
何かが外れる音ともにそのまま上空へと羽ばたいた。
その光景に思わずユキも驚き弓も構えずにその場に立ち尽くした。
今まで陸上型の骸機が空に飛ぶということがなかったためである。
だがそれを見て何があったのかとメランは考察をすぐさま重ねた。
ふと、先ほど当たった柱を見つめるとそこには
何かを留めてあったかのようなストッパーが見える。
そうして当たった部分が丁度こちらに突撃したときに、
肩に嵌めてあったあるパーツを思い出した。
すぐさまメランはそれが骸機自身がしまっていた
羽なのではないか?と根拠づけすぐさまユキに呟く。
「ユキ、君は下から注意を逸らしてくれ。
多分アイツはずっとしまっていた羽を使ってる。
でもずっと使ってなかった部分ってすぐに使えるとは思えないんだ。」
「えっ……根拠は?」
「根拠は今ヤツがあの飛び立った場所でずっと留まってる部分だよ。
あとそこにストッパーみたいなのがあったからそれが関係してるのかも。
あー、あとはそうだな。ずっと陸上型だったていうのもあったし、
そこからパーツを外して飛び立ったということは
それだけ切羽詰まってるんじゃないかな?」
根拠と対処の提案をするとユキは納得し弓を構える。
(……本当、努力家よねメラン―――)
「―――じゃあ上に上がって。
上がり方は任せるけど一応注意を向けさせないことに気を付けて」
少し目を細めて考えながらユキは何本か矢を上空に待機する骸機へと打ち込むと
その方向へ急降下し、骸機はユキを襲う。
ユキは構わずそれを身軽に避けると弓を斧に変形させて
急降下してきた骸機に対して打ち下そうと振り下ろした。
だが相手にとってはそれが予想済みなのかまたしても上空に上がっていく。
そしてユキはそれを見届けるとまた矢を命中させ……その行動を繰り返した。
メランから見てもある一種の持久戦だがそれでもしょうがない、
と考え鎌を後ろに構えてそのまま先ほど当たった
瓦礫と化した柱に隣接した壁を勢いで上っていく。
途中降りてしまうあたりで鎌を引っ掻けてを繰り返して地道に上り、
ある程度壁を上ったところで引っ掻けた鎌に力を込める。
鎌の刀身は紅く輝きを放ちその刀身が更に大きく変わっていく。
先ほどから張り付いている壁や柱は昔の遺産なのかもしれないが構わない。
今を変えるのは今しかできないことなのだから。
「―――行く……ぞっ……!」
メランは完全に真っ赤に染まった鎌に、もう一度壁から少しだけ抜いて
刺して衝撃を与えると鎌は一人でにその衝撃を倍増させメランは壁から引き離される。
衝撃による移動は空中へ、ユキの放つ弓の矢が貫通して抜けていく骸機の上へと移動した。
そして大きな声でユキに離れて良いことを呟くと
それに呼応するかのように骸機の目がこちらに向くがその時点では既に遅かった。
「―――おせぇよ」
メランの持つ鎌の刀身は先ほどの真っ赤な状態からさらに
黒が混ざった赤へと変わり、メランはそれを持ちながら縦に回転し、
その要領で両羽を切り裂いて大地へと降り立つ。
だがこの状態では羽をもがいただけで死んではいない。
すかさずメランは素早く骸機の目の前に移動すると鎌を振り折ろす。
だがそれは骸機の前足によって止められる……が。
「……少しくくらいアンタも功績は自分のモノにしなさいよねっ……!」
ユキが一瞬を突かれた骸機の前足を斧で粉砕させ骸機の態勢を崩させると
メランはああと頷き、鎌を骸機の頭の節に当ててそのまま前へ裁断した。
するとぶちぶちというケーブルのような血管から黒い油のようなものが噴き出、
それを少しだけメランは浴びるも、骸機は動かず機能を停止させる。
そうしてメランとユキはその骸機に勝利した。
戦いを終えてメランは
”自分は手伝いを行っただけで連携を上手くしてくれたユキさんに感謝する”
と思ったことを上官の方へと伝えた。
結果的にメランは骸機討伐の力を貸した助手のような扱いですまされ
ユキは骸機をメインで屠った英雄として他の機命者達に脚光を浴びて―――
「―――こんなの望んでないんだけど?
私言ったよね?手柄はアンタのものだって。」
「ああ、だから連携を良くしてくれて狩ったってのを言ったよ。
でもなんか上に言われたのは
”君はどのチームと組んでも助手としての働きをするんだね”って言われてさ。
まぁこうして報酬も貰えたことだし良いんじゃないか?」
丘の上ではなく街へと帰路に踏み出しているメランにユキは苦言を通したが、
天然のためなのかその言葉は意図を介さず他者にとって良いものとなってしまった。
これがメランがお人好しと言われる所以だがメラン自身には特に何も思っていない。
「はぁ……このままだったら私多分最高位の称号貰っちゃうかもしれないんだけど
……ったくめんどくさいなぁ」
「最高位の称号って確か討滅者、だっけ?まぁまぁ良いじゃないか。
これでお金も増えてますまs―――いてっ」
「……!大丈夫……?」
……?
メランは自分にいきなり頭が締め付けられるような感覚を襲い眩むが、
それにユキは心配そうにどうしたの?と呟いてきたがメランは
「大丈夫だよ、きっと筋肉痛さ。」
メランは痛んだいつの間にかできた首の後ろの傷口を押さえた。
確か骸機のケーブルを遮断させたときに受けた傷だ。
傷という言葉に反応しやすいユキには内緒にしている。
するとそこからはみ出る血は紅くはなくただ黒くねっとりと油のような感じで、
メランの手の平にべっとりとついた。
メランは考えない方が良いとそれを薄く手のひらで伸ばしてユキと話を再開する。
それ以降は他愛ない話を―――したかった。
……とここまでが僕が堕ちる前までの話だ。
堕ちる、とは言っても”まだ”自我はあるし別段どこが悪いわけでもない。
まぁ良くもないけれど。
・
「……?これ、君のか」
「―――あア。ありがとウ。」
そうして薄暗い洞窟の中その人物は俺のいつも書き連ねる手帳を読む。
別段誰かに見せるものだ、問題はない。
「……ああ、君がまだただの機命者だったころの話か。
取り敢えず返しておくが今日のは……ほう、大型骸機の無傷のリアクターか。
よく手に入れたものだ。」
「―――割に合う情報を求ム」
とその人物は俺を見つめる。
その人物は俺と縁がありこうして情報と引き換えに物資を交換してくれている。
「そうだな……取り敢えず君の気になっている女の子だが僕と同じ討滅者になった。
今はチームを組んでいるそうだが、元のチームの人達の命の状態が
良くないみたいでね。始めは7人いたが今は2人でやってるそうだ。」
「それデ?他にハ?」
「あとはそうだな……”姫”の報告とか?
彼女を倒せば君のその半骸機化も治せるだろうしね?元機命者のメラン」
暗い洞窟に月の光が差し込む。
ここは暗い地下よりも少し地上に近い場所、
俺メランは光が入り左半身が機械化した状態が
露わになった状態でその報告に耳を澄ませて呟く。
「今も昔も命なんて粗末な物だ、そうだろう?今を生きる機命者ヨ」
これは人が絶望に打ち勝つための物語。
――― To be continue…?
後書きです。
……改稿したのに結局ハッピーエンドじゃない?
なーんて言われそうですね。はっはっは!
結構気になる形で終わらせた方がこのLIFEという物語は良いのかもしれません。
さーていかがだったでしょうか?
短編って何文字で短編なのでしょう?まぁ楽しんでいただければ幸いです。
ちなみに設定に関しては自分が小学生の頃に書いた設定案が元になっています。
ので書くにあたり結構分かりやすくストレートに内容が入ってくる作品だとは
思っています。
ちなみにこの作品についてどこまで設定を思いついているのかと言うと
連載した場合ユキの弟が出てくるのですが彼目線で物語が進みます。
ここで言ってしまうと分かるかもしれませんが彼も適正が入って機命者になるという
物語になっていきます。そのときの物語に登場するキャラは思いついてはいませんが
とりあえず起承転結のうち起転だけが思いついてるような状態ですねw
短編小説に関してですがLIFEに関わらず他の系統として出す場合がございます。
そのときもまた見てくれると嬉しいです。
では、最後まで見ていただいてありがとうございました!!!!
メラン(prologue ver.)
性別:男 年齢:17~18歳 身長:175cm程度 趣味:読書
性格:天然、しっかり、直感的 武器:三日月型の刀身を宿す紅い鎌
容姿:白よりの黒髪のセミロング(少し耳にかかる程度)、眼は茶色がかっている
体型:少しやせ型、足の方が少し筋肉質
概要:物語中、男性では歴代2人目となる機命者
ユキとだけ親友関係でそれ以外とは接点はあれど
活用されているような形になっている
能天気で他人の良い所に対して嫉妬せず尊敬する優しい心の持ち主
ユキのことを気にかけてはいるものの自分に自信がないため友人として接している
ユキ(prologue ver.)
性別:女 年齢:13~14才 身長:130cm程度 趣味:怠惰な生活
性格:冷徹、めんどくさがり、感情的 武器:斧/弓の変形型
容姿:黒髪におさげ、眼は紺色、少し目つきが悪い
体型:痩せ型、胸も貧乳(A)
概要:物語中で最も討伐数が高く実力者として認められている機命者
ただお金や報酬が欲しいのに人気になるなんて……と本人は後悔しっぱなし
5歳差の弟と病気の母がおり家族を養うために機命者になった
ただ母には嫌われ弟には好かれている
メランに対して複雑な感情を抱いてはいるものの、それが何の感情かが分からず
また自分に自信がないため友人として接している